登山ウェアのアウター(ハードシェル・ソフトシェル)


アウター(シェル)とレイヤリングの説明

登山時の服装は複数のウェアを重ね着する『レイヤリング(layering)』が基本ですが、暑い夏場の行動着であれば『半袖のアンダーウェア(ベースレイヤー)+化繊の長袖シャツ』の二層でも大丈夫でしょう。ただし夏場であっても、もしもの時に防風防寒の役割を果たせる“レインウェア”は必携ですし、2000メートル以上の高山であれば“薄手のダウンジャケット”などもいざという時の防寒のために持っていくべきです。

寒い冬期の登山ウェアは、登る山の高度によっても変わりますが、『長袖のアンダーウェア(ベースレイヤー)+防寒着のミドルレイヤー(ダウンやフリース)+防風のアウター(シェル)』の三層構造のレイヤリングが基本になります。『三層構造のレイヤリング』だから必ず三枚だけでまとめなければならないという訳ではなくて、実際にはアンダーウェアの上に何枚の服を着るのかは、『個人の体感温度・発汗のしやすさ・動きやすさ』などによって変わってきます。

長袖のアンダーウェア(保温性下着)の上にいきなりダウンを着るよりも、下着の上に厚手の長袖シャツ(長袖ボタンシャツ)を着れば保温性が高まりますし、汗をかくくらいに暑くなってくれば、冬場でもアウターのシェルを脱いで行動したほうが冷えた汗による体温低下を防ぐ事ができます。このページでは、三層レイヤリングの中で一番外側に着る『アウター(シェル)』の機能や素材の説明をしてから、代表的なアウター(シェル)の商品をいくつか紹介していきます。

登山ウェアのアウターは“シェル(shell)”とも呼ばれますが、シェルとは『殻(外殻)』の意味であり、身体の一番外側に着ることになるアウターは、丈夫な殻(シェルター)のような役割を果たして身体を守ってくれます。アウター(シェル)は身体から外界の刺激をシャットアウトする役割を果たしており、具体的には『強風・寒気(寒さ)・風雨・風雪』から身体を守ってくれるわけです。

すべてのアウター(シェル)が防水性を持っているわけではないので、生地の素材や性質によっては『防風・防寒』だけの働きになることもありますが、“防水透湿性”の素材である『ゴアテックス(GORE-TEX)』や同じような性質を持つ防水透湿素材を用いた生地であれば雨・雪も防いでくれます。ゴアテックス(GORE-TEX)を用いたアウターは価格が比較的高くて、安い商品でも2〜3万以上はするのですが、寒い季節には状況を選ばずに着ることができる汎用性と安心感があるので、冬期に高山に登るのであれば必携のウェアになってきます。

『防水性のないアウター』のほうが内部が蒸れにくいので、天気が良い日であれば、敢えて防水ではない通気性の良いアウターを選んで着たほうが良いこともあります。『撥水性』と表示してあるアウターのウェアは防水機能のほうはついておらず、小雨を短時間だけ弾く程度の機能なのですが、その分、適度な通気性があるので汗をかきにくくて動きやすいというメリットもあります。

ゴアテックス(GORE-TEX)やその他の防水透湿素材はレインウェア(雨具)にも使われているので、冬期の登山にモンベルのストームクルーザージャケットやノースフェイスのレインテックス・プラズマなどのレインウェアを使い回しても良いのですが、登る山や気候環境によってはレインウェアでは機能不足で危険なこともあります。

特に、2000メートル以上の厳冬期・積雪期の高山に登るような場合には、レインウェアでは『生地の薄さ・耐久性の低さ・体温調整のしにくさ』が問題になってくるので、雨具ではない冬期登山専用のハードシェルを買っておいたほうが安心です。反対に、1000メートル前後の低山や雪が積もらない無雪期、気温が0〜5度以上の時では、しっかりした厚手の生地のハードシェルを着て活動していると、暑くなり過ぎて汗をかき過ぎてしまう(体を冷やしてしまう)恐れが出てきます。厳冬期の積雪がある山や2000メートル以上の冬期の高山に登らないのであれば、冬山でも普段のレインウェアをアウターとして使い回すことができますし、使い回しには『荷物の重さ・嵩(かさ)を減らせる』という明確なメリットがあります。

寒い季節の登山で着るアウター(シェル)には、生地がシャカシャカとした感じで固い『ハードシェル』と生地がしんなりとした感じで柔らかい『ソフトシェル』とがあります。実物を触ったり見たりすれば、ハードシェルとソフトシェルの違いは明らかですが、ゴアテックス製が多いハードシェルはレインウェアに似た頑丈なナイロン製品の手触りで、『高度な防水透湿性(外からの雨を防いで、内からの汗の蒸発を促進する)』を持っているところに最大の特徴があります。

風や雨、雪を最大限防ぐためのアウターがハードシェルですから、当然、通気性はかなり低くなり透湿性はありますが、ある程度は内部が汗で蒸れやすくなります。厳冬期の強風・降雨・暴風雪を防ぐためには、ソフトシェルよりもハードシェルのほうが必携のウェアだと言えます。ソフトシェルは一般的なジャージにも似た柔らかい手触りで、『ストレッチ性・適度な通気性』を持っているので、腕や背中の曲げ伸ばしが軽快にできて非常に動きやすいウェアになっています。

