悪木盗泉(あくぼくとうせん)

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悪木盗泉
(あくぼくとうせん)

[意味]

暑くても自分が果実を盗んでいると疑われかねない木の下(悪い木の下)では少しの間も休むな。どんなに喉が渇いていても盗泉の水を飲むな。そこから、人としての道を踏み外すようなことをしてはいけない、人から悪い事をしていると疑われるようなことをしてはいけないという意味となる。悪事や疑惑を招くような状況にはできるだけ近づかないほうが良い。

原典となっている元々の文章は、『渇すれども盗泉の水を飲まず、熱くとも悪木の陰に息わず(いこわず)』である。『盗泉』は他人の泉を盗んで飲むことという意味にも思えるが、実際は孔子がその泉の近くを通りかかった時に『盗泉』という名前を聞いて、『名前の意味が悪い(盗んで飲むような気持ちになる)』として飲まなかった泉のことだという。

[出典]

陸機『猛虎行』(西晋の時代)

[類義語]

李下に冠を正さず、瓜田に履を入れず。瓜田李下(かでんりか)

[用例]

誰もその時間帯の私のアリバイを証明することができないため、絶対に窃盗などやっていないにも関わらず、悪木盗泉で私は警察から嫌疑を掛けられる羽目になってしまった。

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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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