[アクティブ・リスニング(active listening)],[アクティング・アウト(acting out)]

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アクティブ・リスニング(active listening)


アクティング・アウト(acting out)

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アクティブ・リスニング(active listening)

アクティブ・リスニング(active listening)

アクティブ・リスニングとは、カウンセリングの傾聴の基本原則であり『積極的傾聴』と訳される。面接場面におけるカウンセラーは、クライエントの話す内容を興味を持って共感的に聴くことで、クライエントの抱えている問題のポイントや性格の特徴を正確に理解しようと努める。

積極的傾聴は、カール・ロジャーズの来談者中心療法で基本原則の一つに上げられる『徹底的傾聴』とほぼ同じ傾聴姿勢であり、クライエントが話したいと思う言葉に耳を傾けながら、クライエントの置かれている状況や考えている事柄、感じている気持ちなどを共感的に理解しようとするものである。

クライエントが話してくる言語情報だけでなく、クライエントの表情や態度、ジェスチャー、落ち着き具合など非言語的なメッセージにもカウンセラーは十分な注意を向けていなければならないが、その観察が行き過ぎて科学者的な無機質な態度になってしまってはいけない。

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この相手であれば安心して自分の率直な気持ちや考えを話せる、社会の常識では認められない価値観や出来事についてもこの人であれば理解しようとしてくれる、というような温かい人間性に充ちた面接場面の空気を作り上げることが、アクティブ・リスニングの目的でもある。

内面的な理解と心理的な支持を与えながら、クライエントの改善的な心理変容や適応的な行動変容をカウンセリングでは目指していく事になる。

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アクティング・アウト(acting out)

アクティング・アウト(acting out)

アクティング・アウトとは、治療契約で決められた面接構造を破壊する『行動化』のことであり、心理臨床家とクライエントの信頼関係(ラポール)を揺るがす『行動化』のことでもある。精神分析療法では、このアクティング・アウトを『抵抗』と解釈して、精神分析によって無意識領域の真実の欲求が暴かれる不快や苦痛に対する抵抗と見る傾向がある。

基本的には、カウンセリングを実施する前に取り決めた面接契約(治療契約)から逸脱する行為のことをアクティング・アウトといい、カウンセラーに暴力を振るったり、器物を損壊したり、面接の時間に遅刻したり無断でキャンセルしたりすることなどを指す。

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日常生活において社会常識や道徳規範から逸脱した振る舞いをすることをアクティング・アウトと呼ぶこともあるが、これは本来、行動化すべきでないマイナスの感情や不満を言語化する余裕や技術がないために起こる現象であると考えられる。

カウンセリング場面でのアクティング・アウトには、心理臨床家に対して自分の過去の怒りや嫌悪の感情を投射してくる『陰性感情転移』の可能性があるので、その場合には精神分析的な解釈を適切に行うとアクティング・アウトが和らぐことがある。

また、カウンセラーの側がクライエントに対して陰性の逆転移を起こしている可能性もあるので、カウンセラーは絶えず自己の心理状態をモニタリングし必要な内省作業をし続けなければならない。

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また、面接終了が近づいてくると精神的自立の意味が込められたアクティング・アウトを呈することもあるので、アクティング・アウトが指し示す意味については面接の中で話し合う機会を見つけるようにすると良いだろう。

アクティング・イン(acting in)という用語もあるが、これは面接場面におけるあらゆる言動のことを意味するものである。また、非言語的コミュニケーションで、行動を伴わないもの(表情・態度・振る舞い)を指して、アクティング・インということもある。

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