塩化リゾチームの効能・作用・副作用

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塩化リゾチームについての基本情報

塩化リゾチームの効能・作用……効能は『慢性副鼻腔炎の腫れ,歯槽膿漏の腫れ,気管支炎や気管支喘息による喉の腫れ、痰のからみ,褥瘡や火傷などによる皮膚潰瘍,慢性結膜炎、手術後の出血』などです。しかし、2012年度の薬剤の有用性の再評価指定によって、『歯槽膿漏・手術後の出血』の効能が削除されており、それ以外の従来の効能についても『プラセボ効果を超えない可能性がある』との疑念も指摘され、プラセボ(偽薬)比較試験が行われる予定になっています。

塩化リゾチームは、ニワトリ(鶏)の卵白から抽出した酵素を精製した薬剤(消炎酵素薬)で、鼻水・痰・膿を溶かして排出しやすくして、炎症・出血を抑えてくれるという作用があると言われています。血液凝固を妨害する物質を抑制するので出血が治まりやすくなり、抗炎症作用があるので炎症で損傷した組織の回復を早めてくれますが、現在ではその効果効能についてはかなり弱いものだという認識が持たれています。

慢性副鼻腔炎・気管支炎などの耳鼻咽喉科・呼吸器科の病気では、粘度のある痰を自分で出しにくくなりますが、そういった時にこの塩化リゾチームが処方されています。卵を原料としているため、卵アレルギーの疑いがあるアレルギー性疾患を持つ患者には処方の上での注意が必要となります。日本では子供の風邪などに比較的良く処方される薬ですが、海外ではその効果の低さから殆ど用いられていない状況のようです。

塩化リゾチームの商品名……アクディーム(あすか製薬),エトナーゼ(三和化学),エリチーム(イセイ),塩化リゾチーム(ニプロジェネファ、東邦新薬、ヤクルト、イセイ、昭和薬化工、東和薬品、辰巳化学、陽進堂、三和化学、岩城),エンリゾ(辰巳化学),オペック(大正富山),スカノーゼリン(鶴原),タンチナーゼS(大洋薬品),トヨリゾームDS(マルコ,日医工),ノイターゼ(沢井),ノイチーム(エーザイ),ミタチーム(キョーリンリメディオ、マイラン製薬),ムコゾーム点眼(参天),ムラーゼ(寿),ムラーゼS(寿),ラブチーム(高田),リゾスミン(生晃栄養),リゾチオーゼ(長生堂),リゾチーム塩酸塩(陽進堂、辰巳化学),リゾティア点眼(武田薬品),リチーム(日医工),リフラップ(エーザイ、日本化薬),レフトーゼ(日本新薬)

平均的な用法・用量……1回20~90mgを3回。小児用のシロップ・ドロップは1回5~20mgを3回。皮膚科用は1日1回~数回、患部を清潔にした上で貼付・塗布をする。眼科用は1回1~2滴を点眼する。

副作用……アレルギー性疾患のある人に、過敏症(発疹・発赤)や皮膚のかぶれ、水泡が出ることがある。下痢、吐き気、胃部不快感、食欲不振など。

重大な副作用(発症頻度は低い)……ショック(アナフィラキシー・ショック)。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、アレルギー性疾患(気管支喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・食物アレルギー・薬剤アレルギー)やアレルギー体質のある人。家族がアレルギー症状を起こしたことがある人。

『処方してはいけない禁忌』は、卵(卵白)アレルギーのある人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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