それ以外にも、南米沿岸部の海面水温上昇によって太平洋高気圧が強くなる「エルニーニョ現象」、フィリピン沖など特定海域で海面水温低下が続いて太平洋高気圧に影響を与える「ラニーニャ現象」なども、地球温暖化・日本の猛暑の原因と推測されています。
近年では、インド洋熱帯域の東部で海水温が低くなり西部で高くなる大気海洋現象である「ダイポールモード現象」も、地球温暖化に関係していると言われています。
「二酸化炭素(温室効果ガス)の増加」と「ヒートアイランド現象」の要因によって、日本だけでなく世界全域で猛暑日が多くなり、人間・動植物の生命を奪うような「熱波」も発生しやすくなっています。
「熱波(ねっぱ)」という気象用語は、「広範囲に及ぶ非常に強い熱エネルギーの放射が4~5日以上にわたって続き、相当に顕著な高温をもたらす現象」と定義されていますが、近年では「2003年にヨーロッパを襲った熱波・猛暑」がよく知られています。
猛暑日やそれ以上に暑い日がこれ以上続くと、人の健康被害・熱中症による死亡リスクなども高まってきますが、これから先の未来の地球の気候・気温はどのように変化していくのでしょうか?
ICPP(気候変動に関する政府間パネル)が出している地球気候の長期変化予想では、最も気温上昇の低いシナリオである「RCP2.6シナリオ」で、(1986年~2005年との比較で)約0.3度から1.7度のの上昇が予測されています。
温室効果ガスの排出量を現状のまま減らさない、最も気温上昇が高くなる最悪のシナリオの「RCP8.5シナリオ」では、約2.6度から4.8度の上昇が予測されています。地球の気温が上昇を続けると、大雨・台風・洪水といった自然災害の被害規模が拡大しやすくなるため、人類にとっては生存・生活がしにくい環境になることを意味しています。
中長期的には「地球温暖化抑制のための継続的な取り組み」がもっとも大切になりますが、短期的には「自分・家族の健康被害を回避するための対策や暮らし方」も重要になります。
特に最高気温が35度を越える猛暑日が続くと、熱中症の発症・悪化のリスクも高くなってしまいます。
自律神経による体温調整機能が低くなりやすい高齢者・小さな子供ほど、こまめな水分・電解質(塩分)の補給と合わせ、(猛暑の環境に長く滞在せず)エアコンの効いた適切な温度環境の中にいる時間をできるだけ増やしたほうが良いでしょう。
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