ウォーレン・ブランクの『リーダーシップに関する9つの自然法則』

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ウォーレン・ブランクが提唱したリーダーシップを実現する『9つの自然法則』

ウォーレン・ブランクが提唱したリーダーシップを実現する『9つの自然法則』

アメリカのコンサルタントで大学講師でもあるウォーレン・ブランク(Warren Blank)は、企業のコンサルティングと人材育成の研修教育・リーダーシップ研修を行う『リーダーシップ・グループ社』を経営しながら、ヒューストン大学などで経営管理学・リーダーシップ論などの講義を行っていた。

ノースカロライナ州チャペルヒルにあるW.ブランクが率いる『リーダーシップ・グループ社』では、その会社の名前の通り、革新的かつ実用的なリーダーシップ論の研究・実践・コンサルティングが行われている。W.ブランクはリーダーシップに関する新しいコンセプトと戦略的な理論を提唱したことでも知られ、特に『リーダーと部下の双方向的なコミュニケーション』によってリーダーシップの強度と影響力が決定されるという考え方を主張していた。

W.ブランクの『リーダーシップ論』の核心は、『優れたリーダーになるためには部下をどのように統制・主導すれば良いのかを考えるのではなく、どうすれば部下が自分についてくるのか、部下が何を自分に期待していて仕事において何を必要としているのかを共感的に推測・理解しながら考えること』こそがもっとも重要なのだということである。

W.ブランクのリーダーシップ論の最大の特徴は、『リーダーの性格・資質・カリスマ性』『部下の性格・資質・従順性』などに重点を置くのではなく、『リーダーと部下との相互的なコミュニケーション(双方向的な人間関係)』に重点を置いているということなのである。この実用的で新規性のあるリーダーシップのコンセプトは、ブランクが唱えた第一法則の『リーダーには進んで従う部下がいる』にも集約されている。

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ウォーレン・ブランクが考案して提唱した『リーダーシップに関する9つの自然法則』とは以下のようなものである。

1.リーダーには進んで従う部下がいる。

2.リーダーシップは相互作用の場である。

3.リーダーシップは1つのイベントである。

4.リーダーは権限を超える影響力を活用する。

5.リーダーは定められた手順の枠に収まらない。

6.リーダーシップには必ずリスクと不確実性が伴う。

7.リーダーが率先していく方向に誰もがついていくわけではない。

8.自覚がリーダーシップを生む。

9.リーダーシップは自分を探すプロセスである。

W.ブランクは、リーダーシップの本質をリーダーや部下の『個人としての資質・力量』には求めず、リーダーと部下の『相互的な関係性』に注目して、『進んで従ってくれる部下がいる人物』こそがリーダーとなるべき特徴を備えた人材なのだとした。リーダーシップとは、命令・指示・権威によって部下を無理やりに従わせることではなく、部下が自分からそのリーダーに従ってついていきたい、協力して働きたいと思わせる双方向的なコミュニケーション(モチベーションを引き出される環境設定)のことなのである。

ブランクの第2法則に『リーダーシップは相互作用の場である』と記されている所以でもある。リーダーは部下がリーダーシップを自発的に受け容れてくれやすい共感的なコミュニケーションを行ったり、モチベーションを高められる共通の環境整備を行ったりすることのできる人物なのである。第三法則に『リーダーシップは1つのイベントである』とあるように、リーダーシップというものは固定的で永続的な強制力・主導力などではない、むしろ、一定の環境条件やコミュニケーションの元で成立することのある『一時的なイベント(出来事)の結果=部下の自発的な参加・協力・従属』とでもいうべきものなのである。

第7法則の『リーダーが率先していく方向に誰もがついていくわけではない』は、リーダーと部下との人間関係の相互作用や相性の良さ、目標の共通性がリーダーシップを生み出すという厳しい現実を示唆している。第6法則において、リーダーシップには必ずリスクと不確実性がつきまとうことが示され、リスクを取って目標を達成していくリーダーは第4法則『リーダーは権限を超える影響力を活用する』と第5法則『リーダーは定められた手順の枠に収まらない』にあるように、『決められた枠組み・手順・権限』を超えた“越権的な影響力”を行使しようとする傾向が見られる。

リーダーシップは企業の利益や部下の主導・成長のためだけにあるものではなく、第8法則における『リーダーとしての責任・役割の自覚』を踏まえた自己実現のプロセスに役立つものでもある。リーダーシップと関係する自己探求のあり方について述べている第9法則『リーダーシップは自分を探すプロセスである』は、リーダーシップの自己成長や自己実現のプロセスの側面について指摘している。

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