視力検査・聴力検査(基本検査)とLASIKの概略

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視力検査

学校の健康診断や運転免許証更新時の適性検査で必ず行われるのが『視力検査』ですが、一般的な視力検査は5メートル離れたところから『円の切れ目』を指で指示したり、書かれている『平仮名・カタカナ』を読み上げたりします。右目と左目片方ずつの視力を測定してから、両眼の視力を測定します。

視力検査では、裸眼での視力(裸眼視力)と、メガネ・コンタクトといった視力矯正器具を使った矯正視力を測定します。日本では、日常生活に支障がない視力として、片目で0.3以上、両目で0.7以上を基準値としており、運転免許証の適性検査でもその視力を合格の基準にしています。理想的な視力としては、片目で0.8~1.2の視力があり、両目で1.0~1.2くらいの視力がある状態だと言われます。片目で1.5や2.0という遠くの景色が非常に鮮明に見える高い視力を持っている方もいますが、成人でその視力だとやや遠視の傾向があるかもしれません。

どのくらい遠くが鮮明に見える視力が標準的な視力なのかという事を一義的に定義することは出来ず、その人が日常生活を送る生活習慣や生活環境、目を使う作業の時間などによって視力は変化してきます。アフリカやモンゴルなど見晴らしの良い地域で育ち、パソコンやゲームなどで目を酷使することなく育った人は、一般に、日本人よりも高い視力を持ち、遠くの景色や事物を鮮明に見分けることが出来ます。

テレビやインターネット、ゲーム、読書などの視力を低下させる環境要因の多い日本で生活していると、どうしても室外で遠くの景色や事物を見る機会が少なくなり遠方を見る視力が弱くなりがちです。同じ地域で生まれ育った人の間でも、遠くの景色を良く見る人と近くの本や画面ばかりを見ている人では視力に差が生まれますし、一日の多くを外で運動して過ごす子どもと室内で近くばかりを見て過ごす子どもでは視力の発達に違いが生まれてくる可能性があります。視力にも先天的な遺伝素因が絡んできますから、両親が強度の近視・乱視の場合には、子どもも近視や乱視になりやすくなります。

視力が十分に発達していない乳幼児期の子どもは、遺伝素因や神経障害の関係する『弱視』『斜視』といった視力調節障害(両眼立体視の困難)を起こしてしまうことがあります。多くの場合、外因性(病気や怪我)・内因性(遺伝性)の斜視が先行して弱視の障害が起きますが、早期に発見して適切な治療やトレーニング(視力増強訓練)を受けることで、斜視や弱視は回復する可能性があります。あるいは完全に視力を回復することが難しくても、早い段階で治療すればするほど進行を抑制できる可能性が高まります。

斜視や弱視は、視力調節をする視神経や筋肉(毛様体・眼球移動筋)の先天的異常や眼の病気(乳幼児白内障)、外科的な怪我、強度の遠視、視力トレーニングの機会剥奪などによって起こってくる視覚障害ですが、凸型の遠視用メガネ装着や遮閉法による視力増強訓練、専門家(視能訓練士:ORT)による専門的トレーニング、外科的手術などの治療を行うことができ、3歳未満で早期治療を行えた場合には改善率が高くなっています。6歳までに人間の視覚能力である両眼立体視が完成すると言われますので、斜視や弱視の治療と訓練は出来るだけ早い段階に実施することが望ましいといえます。

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視力回復手術(屈折矯正手術)のLASIK

近視や乱視は、パソコンやテレビ、ゲーム、読書、携帯メールなど視力低下を促進する生活要因が増大している現代社会では、極めてありふれた視力障害となっていて、視力の低い人たちはコンタクトやメガネを装着することで明確に障害を意識することが殆どなくなっています。視力維持を困難にする悪条件の多い先進国ですが、眼科領域で視力を回復させる医療技術も確実に進歩しています。現在では、高精度の医療用エキシマレーザーを用いた『LASIK(イントラレーシック・CR-LASIK・エピレーシック・RK)』をはじめとする視力回復手術によって裸眼視力そのものを回復させることが出来るようになっています。

エキシマレーザー照射による屈折矯正手術であるレーシック(LASIK)は、ギリシア・クレタ大学のイオアニス・G・パリカリス(Ioannis G.Pallikaris)によって創始され、先進国のみならず世界各地に急速に普及しました。LASIK手術の考案者として視力回復手術の権威となったパリカリスには、『Refractive Surgery』や『LASIK』などの著書があり、現在では神奈川クリニックの手術顧問としての肩書きももっているようです。

LASIKの手術は、術前にORT(視能訓練士)による綿密な適応検査(屈折検査・眼圧検査・角膜形状検査・角膜内皮検査・グレア検査・眼底検査など)を行い、眼科専門医が検査結果をもとにした診察を行って、LASIK手術実施の可否を最終的に判断します。LASIKは適用症例が数百万人に上る安全性の高い手術であると言われていますが、副作用などが全くないわけではありませんので、事前に医師から十分な説明を受けて、手術内容に同意(インフォームド・コンセント)をした上で手術を受けなければなりません。

白内障や緑内障、角膜変性症など眼科疾患を持っている人、円錐角膜など角膜に十分な厚さがない人などはLASIK手術の適応外である可能性がありますので医師の精密な診察と検査を受けなければならないのです。糖尿病や膠原病などの視力障害の合併症を起こす危険性のある内科疾患がある方にもLASIKを実施することは出来ません。

LASIKには、ベーシックなレーシック以外にも使用するレーザー機器や角膜の厚さへの対応などの違いによってイントラレーシックウェーブフロントレーシックエピレーシックなど様々な種類がありますが、手術の基本手順は殆ど同じです。

一般的なレーシックでは、「マイクロケラトーム」という医療機器を用いて「フラップ(角膜の表面を剥がした蓋)」を作りますが、角膜の厚みが薄すぎる患者の場合には、薄いシート状のフラップを形成できるエピレーシックのエピケラトームを使用することがあります。その他にも、イントラレーシックの最新型の高精度レーザー(イントラレースFSレーザー)でフラップを作れば、コンピュータ制御でフラップ形成とレーザー照射を行うので正確で安全なLASIK手術を実現することが可能であると言われます。

聴力検査

聴力検査は、外部の雑音が紛れ込まない静かな環境で、オージオメーターなど聴力検査専用の検査機器を用いて行います。聴力検査では、各周波数の音波を聴くことが出来る聴力レベルと難聴など聴覚障害の有無を調べることになります。

聴力検査は、1000Hzと4000Hzの高低二つの周波数で検査を行い、5dBずつ音を強くしていって聴こえたところで被験者にボタンを押して貰います。40~60dBのレベルから軽度の難聴と判定されますが、このレベルの難聴であれば日常会話や通常の社会生活にはそれほど支障はありません。60dB以上の音でないと聴こえない重度の難聴の場合には、補聴器などの装着が必要になることがあります。

難聴には大きく分けて、中耳炎を典型とする外耳・中耳の障害が原因となって起こる『伝音性難聴』と、内耳・視神経・大脳の聴覚野の障害によって起こる『感音性難聴』があります。感音性難聴の原因となる耳鼻科疾患や心身症としては、メニエール病や老人性難聴、騒音性難聴、神経症水準の身体表現化障害、転換性障害(転換ヒステリー)、聴神経腫瘍などがあります。

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