一切皆空(いっさいかいくう)

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一切皆空
(いっさいかいくう)

[意味]

仏教用語で、この宇宙に存在するものの全ての本質は『空(くう)』であるということ。目で見たり耳で聴いたりすることができるもの、即ち『知覚できるもの』は全てその本質が『空(くう)』であるということ。

五感で知覚できる対象(モノ)を仏教では『色(しき)』と呼ぶ。般若心経(はんにゃしんぎょう)の奥義である『色即是空・空即是色(しきそくぜくう・くうそくぜしき)』の言葉も、『対象(モノ)は空である(実体がない)』という一切皆空(いっさいかいくう)のことを意味している。

『空(くう)』というのは、実体性・実在性がないものといった意味である。空は『対象(モノ)』が他との関わり(因果・知覚)なしには、それ単独では存在できないということも意味している。

[出典]



[類義語]

色即是空(しきそくぜくう)、五蘊皆空(ごうんかいくう)

[用例]

目に見えるモノや耳に聴こえる音は、私の知覚機能がなければそれが確かに存在しているということを誰も証明できない、これこそ一切皆空の認識の境地である。昨日まで元気だった恋人が亡くなってしまった、仏教では一切皆空の奥義を説いているが、彼女というかけがえのない存在を失った事に対して、私はそこまで悟りきった考えを持つことがどうしてもできない。喜怒哀楽の激しい感情に振り回されそうな時には、一切皆空の悟りの境地に辿り付きたいと願ってしまうものである。

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参考文献
『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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