エスゾピクロンの効能・作用・副作用

エスゾピクロンについての基本情報

エスゾピクロンの効能・作用……効能は『睡眠障害(不眠症・入眠困難)』です。

エスゾピクロンは、シクロピロロン系の睡眠薬であるゾピクロン(超短時間型睡眠薬)から、より薬理活性の高い『S‐異性体』のみを単離して製薬したもので、その一般名もゾピクロンに『エス』を加えたものになっています。薬理活性の低いR‐異性体を取り除いているため、ゾピクロンよりも効き目が強くなっており、同じ用量であればその催眠作用は約2倍あるとされています。

エスゾピクロンはGABA_A-BZ受容体と結合することで、脳内で抑制性(鎮静・睡眠)の神経活動と関係するアミノ酸である『GABA(γ-アミノ酪酸)』の働きを高めます。GABAの働きが強くなると、鎮静・催眠の薬効が現れるわけですが、エスゾピクロンはω2受容体とは結合しにくいので、『健忘・抗不安・筋弛緩』といった睡眠促進と直接に関係しない副作用が出にくくなっています。

エスゾピクロンは、非ベンゾジアゼピン系の『GABA_A-BZ受容体作動薬』に分類されており、その持続時間はゾピクロンと同じで入眠を促進する『超短時間型(血中半減期約5時間)』になっています。比較的副作用がでにくく、安全性の高い睡眠薬だとされています。

エスゾピクロンの商品名……ルネスタ(エーザイ)

平均的な用法・用量……1回2~3mgを就寝の20~30分前に服用。高齢者・腎機能低下の場合には1mgを服用。

副作用……眠気、めまい、脱力感、ふらつき、倦怠感、味覚異常(口中の苦味)、一過性の前向性健忘など。眠気やふらつき、めまいなどの副作用があるので、『車の運転・機械の操作』といった危険な作業はしないようにしてください。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症(本剤は耐性の形成はしづらいとされるが長期連用で依存性が生じることがある)、精神症状、離断症状(急に断薬すると不眠・不安・イライラ・パニック・幻覚などの症状がでる危険性がある)、呼吸抑制、肝臓障害など。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、心臓疾患、薬物過敏症の既往がある人、妊婦、高齢者など。他の向精神薬を服用している人は相互作用に注意する必要がある。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症や急性狭隅角緑内障、喘息・肺気腫で呼吸機能低下がある人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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