規制緩和の推進と新自由主義経済

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現在(2006年時点)の日本の政治では、政府は出来るだけ自由経済に介入しないほうが良く、膨大な税金を無駄遣いする公共部門はどんどん削減していくべきだとする新自由主義(ネオリベラリズム)の流れが強くなっています。自民党の小泉純一郎首相や竹中平蔵大臣が実施している構造改革の内容も、『官から民へ』というキーワードに全てが象徴されているように、政府の経済への介入(公共事業・公共投資・産業規制)や政治的な再分配(累進的な課税の強化や手厚い社会福祉政策)を減らしていこうとする特徴を持っています。

非効率的で無駄の多い政府部門を段階的に削減していき、合理的な経営を行う民間部門にその業務を移行していくことで、膨大な財政赤字を縮小していこうとするのが財政構造改革の骨子となっています。

これまで「官(公務員・公官庁)」や「特定分野の保護産業」が担っていた経済活動には、さまざまな規制や法制の網が掛けられていました。「特定の事業者」が業務を独占したり、「官」の審査に合格しないと営業が許認可されない仕事が数多くあり、「国内産業の保護」を名目としてさまざまな経済活動で護送船団方式が取られていました。

護送船団方式とは、現在の『官から民へ』の流れの対極にある経済状態であり、『官が民を管理して保護する経済システム』だと言えますから、1990年代半ば頃までの日本には「自由市場の競争原理」は余り強く働いておらず、政府が経済の流れを大まかに管理していたと言えます。しかし、1990年を過ぎたあたりから、監督官庁が民間企業を統制する護送船団方式の日本経済に対して、『もっと外国企業にも市場を開放せよ』というアメリカを中心とする外国から外圧がかかるようになり、食料品(牛肉・オレンジなど)の輸入が自由化されていきました。

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