[遺伝子工学(gene technology)・生命倫理学(Bioethics)]

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遺伝子工学(gene technology)


生命倫理学(Bioethics)

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遺伝子工学(gene technology)

遺伝子工学(gene technology)

遺伝子工学(gene technology)とは、生物の遺伝子を人為的に解析して操作する生命科学技術のことであり、遺伝子工学の目的は『生命体の機能の詳細な解析』『遺伝子操作による人間の社会・生活・健康の利益向上』にある。

遺伝子とは、生命の設計図であるDNA(デオキシリボ核酸)のことを意味し、遺伝子工学では、生命(タンパク質)を合成する遺伝情報(設計図としての暗号)であるDNAに人為的な解析や操作を加えるのである。

具体的には、ある生物の遺伝情報DNAを異なる生物の細胞に組み替えて、今までにない性質のタンパク質や機能の融合を実現したりすることができ、遺伝疾患の解明と治療に必要な科学的解析を遺伝子工学は可能にする。

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DNAとは、非常に長い二重螺旋の分子であり、アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)という4種類の塩基が対になって配列(塩基配列)されたものである。

その配列の組み合わせは、天文学的な組み合わせ数にのぼり、事実上無限に近い塩基配列が考えられる。その塩基配列の多様性が、そのまま生物種の多様性や突然変異の可能性につながっている。

遺伝子工学は、『DNAの抽出標本化・DNAの構造解析・DNAの融合や組み換え』などの技術の組み合わせによって研究開発が進められており、その進歩は正に日進月歩の様相を呈している。遺伝子工学は、自然科学によって生命の神秘を全て解明しようという『壮大な人類の科学知の野望』の極限でもある。

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生命倫理学(Bioethics)

生命倫理学(Bioethics)

しかし、それと同時に、生命科学分野における倫理問題が無視できなくなっており、生命を人為的に操作し改変することの倫理的是非を専門的に考える分野として『生命倫理学(BioEthics, バイオエシックス)』という分野が出来ている。

生命科学の長足の進歩により要請されたバイオエシックス(生命倫理学)とは、『生命に関係する人為的営為の倫理判断(善悪の基準)を、学際的な反省と考究を持って根底から問い直す学問』と定義することが出来るだろう。

生命の価値に人間の科学技術はどこまで深入りしても良いのかを反省的に考え、『倫理の基準・規範・起源・根拠・応用可能性』について多面的に根底的に考察する学問が生命倫理学である。

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具体的な倫理考察の対象としては、『安楽死・脳死・臓器移植・遺伝子工学の応用範囲・自殺(生命の自己決定権)・人工妊娠中絶・遺伝子操作による遺伝子治療・先端生殖医療(クローン産生,代理母,人工授精)』などがあり、学際的に広汎な領域を含む学問分野といえる。

さしあたって、遺伝子工学が人類に与える影響が大きいと考えられる分野として、動植物へのクローン技術適用や遺伝子改変による食糧増産、不治の遺伝疾患の遺伝子操作による治療、新種ワクチンなど新規の医薬品開発、不妊治療の技術革新などが考えられている。

しかし、生命科学技術の進歩と倫理規範の衝突はますます深刻化の度合いを深めると予測され、今後、人類がどこまで科学知で生命の領域を自由にコントロールしてよいのかについては多くの議論を費やす必要があるだろう。

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