横死九法(おうしくほう)

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横死九法
(おうしくほう)

[意味]

仏教用語で、養生の道・方法に背いた生活をして、天命(天寿)をまっとうできない死に方をする時の九つの原因のことである。

天命・天寿をまっとうできずに短命に終わってしまう『九横死経(くおうしきょう)』にある9つの原因とは、『食べるべきでないのに食べる』『節食しない』『食べ慣れないものを食べる』『消化していないうちにまた食べる』『大便・小便を我慢する』『戒律を守らずに世間法・煩悩に従う』『悪友に近づく』『入ってはいけない時に山里に入る』『疫病や狂犬を避けない』である。

横死九法とは直接の関係はないが、『薬師経』にも横死する原因として、『病気になっても医療を為さない』『非道をして法律で処刑』『快楽に溺れて身を慎まない』『鬼怪から精気を奪われる』『火で焼かれる』『水で溺死する』『山林などで野獣に襲われ食べられる』『絶壁から堕ちる』『毒薬に中る(あたる)』『飢餓・涸渇に苦しむ』が挙げられている。

『横死』というのは、正道ではない思いがけない死に方という意味であり、誰かに殺されたり、不慮の事件事故・災難に遭ったりして死ぬことである。

『横死九法』では、特に養生をせずに暴飲暴食したり衛生環境が乱れたりしたことで、寿命を縮めて死ぬという意味合いが強い。

[出典]



[類義語]

九種横死(くしゅおうし)、 横難横死(おうなんおうし)

[用例]

食べたいだけ食べて、飲みたいだけ飲むという無茶な生活をしていた彼は、糖尿病と心臓疾患を悪化させて『横死九法』で昨年あっけなく死んでしまった。

『横死九法』という人が天寿をまっとうできない九つの原因は、人間が健康になったり病気になったりすることにある種の因果関係があることを示しているのである。

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参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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