TTT(チモール混濁反応)・ZTT(硫酸亜鉛混濁反応)・クレアチニン・クリアランス

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TTT(チモール混濁反応)・ZTT(硫酸亜鉛混濁反応)と肝機能障害

TTT(チモール混濁反応)ZTT(硫酸亜鉛混濁反応)は、血清タンパクの代謝機能を調べる検査法であり、血清中のタンパク質が試薬に反応して凝固(混濁)・沈殿する『膠質反応(コロイド反応)』を利用したものです。つまり、TTTもZTTも特殊な試薬(チモール・硫酸亜鉛液)を用いて、血清中に含まれているタンパク質成分を混濁(沈殿)させることで、『血清タンパクの構成比』を調べようとする医学的検査法なのです。

TTT(チモール混濁反応)では、チモールという試薬を血清に加えて、チモールと反応するγ‐グロブリンとβ‐グロブリンの量(混濁)を測定していきます。グロブリンや脂質・リポタンパクなどが増加すると混濁度が増しますが、アルブミンが減少すると混濁度が下がるので、TTTはグロブリンとアルブミンの量的な比率と変化を測定する検査だと言えます。ZTT(硫酸亜鉛混濁反応)は、硫酸亜鉛液の試薬を血清に加えて、亜鉛と反応するγ‐グロブリンの量(混濁)を測定し、肝機能障害の有無について大まかな判断を下すことが出来ます。TTTもZTTも肝疾患のスクリーニングの用途に用いられる検査ですが、その基準値はTTTが『0~4U』、ZTTが『4~12U』となっています。

TTTには男女差があり、男性のほうが少し数値が高くなりますが、妊娠中あるいは更年期の女性になると男性とほぼ同等以上のTTTになってきます。ZTTの数値は免疫機能の活性と比例するので、免疫機能を抑制する副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)や抗がん剤を長期投与していると、ZTTの数値は低くなります。肝機能障害以外でも、慢性的な炎症を起こす膠原病(全身性エリテマトーデスや関節リウマチ)などで、TTTやZTTの数値が上がることがありますが、基本的には、急性肝炎(慢性肝炎)、肝硬変などの肝機能障害のスクリーニング(ふるいわけ)に用いられる検査です。

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クレアチニン・クリアランス(Ccr)

クレアチニンとは、筋肉におけるエネルギー代謝によって産生される物質で、腎臓の糸球体で濾過されて尿中へと排泄されます。クレアチニンは腎臓(糸球体)以外では濾過することができず尿細管で再吸収されるようなこともないので、糸球体で濾過された分量だけしか尿中に排泄することが出来ないのです。クレアチニン・クリアランス(Ccr)とは、腎臓でしか濾過できないクレアチニンの特性を利用して、『腎臓の糸球体の老廃物の濾過機能』を測定しようとする検査法です。清潔にするという意味を持つ『クリアランス』とは、ここでは『腎臓の糸球体の老廃物の濾過機能』のことを意味しています。

クレアチニン・クリアランス値(ml/分)は、血清中のクレアチニン量と排出された尿のクレアチニン量から計算され、1分間に糸球体で濾過される血漿量と同じになります。クレアチニン・クリアランス(Ccr)の測定法には、1時間ほどで終わる『短時間法』とまる一日かかる『24時間法』とがありますが、腎機能障害を正確に測定するなどの目的がない限りは、患者の負担と時間を考えて短時間法で行います。クレアチニン・クリアランス値(ml/分)の基準値は、『70~130ml/分』ですが、男女差があり通常は男性のほうが数値が大きくなります。腎機能の障害や問題が大きいほど、クレアチニン・クリアランス値(ml/分)の数値は低くなっていき、『30ml/分以下』になるとかなり重症の腎障害があると考えられます。一般的には、『70ml/分以下』になると軽度の腎障害の可能性が疑われることになります。

『10ml/分以下』では、末期的な腎不全や尿毒症が診断され、人工透析などの本格的な治療が必要になってきます。クレアチニン・クリアランス値(ml/分)で分かるのは、急性腎炎・慢性腎炎を中心とする腎障害であり、膠原病や尿路関連障害によってもクレアチニン・クリアランスの数値が低下することがあります。基準値より過度に数値が高い場合にも、糖尿病の発症などのリスクが考えられます。

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