あつむぎ(熱麦)・ひやむぎ(冷麦)

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小麦から精製された『うどん・そうめん(素麺)』を、熱くしてから食べるものを『あつむぎ(熱麦)』という。うどんの原型は近世・江戸期以前に『切麺(せつめん)』と呼ばれていたものであるが、切麺は日本では『切麦(きりむぎ)』と呼ばれていたが、この切麦は現在のにゅうめん(煮麺)に近い。切麦は一般的なうどんと比較すると、麺が細いのが特徴である。

うどんよりも細いこの切麦を、熱くして食べるものを『熱麦(あつむぎ)』、冷たく冷やして食べるものを『冷麦(ひやむぎ)』と呼んだのが始まりだが、この冷やしてから食べる冷麦の食べ方は現在のそうめん(素麺)にも引き継がれている。素麺よりかは『切麦・冷麦』のほうが麺が太いが、冷麦(ひやむぎ)は現在のスーパーマーケットなどでも市販されている。蒸して食べるうどんのことを『蒸麦(むしむぎ)』と呼ぶこともあった。

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日本で『切麦・うどん・そうめん』といった麺類の名前が、一般的に使われるようになるのは室町時代からであり、室町後期の『山科家礼記(やましなけらいき,文明12年・1480年)』に『切麦』という言葉が登場している。

切麦の食べ方として、『熱麦・冷麦・蒸麦・入麺(煮麺,にゅうめん)』などの多彩な食べ方が生まれてくるが、熱麦は現在でいう『やや細麺の釜揚げうどん』に近い麺類の食品であった。

うどんは一般的に熱いだし汁につけて食べるものになっていったので『熱麦(あつむぎ)』という言葉は次第に使われなくなっていき、うどんと熱麦はほぼ同義になっていく。現在では、太めの素麺として認識されている『冷麦(ひやむぎ)』の名称だけが残っている。

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