ラモトリギン(商品名ラミクタール)の効能・作用・副作用

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ラモトリギンについての基本情報

ラモトリギンの効能・作用……効能は『強直間代発作・部分発作・レノックス・ガストー症候群における全般発作)』で、基本的に他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないケースで処方される。もう一つの効能は、『双極性障害(躁うつ病)の気分エピソードの再発・再燃の抑制』である。脳の過剰な神経活動を鎮静する作用によって、双極性障害における気分の激しい浮き沈みを抑制して『再発・再燃』のリスクを下げてくれる。

抗てんかん薬のトピラマートやゾニサミドと同じく、部分発作・全般発作をはじめとする幅広く効き目のある『抗てんかんスペクトラム』を持っている。子供に多い欠神発作や治療が困難とされているレノックス・ガストー症候群に対しても一定以上の効果を期待することができ、他の標準的な向精神薬とも組み合わせて処方しやすいという特長がある。

ラモトリギン(ラミクタール)は第二世代の抗てんかん薬で、双極性障害の躁エピソードと鬱エピソードにも効果があるように『情動安定化作用』もある。双極性障害の維持療法においてはラモトリギン(ラミクタール)は単剤投与が可能となっているが、抗てんかん薬としての適用は原則として他の抗てんかん薬と一緒に処方する『併用療法』になっている。

血中濃度の半減期は約31~38時間と長めである。抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウム(デパケン)との併用で、半減期は約2倍にまで延長される。代謝は主にグルクロン酸抱合によって行われる。

ラモトリギン(ラミクタール)の化学的な作用機序は、カルバマゼピンやフェニトインと似たものであり、『電位依存性ナトリウムイオンチャネル抑制作用』によって脳の過剰な神経興奮を抑制していると考えられている。ラモトリギン(ラミクタール)の前臨床試験では、『最大電撃けいれん・薬物誘発性けいれん・キンドリングに対する抑制効果の高さ』が確認されている。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの全般発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

部分発作は『単純部分発作』と『複雑部分発作』の2つに分類されます。

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ラモトリギンの商品名……ラミクタール(グラクソ・スミスクライン)

平均的な用法・用量……最大用量は200~400㎎だが併用する抗てんかん薬によって用量の調整が必要となる。

バルプロ酸ナトリウムとの併用療法……初期投与量は成人で隔日25㎎、2~4週目に1日25㎎へと増量する。1日25~50㎎を2回に分けて服用しながら用量を漸増させる。最終的に、100~200㎎を1日2回に分けて服用する。

小児は医師の指示・指導に従った用量用法を守って服用する。

副作用……皮膚症状の副作用(発疹・発赤・唇や口内のただれ・喉の痛み・目の充血など)に特に注意が必要である。眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、胃腸障害、肝機能障害、吐き気、眼振、複視(物が二重に見える)などの副作用が出ることがあります。

てんかんの薬を自己判断で急に中止すると、その副作用(離脱症状)で重いてんかん発作、不穏・振戦・睡眠障害を起こす恐れがあります。抗てんかん薬は用法用量を守って規則正しく飲まなければならず、中止する時には医師の指示・指導を受けながら段階的に用量を減らしていきます。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス-ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症、呼吸抑制、悪性症候群、遅発性の薬剤過敏症、肝機能障害、腎不全、無菌性髄膜炎など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝疾患(肝機能障害)、腎疾患、皮膚症状のアレルギーを起こしやすい人、呼吸機能低下、脳の器質的障害、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症、重い肝臓病、本剤による皮膚症状、妊婦(医師の慎重な判断によって処方するケースもあるが、特に妊娠初期に催奇形性・自閉症スペクトラムのリスクが指摘される)、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウム(デパケン)と併用すると、この薬の代謝が約2倍まで遅くなる。抗てんかん薬のフェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)やカルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)と併用すると、逆にラミクタールの血中濃度は低下してしまう。

セイヨウオトギリソウ(セント・ジョンズ・ワート)を含む健康食品も、フェニトインの効き目を弱める恐れがある。

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