ジアゼパム(セルシンなど)の効能・作用・副作用

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ジアゼパム(セルシンなど)についての基本情報

ジアゼパムの効能・作用……効能は『うつ病・不安障害・パニック障害・心身症などの精神症状である不安感・緊張感・焦燥感・睡眠障害など』です。『胃潰瘍・十二指腸潰瘍・本態性高血圧』などの精神的ストレスを原因とする心身症の身体症状にも効果が期待できます。ジアゼパム(商品名セルシンなど)は、代表的かつ古典的なベンゾジアゼピン系(BZ系)の抗不安薬であり、マイルドな効き目の安全性の高いお薬です。

大脳辺縁系に分布していてリラックス感・眠気に関係する『GABA-BZ受容体』に作用する。大脳の神経活動を抑制する『GABA神経系』の働きが促進されることで、『催眠誘導・抗不安(抗緊張)・抗けいれん・筋弛緩』などの薬理効果が発現することになる。

ジアゼパムは、脳脊髄疾患に伴う筋けいれんの抑制、疼痛の緩和、あるいはてんかんにおける重積けいれんの症状に処方されることもある。注射剤として用いる場合には、筋肉内注射(筋注)と静脈内注射(静注)をすることができるが、乳幼児・小児に対しては筋注は禁忌である。急速な静脈注射は『呼吸抑制』の副作用が強く、血栓性静脈炎を起こす恐れがあるので慎重で緩徐な投与をしなければならない。

ジアゼパムの持続時間は『長時間型』で、血中半減期は“約24時間以上”である。代謝物のノルジアゼパムの蓄積があるので、人体への作用時間が長くなる。抗けいれん作用が強いので、肩こり・腰痛・熱性けいれんの予防にも処方される。

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ジアゼパムの商品名……セルシン(武田薬品),ホリゾン(丸石),ジアパックス(大鵬薬品),セエルカム(鶴原製薬),セレナミン(旭化成ファーマ)

平均的な用法・用量……成人の不安・緊張・抑うつに対して、1回2~5mgを1日2~4回服用する。外来患者の最大量は1日15mg以内が望ましい。筋けいれんに対して、1回2~10mgを1日3~4回服用する。

静注は、できるだけ太い静脈を選んで、慎重かつ緩徐に1アンプル(10mg)を2分以上の時間をかけて注射する。年齢・症状に応じて、用量を調整する。

副作用……副作用は比較的少なく、安全性の高いとされる薬です。人によっては、眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、翌日への眠気の持ち越し、口渇といった副作用が出ます。運転・危険な機械の操作をする前には服用しないようにしましょう。

重大な副作用(発症頻度は低い)……一過性の前向性健忘、依存症(耐性形成で効きにくくなる)、呼吸抑制、刺激興奮。依存症と関連する離脱症状として、『イライラ、不安、不眠、ふるえ、けいれん、混乱』などの症状が出ることがある。眠気や注意力・集中力の低下といった副作用が翌朝以降にも続く恐れがあるので、危険を伴う作業もしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、脳の器質障害、心臓疾患、腎臓疾患、呼吸器疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。コーヒー、緑茶、紅茶に含まれるカフェインは、本剤の効き目を弱める可能性があります。他の向精神薬と併用すると、薬の効き目が強くなりすぎたり、副作用が強まったりすることがあります。

『処方してはいけない禁忌』は、HIV治療薬のリトナビルを服用している人、重症筋無力症の人、急性狭隅角緑内障の人、重症の気管支喘息の人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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