プロジェクト・マネジメントと経営目標の達成

スポンサーリンク

プロジェクト・マネジメントとしてのISO・PMBOK

プロジェクト・マネジメントとしてのISO・PMBOK

大きな経営目標を複数の小さな経営目標に分割して、それぞれの経営目標を個別に達成すべき『プロジェクト(project)』と見なすことで、よりスピーディーで効率的な経営戦略が可能になる。プロジェクト・マネジメント(project management)とは各プロジェクトのプロセスを管理していく手法のことである。

1990年代後半からインターネットや携帯電話の普及が本格化して、企業を取り巻く経営環境は激変した。インターネットとIT(情報技術)の普及によって、経営目標に『スピード感』『期限設定型のプロジェクト』が求められるようになり、ウェブサービスのコストパフォーマンスとユーザー参加型メディアの発展によって、『旧来的なプロジェクト管理』は非常に大きな革新(刷新)を余儀なくされたのである。

旧来的なプロジェクト管理は『スケジュール管理・予算管理・品質管理・工程管理』などで運用されていたが、インターネット(IT)の普及や機械化・自動化の進展と合わせて、1997年にはプロジェクト管理のための検討事項・安全管理・プロセスなどについての国際標準規格『ISO10006(プロジェクト・マネジメントにおける品質指針)』が定められたりした。

スポンサーリンク

ISOというのは平たく説明すれば、特定の適用業界の枠組みを超えた応用性の高い『プロジェクト・マネジメントの標準知識体系』あるいは『プロジェクト・マネジメントの共通概念・共通用語』である。

ISOをはじめとするプロジェクト・マネジメントの考え方は、『IT分野のアプリケーション開発やウェブシステム構築(大規模なウェブサイト開発)』などから普及していったが、本来のプロジェクト・マネジメントの発想や手順は『土木建築・社会インフラ整備・工学機械製品の開発(自動車や電機)などあらゆる分野』に応用できるように設計されたものである。

楽天AD

ISO以外のよく知られたプロジェクト・マネジメントとしては、アメリカのプロジェクト・マネジメント協会が作成した『PMBOK(ピンボック)』という標準的なフレームワーク(理論的枠組み)がある。

PMBOKの標準的フレームワークのガイドラインは、以下の8つの領域に分けることができるが、この8つの領域を『統合(integrate)』することで計画立案・着手遂行の段階からのマネジメントを進めていく。

1.スコープ……プロジェクトの目的・過程・範囲の設定

2.タイムスケジュール……プロジェクトの各プロセスを達成するために掛かる具体的な時間設定。

3.品質管理……プロジェクトを通して生産されるプロダクツ(商品・生産物)の品質水準の管理。

4.コスト管理……プロダクツ(商品)の生産体制におけるコスト(経費)の管理。

5.リスク管理……プロダクト(商品)の生産体制・商品の品質と価格・法的な合法性・宣伝広告やマーケティングなどにおいて生じ得るリスクの管理。

6.ロジスティクス管理……プロダクツ(商品)の生産に必要な原材料の調達元や調達方法の管理。あるいは、プロダクツの生産・調達・販売のネットワーク全般にまつわるロジスティクス(調達・販路網)の管理。

7.人的リソース(人的資源)管理……従業員・顧客・研究開発・リサーチャーなどの人的リソース(人的資源)の管理。

8.コミュニケーション……誰とどんな内容のコミュニケーションをどのような方法・手段で行うかということ。コミュニケーションの方法・目的・適用場面の絞り込みなど。

スポンサーリンク
楽天AD
Copyright(C) 2015- Es Discovery All Rights Reserved