日曜日(休日)が終わりに近づくと憂鬱などんよりした気分になってしまう。こんな20~30代の若手のサラリーパーソンは多いですが、あなたはどうですか?私自身も「職場の人間関係のストレス+仕事のプレッシャーを強く感じている時」には、いわゆる「サザエさん症候群」で「会社に行きたくない・職場の人(合わない人)に会うのが憂鬱」といった重たい気持ちになっていました。
「サザエさん症候群・ブルーマンデー症候群」と呼ばれる出勤拒絶的な症状は、ひどくなると会社に行くのがかなり苦痛になります。一方、症状の程度が軽いうちに「適切な対処法」を講じることができれば、「今の職場への再適応」や「新たな仕事への方向転換・自分に向いた転職」をすることができます。
この記事では、「サザエさん症候群」(休み明けに仕事に行くのが嫌になる状態)に対する「10個の対処法」を分かりやすく示します。
「サザエさん症候群」とは?
サザエさん症候群とは、日曜日(休日)の午後になると気分が沈んで仕事に行くのがおっくうになるといった問題です。「職場の人間関係のストレス」「仕事内容に対する苦手意識や不適応感」「各種ハラスメント」「仕事のプレッシャーや不満」「楽しい休みから嫌な仕事に変わるイメージ」など、さまざまな要因によって引き起こされます。
サザエさん症候群の定義
「サザエさん症候群」という言葉を耳にしたことはありますか?このユニークな名前は、日曜日の夕方に放送される人気アニメ『サザエさん』に由来しています。日曜日の18時半~19時くらいの時間帯になると、明日からの仕事を思い出して急に憂鬱な気持ちに襲われる…そんな出社拒否的で後ろ向きな心理状態を指して「サザエさん症候群」と呼んでいます。
実はこの「サザエさん症候群」は珍しいものではなく、多くの人が経験している現象でもあります。程度が軽ければ「日曜日の午後に憂鬱・やる気がないといった状態」であっても、月曜日から仕事を始めれば少しずつモチベーションが回復してきます。しかし深刻なレベルになると、「モチベーションが酷く低下して仕事に身が入らない」や「出社拒否のマインドが強くなって遅刻・欠勤が増えやすくなる」などの問題に発展してしまいます。
なぜ日曜日に憂鬱になるのか?
なぜ日曜日の夕方にこの憂鬱なもやもやした気分が現れるのでしょうか?心理学的には、「月曜日からまた嫌な仕事が始まる」という予測をしてしまう「予期不安の概念」でシンプルに理解することができます。
仕事のない週末のリラックスした気分から、「月曜日の仕事のプレッシャー・職場の人間関係のストレス」に直面する不安が引き起こされやすい心理状態になっているのです。特に現在の仕事(職場)に不満やストレスを溜め込んでいる人は「予期不安の増幅」によって、心身ともにネガティブな影響を受けやすくなります。憂鬱な気持ちになって身体が重たいといった感覚が強まると、「サザエさん症候群」の「実際的な不利益の度合い=会社(仕事)に行きづらくなる」も大きくなってしまいます。
ブルーマンデー症候群と呼ばれることもある
月曜日からまた始まる仕事を思い出して憂鬱になるサザエさん症候群の現象。この心理状態は「ブルーマンデー症候群」とも呼ばれます。月曜日になると、仕事のストレスを感じて急激に気分が落ち込んでしまう。「ブルーマンデー症候群」とはその名称が示す通り、「月曜日の憂鬱病」とでもいうべきものです。
「ブルーマンデー症候群」は土日休みのフルタイムの仕事をしている人であれば、誰もが感じる可能性がある「職場に対するストレスや不満の鬱積+出社拒否的な心理状態」として整理することもできます。単なる一時的な気分の問題で済めば放置してもOKですが、「サザエさん症候群・ブルーマンデー症候群」の憂鬱が長期にわたって続くのであれば、「ワークスタイル・現在の会社(職場適応・転職)」を含めたライフスタイル全体の見直しが必要なサインになっています。
サザエさん症候群の”10の対処法”
「サザエさん症候群」の会社に行きたくないという気持ちが強まりすぎると、実際の仕事や職場適応にも悪影響が及んでしまいます。「サザエさん症候群」の仕事・職場に対するネガティブな心理状態を改善するための「10の対処法」をズバリお教えいたします。
1. 自己反省と振り返り
まず自分がなぜ、「サザエさん症候群」の憂鬱感・モチベーション低下を感じてしまうのかを考えてみましょう。「仕事内容・仕事上の役割・職場の人間関係・仕事のモチベーション・短期と中長期の仕事目標」に関するセルフチェックをしてください。
そして、「自分の本音の気持ち」と「短期的な仕事の見通し・再設定した目標」を書き出すことで自己分析を深めましょう。「仕事のどの部分に不満があるのか」「何がストレスを引き起こしているのか」を具体的に挙げると、解決策が見つかりやすくなります。
2. 月曜日の朝を楽しくするためのルーティン作り
「仕事始めの月曜日」を少しでも楽しいものにするために、朝のルーティンを工夫してみましょう。
例えば、「お気に入りの音楽を聴きながら仕事の準備をする」「早めに起きてウォーキングやヨガをする」「栄養バランス・好みの食材・味の良さにこだわった特別な朝食を楽しむ」などのルーティン導入で一日を気持ち良くスタートしやすくなります。