生地の厚みがあるものやフリースの裏起毛をしたもの(ハイブリッドタイプ)などもあるので、ソフトシェルの中にはハードシェルよりも『保温性・防寒性』に優れたものがあります。またストレッチが効いていて一定の通気性があるソフトシェルは、厳冬期以外の季節の上着としても使いやすいものが多く、頻繁に登山をする人にとってはコストパフォーマンスが高い一着になるかもしれません。しかし、ソフトシェルは一般的に『激しい雨・雪』に耐えられるほどの『防水性』は持っていないので、ソフトシェルをアウターに選ぶ場合には、それとは別に防水透湿性を持つハードシェルあるいはレインウェアを持っていかなければなりません。

アウター(シェル)の商品の紹介

“機能性・デザイン・価格”に着目して、アウター(シェル)の商品をいくつか紹介します。

モンベル(mont-bell)の“ダイナアクションパーカー”は、すべての季節・天候に対応可能なオールウェザー・クロージングで、重量もわずか420グラムしかないという軽量なアウターです。生地素材はゴアテックスファブリクスの3レイヤーで、強風や雨・雪に耐える機能性を持っており、冬山登山に対応するハードシェルとしてベーシックな機能を全て備えています。肘部分には立体裁断が施されているので、腕の曲げ伸ばしがしやすくなっており、ハードシェルとしての運動性も改善されています。価格も他のブランドのハードシェルと比較すればリーズナブルな設定になっているので、特にブランドへのこだわりがなければお勧めのアウターです。

モンベル(mont‐bell) ダイナアクションパーカ

モンベル(mont‐bell)  ダイナアクションパーカ
価格:33,199円(税込、送料込)

ノースフェイス(The North Face)の“ウィンターダンス・ジャケット”は、ノースフェイスのハードシェルのラインアップでは最上位のフラッグシップモデルになります。重量は約530グラムで軽量ですが、生地素材はゴアテックス・プロシェルという非常に強度のある防水透湿素材を使っていますので、冬山のアウターとして安心して着用することができます。冬山の過酷な条件下でも快適な身体の状態を保ちやすく、一定のストレッチ性もあるので活動しやすいアウターになっています。

パウダースカートが付いており雪の侵入を防いでくれるので、スキーの用途にも使うことができます。脇下のベンチレーション(ジッパーで開放できる部分)による体温調整もしやすいモデルです。フラッグシップのウィンターダンスは価格が高いですが、同じノースフェイスの“スクープジャケット”“ドットショットジャケット”でも十分な防水透湿性がありますので、これらであれば2〜3万円で購入できます。

HAGLOFS(ホグロフス)はスウェーデンのアウトドアブランドですが、スマートなデザインと優れた機能性に定評があります。ホグロフス(HAGLOFS)の“リムジャケット”は、GORE-TEX Pacliteの素材を採用することで、非常に重量が軽く抑えられています。袖を立体裁断して動きやすくしており、フードはドローコードで調整することで視界を広く保つことができます。悪天候時の高いアクティビティを維持できるアウターであり、無駄なものや装飾的な要素を削ぎ落としたシンプルで機能的なデザインも魅力的です。ホグロフスのフラッグシップ(最上位モデル)のハードシェルには、5万以上の定価の“SPIRITZU JACKET”もありますが、通常の冬山登山であればリムジャケットでも十分に対応できます。

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ホグロフス(HAGLOFS) リムジャケット
価格:42,000円(税込、送料込)

パタゴニア(PATAGONIA)の“トレントシェル・ジャケット”は、GORE-TEXではなくて独自開発の防水透湿素材である“H2No”を採用していますが、価格対機能のコスト・パフォーマンスに優れたハードシェルです。H2Noは2.5層構造で生地の厚みは50デニールなので、2000メートル以下の冬山登山であれば十分に対応できます。汗の水蒸気を外部に逃す透湿性ではゴアテックスよりも劣りますが、デリュージDWR(耐久性撥水)の加工が成されており、雨がパラつく中での行動を快適に行うことができます。

モンベル(mont-bell)の“ロッシュジャケット”は、機能性と価格性を兼ね備えた動きやすいソフトシェルのアウターです。本格的な雨に対する防水性はないですが、多少のぱらつく程度の雨なら高い撥水性によって弾き飛ばすことができ、防汚性もあるので生地が汚れにくいという特長があります。袖に立体裁断を施して腕を動かしやすくしており、『防風性・保温性・通気性』のバランスが取れたジャケットとして『春〜秋の登山(冬期登山ではダウンやフリースなどと重ね着すべきです)』におすすめです。

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モンベル ロッシュジャケット
価格:12,800円(税込、送料込)

ホグロフス(HAGLOFS)の“リザードジャケット”は、『防風性・保温性・運動機能性』のバランスに優れたソフトシェルのアウターです。デザインも洗練されていて動きやすい立体裁断が施されているので、春〜秋の登山のアウターとして最適です。

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ホグロフス リザードジャケット
価格:15,120円(税込、送料別)

マウンテンイクイップメント(MOUNTAIN EQUIPMENT)の“TROJAN HOODED”は、アルパインクライミング(登山)のためにデザインされたフルストレッチ素材の軽量なソフトシェルジャケットで非常に動きやすくなっています。ウインドストップ機能で防風性に優れており、内部の汗の水蒸気を外に逃がす透湿性もあるので、春〜秋の登山のアウターとして快適に着こなすことができます。

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マウンテンイクイップメント TROJAN HOODED
価格:19,110円(税込、送料込)

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