エッジガード,ピットジップ

エッジガードとは何か?

エッジガードとは、登山やアウトドアで使用するトレッキングパンツの裾の内側についた補強部分のことであり、アイゼン(クランポン)の爪が裾に引っかかって破れることを防ぐためのものである。トレッキングパンツやアウターパンツだけではなく、ゲイター(スパッツ)の裾の内側にもついている。

エッジガードとして使われる素材は、ケブラーなどの簡単には破れない(引き裂かれない)高強度素材であり、アイゼンの刃だけではなく様々な物理的ダメージからパンツ(ズボン)やゲイターを守ってくれるのである。夏山登山や低山の雪山ハイクには、エッジガードつきのパンツは不要であることが殆どだが、“10~12本爪の爪先部分に刃がついたアイゼン”を装着する時には、エッジガードつきのパンツでないとパンツにひっかけて破ったり、脚を怪我したりする危険性もでてくる。

アウターのジャケットやシャツの袖口の部分のことを『カフ』というが、登山ウェアには、このカフの部分にファスナー(ジッパー)を装着した『アジャスターカフ』やゴムで自然に伸縮するようにした『ストレッチカフ』などが採用されていることが多い。フリースのミッドレイヤー(ミッドウェア)やベースレイヤー(アンダーウェア)には、カフの部分に『サムホール』という親指を通して固定するための穴が開けられていることもある。

袖口(カフ)の『サムホール』は、袖がずれ上がって服(シャツ)の袖がめくれることを防ぐ機能があるが、それだけではなく親指を通して手の甲の部分まで覆うことで一定の保温性を確保することができる。防水透湿性素材のジャケットやシェルで、フロントジッパーの外側や内側に施された雨・雪の侵入を防ぐための重ね生地のことを『フラップ』というが、近年は軽量化のためにフラップを省略してレインウェアによく見られる『止水ジッパー(ビニールテープのように光を反射する外見をしたジッパー周りの生地)』を採用したモデルが増えている。

ピットジップとは何か?

ピットジップというのは、ハードシェルの脇下部分に設けられた換気による体温調整のためのジッパーのことであり、ノースフェイスなどでは『ベンチレーション』とも呼んでいる。脇下にあるピットジップを開閉することで、ハードシェル内部の通気性を高めて換気を行い、体温調節をしたり汗で蒸れた空気を外に逃がすことができて快適性を保ちやすい。

ピットジップのジッパー(ファスナー)がどこまで開くかは、各メーカーの商品ごとに異なるが、商品によっては脇下だけではなく背中部分にまで回り込んで大きくジッパーを開くことができるものもある。一般的なピットジップは、上腕部の三分の一くらいから脇下を通って腹部の辺りまで開くことができる。ハードシェルのジャケットだけではなく、登山用パンツの太腿部分などにこのピットジップが設けられているモデルもある。

ジャケットのフロントポケット内部にメッシュ生地を採用して通気性を高めたものを、『ベンチレーションポケット』と呼ぶことがある。ジャケットのフードや裾、ウエストの部分には、『ドローコード』と呼ばれる身体へのフィット感を調節するための伸縮性のある紐のパーツがつけられることも多い。ドローコードの長さの調節は、コードロックというプラスチック製パーツを引っ張ったり緩めたりすることで行うが、ドローコードを適切に使うことで『頭部・胴部・腰部のフィット感(ずれにくさ)』を格段に高めることもできる。

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