自分なりに気分をリセットして仕事に臨める「ポジティブな習慣」を取り入れることが大切です。「モチベーションアップのルーティン+小さな楽しみ」が一日のスタートを変えてくれます。
3. ワークライフバランスの再調整
仕事とプライベートのバランスが崩れていると、日曜日の夕方が特に憂鬱に感じられます。自分にとっての「無理のない働き方」「休日も含めた健康でいられる一日の時間配分の仕方」を見つける必要があります。
現在の仕事状況と私生活を振り返って、「仕事+プライベートにおける時間・労力の使い方」と「行動・人間関係の優先順位(プライオリティー)」を見直しましょう。
4. 仕事に小さな楽しみを見つける
仕事の内容や人間関係を全て変えるのは不可能ですが、毎日の業務の中に小さな楽しみを見つけることならできます。同じ仕事状況・人間関係でもネガティブな意味合いで解釈すれば、「サザエさん症候群」の憂鬱度は高まります。
逆にポジティブ思考で解釈すれば、「嫌に思える仕事の中にある楽しみ・励み」に意識のフォーカスを合わせることもできます。例えば、「一日の終わりに達成感を感じられる適度な目標を設定する」「好きな同僚とのコミュニケーションを楽しむ」「自分の能力・実績・人間性を高く評価してくれる上司から仕事を学び次のステップを考える」など、ちょっとした「ポジティブな認知の転換」でモチベーションを高めることができます。
5. 人間関係の整理と改善
「職場の人間関係」が原因でストレスを感じているなら、それをどう改善できるか考えましょう。職場は遊ぶ場所ではないので、「自分にとって一切の不快・ストレスがない上司(同僚)との人間関係」だけで固めることは不可能です。
ただし「メンタルヘルスを壊さないレベル」に人間関係を調整して、「うつ病・出社困難な心理状態のリスク」を避けることは必要です。苦手な人とは上手く適度な距離を置いたり、攻撃されないコミュニケーションの取り方を工夫したりしましょう。
さらに「信頼できる同僚・気の合う同僚」や「尊敬できる上司・学ぶところのある先輩」とコミュニケーションを深めることで、「人間関係のストレス」を軽減してキャリアアップにつなげやすくなります。
6. ストレス解消のためのフィジカルケア
仕事のストレスを解消するためには、「メンタルケア」と同等以上に「フィジカルケア(身体のケア)」も大切です。
「運動習慣+十分な睡眠+栄養バランスの良い食事」がフィジカルケアの基本になります。仕事のストレスを解消して、精神的な安定を得るためには「身体の調子を整える習慣づくり」から始めましょう。特に「適度な有酸素運動(ウォーキング・ランニング)」は、気分をリフレッシュさせるのに非常に効果的です。
7. プロフェッショナルカウンセリングの活用
仕事の悩みや対人関係のストレスを一人で抱え込まないことも大切です。社内で専門のカウンセラーに相談できるような制度・場所があれば、ぜひ一度話を聴いてもらってみてください。
カウンセラーとの相性もあるので相談するだけで万事解決とまではいかないかもしれませんが、プロのカウンセリングを受ければ、「自分の気持ちを整理して苦痛を和らげる効果」は実感しやすいです。仕事で抱えている悩みの解決策を見つける手助けをしてもらうことに期待できます。
8. 長期的なキャリア目標の設定
目の前にある仕事の不安にとらわれすぎると「サザエさん症候群」になってしまいます。「短期的な仕事の悩み・不満」にフォーカスせず、「長期的なキャリア目標」を設定してみてください。
長期的スパンで考えて数年後にどうなっていたいか、どのようなスキルを磨きたいか考えることで、「現状の仕事の悩み+人間関係のストレス」が一時的なものに過ぎないと感じられるようになります。
9. 副業やパラレルキャリアの考え方
今の仕事・職場だけにガチガチに縛られる必要はありません。一つの職場に新卒から定年退職まで居つづけられる「終身雇用+年功賃金」は多くの企業で崩壊しつつあります。そのため、「どれだけボロボロになっても一つの会社に無理して忠誠を尽くす+限界まで働く必要」は薄れています。
「稼げる副業」をしたり「別のキャリアパス」を模索したりすることで、あなたの意識と生活に新しい風を取り入れることができます。「サザエさん症候群」の憂鬱に押しつぶされない「将来的な選択肢」を広げることにもつながります。
10. 転職や独立の準備を始める
最後に、「転職」や「独立」を視野に入れてみるのも一つの方法です。「サザエさん症候群」が深刻化するほど今の会社や人間関係に悩んでいるのであれば、「今の会社だけに依存しなくても良い選択肢」を増やすことが根本的な解決にもなります。
具体的な準備として、「客観的な自己分析」を行うことから始めてみてください。自分に合った別のキャリアパス(キャリア構築)の方向性を見つけることが何より重要です。「客観的な自己分析」と合わせて「経験・実績・興味のある会社の情報収集」から始めてみるのも良いでしょう。
決定的な解決策は転職か独立か?
