ゾニサミドの効能・作用・副作用

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ゾニサミドについての基本情報

ゾニサミドの効能・作用……効能は『てんかんの部分発作(単純部分発作(ジャクソン型発作)・複雑部分発作・二次性の全般化強直間代発作),  全般発作(強直間代発作・強直発作・非定型欠伸発作・脱力発作),  混合発作』です。トレリーフの効能は『パーキンソン病(レボドパ含有製剤に他の抗パーキンソン病薬を処方しても十分な効果が得られなかった場合)』です。

ゾニサミドは1989年に日本で開発製造された抗てんかん薬で、化学構造としてはスルフォナマイド基とベンジソキサゾール基を有しています。抗てんかん薬としての作用機序は、カルバマゼピンやフェニトインと類似した『てんかん発作の神経学的発射伝播作用の抑制』、バルプロ酸ナトリウムと類似した『てんかん原性焦点の抑制作用』を併せ持っています。

2009年には、ゾニサミドを成分とするトレリーフ(商品名)が、パーキンソン病治療薬として承認されましたが、保険適用で承認されている1日の処方量は1日25mgとかなり少なめに制限されています。

ゾニサミドの半減期は『約60時間』で、有効血中濃度は『10~40μg/ml』です。ゾニサミドは初回投与から定常血中濃度に到達するまでに『約2週間』の時間がかかるので、飲んですぐにてんかん症状を抑えるという速攻性は期待することができません。副作用はかなり少ない薬であり、同じ抗てんかん薬であるカルバマゼピンやフェニトインよりも副作用の発現頻度が低くなっています。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの全般発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

部分発作は『単純部分発作』と『複雑部分発作』の2つに分類されます。

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ゾニサミドの商品名……エクセグラン(大日本住友), エクセミド(共和薬品工業), トレリーフ(大日本住友)

平均的な用法・用量……成人は1日100~400mgを1~3回に分けて服用する。1日の最大用量は600mgである。初回は1日100mgから服用を開始して、症状によって漸増していく。維持量は、1日400mg(100mg×4錠)を2回に分けて服用する。

小児は、通常、初回1日2~4mg/1kgを1~3回に分けて服用する。以後は1~2週ごとに増量して1日量4~8mg/1kgにして、1~3回に分けて服用する。1日の最高用量は12mg/1kgである。

小児は医師の指示・指導に従った用量用法を守って服用する。

副作用……眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、食欲減退(体重減少)、複視(物が二重に見える)、発汗減少などの副作用が出ることがあります。

トレリーフは幻覚、妄想、錯乱、譫妄等の精神症状が出ることがあります。

てんかんの薬を自己判断で急に中止すると、その副作用(離脱症状)で重いてんかん発作を起こす恐れがあります。抗てんかん薬は用法用量を守って規則正しく飲まなければならず、中止する時には医師の指示・指導を受けながら段階的に用量を減らしていきます。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症、呼吸抑制、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス-ジョンソン症候群)、紅皮症、中毒性表皮壊死症、悪性症候群、遅発性の薬剤過敏症、横紋筋融解症、腎・尿路結石、錯乱・興奮、肝機能障害、腎不全など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、呼吸器疾患、腎臓疾患、肝疾患、心臓疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、急性狭隅角緑内障、重症筋無力症、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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