塩酸アマンタジンの効能・作用・副作用

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塩酸アマンタジンについての基本情報

塩酸アマンタジンの効能・作用……効能は『パーキンソン症候群・脳梗塞の後遺症(自発性や意欲の低下)・シンメトレルはA型インフルエンザウイルスの感染症にも効果がある』です。

運動性の脳内神経伝達物質であるドーパミンの受容体を遮断することで、脳内のドーパミン量を増やして精神活動を活性化させるための薬です。塩酸アマンタジンは『ドーパミン遮断薬』の一種であり、脳内のドーパミン不足によって手足の振るえや筋肉のこわばり、歩行・運動の障害がでてくる『パーキンソン症候群』の治療薬として処方されています。人間の精神活動の活発さや意欲性にもドーパミンは関わっているので、『脳梗塞の後遺症である自発性・意欲の低下』に対しても用いられることがあります。

シンメトレルには『A型インフルエンザウイルスの増殖』を抑制する効果が確認されており、感染初期に服用すれば発熱期間が1~2日ほど短くなります。A型のみに効く薬なので、型の異なるB型インフルエンザウイルスなどには効き目がありません。

塩酸アマンタジンの商品名……アテネジン(鶴原)、アマゾロン(沢井)、塩酸アマンタジン(日医工)、シキタン(全星薬品)、シンメトレル(ノバルティス)、トーファルミン(キョーリンリメディオ)、ボイダン(イセイ、共和薬品)、ルシトン(辰巳化学)、ロティファミン(大洋薬品)

平均的な用法・用量……パーキンソン症候群:100~200mgを1~2回に分けて服用。脳梗塞の後遺症:100~150mgを2~3回に分けて服用。A型インフルエンザウイルス感染症:100mgを1~2回に分けて服用。

副作用……便秘、下痢、腹痛、吐き気、幻覚・妄想・譫妄の精神症状、不安・神経過敏・興奮・高揚感の精神症状、頭痛、めまい、口渇、集中力低下、倦怠感、発汗、不随意運動(パーキンソン症候群に付随する手足の振るえ)など。めまいやふらつきの副作用があるので、車の運転や危険な機械の操作はしないようにしてください。

重大な副作用(発症頻度は低い)……悪性症候群、中毒性表皮壊死症、皮膚粘膜目症候群、心不全。塩酸アマンタジンは重症度の高い副作用もあるので、医師の専門的判断によって必要とされる場合にのみ処方されますが、『A型インフルエンザウイルス感染症に対する処方』に際しては、精神状態を衝動的に興奮させる自殺企図や元々の精神障害の悪化のリスクがあります。そのため、患者の既往歴や体質・精神状態の把握を前提とした『慎重な医師の判断』が必要になる薬です。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、心血管疾患、腎機能障害、肝機能障害、低血圧症、末梢性浮腫、精神疾患のある人、透析治療を受けている人など。

『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人。妊婦や授乳婦。

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