「ポジティブなルーティン(生活習慣)」「肯定的な認知転換」「人間関係の調整・整理」を一生懸命にやったけど、やっぱり日曜日の午後~月曜日の朝にかけて気分が落ち込んで仕事をやる気になれない……
こんな「サザエさん症候群(ブルーマンデー症候群)」の状態が半年も一年も続いているようであれば、転職か独立(フリーランス)を考えてみるのが「決定的な解決策」の一つになります。今、流行の数千万円~数億円以上のお金を貯めて投資や自由な仕事で暮らす「FIRE(経済的自立+早期リタイア)」みたいな考え方もありますが、それはスモールビジネスの起業や金融投資などで成功した後の別枠の話です。
自分に合った転職の道筋を探る
今の仕事や人間関係がどうしても自分に合わない、心身のコンディションまで完全におかしくなってしまう状態が続いている……こんな時は、実際にするかしないかは別としても、「転職活動」を一度は検討したり面接を体験したりしてみることが解決の早道になることがあります。
自分に合った職業・キャリアプランを見つけるためには、「自己分析・退職+転職の計画」が必要です。何が自分にとって本当に大切なのか、何を最優先にした転職活動をすべきなのか、この部分を明確にすることによって「失敗しない転職・転職後の職場へのスムーズな適応」につながります。
転職の経験がまったくなくて自己分析のやり方がよく分からない、どんな業界・職種を選べば良いのかの基準も分からないといった人は、「転職エージェントに相談しながらの段階的な転職活動」を視野に入れてみると良いかもしれません。
自分に合った会社や仕事への転職を目指すのであれば、以下の記事も参考になりますのでぜひ読んでみてください。
独立のリスクと魅力を理解する
どうしても会社に就職して働くというワークスタイルに適応できない、長期にわたってサラリーパーソンとして働きたいと思えない……そんな人には最終的に「独立する選択肢」もあります。ただし、「独立」はフリーランス(クライアントワークの請負)になるにしても自営業(スモールビジネスの起業)をするにしても、一定のリスクが伴うことは理解しておく必要があります。
「転職」と比較した場合の「独立」の一番のリスクは、「安定した収入を得られる保証がない・やる気があっても仕事がないケースもあり得る」ということです。「独立」する場合には、自分のワークスタイルとキャリアプランの中長期のビジョンをしっかり持って、「撤退ラインの見極め」も行っていく必要があります。
「独立」はリスクとやり甲斐・魅力を天秤にかけた上での決断が求められます。その決断の後には、「独立後に上手くいってからの事業拡大・ある程度自由なワークスタイル・FIREの選択」が待っていることもありますが、「独立後に稼げなくなってからの撤退(再び転職活動をしてサラリーパーソンとして働く選択もあり得る覚悟)」も想定しておかなければなりません。
転職に関するエージェントやサポートの利用とネットワーキング
自分ひとりではシビアな転職活動を乗り切れるイメージが湧かない、次の転職では絶対に失敗したくない。そんな時こそ、転職関連の知識・経験が豊富で会社とのパイプもあることが多い転職エージェントやキャリアプランの専門家のサポートを活用してみてください。
人材をマッチングさせて転職を成功に導けば自らの報酬・評価にもつながる「転職エージェント」だからこそ、客観的な視点・経験知から「あなたに合った求人」を見つける手助けをしてもらいやすいです。
また、年齢を重ねるほど「人脈のネットワーキング」も非常に効果的になってきます。現在の職場でそういったハブになってくれる上司・同僚がいて関係が良いのであればそのつながりも大切にしましょう。業界内外でのつながりを広げることで、転職・キャリアアップの新たな機会を知り合いが生み出してくれることも多いです。
結論:サザエさん症候群から抜け出して新たな一歩を踏み出すために
「サザエさん症候群」の対処法を10項目にわたってご紹介しました。最も効果的な方法は「自分に合ったキャリアパス(仕事を学んで成長できるプロセス)・職場環境」を見つけることに行き着きます。今の職場でまだ成長・やり甲斐を感じられるのであれば、踏みとどまって頑張ることも良い選択です。
一方、「転職・独立」を考えるなら、まずは小さな一歩を踏み出さなければ何も始まりません。キャリアカウンセリングや転職エージェントの無料相談も活用しながら、あなたの未来をより良いものにするための具体的な転職のステップをスタートさせてみてください。
次のステップの提案
転職を検討して具体的な行動を起こしたいのであれば、まずは「キャリアカウンセリング」を受けてから「転職エージェントへの相談」につなげると良いでしょう。
ポジティブなキャリアプランを前提にして、「自分に合った働き方・環境・やり甲斐」を見つけるために、キャリアカウンセラーや転職エージェントといった「プロの視点からのアドバイス・改善点のヒント示唆」を受けることは思っている以上に転職に役立ちます。
日曜日の夕方が「サザエさん症候群」から「ポジティブなリセットタイム」に変わるように、この記事で上げた対処法を試しながら今後のキャリアプランについても考えてみてください。
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