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三浦春馬さんの自殺と過剰適応・完全主義のストレス:人から賞賛されて期待されるほど逃げにくくなる心理

心の健康の画像 ニュース
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三浦さんは仕事の姿勢は「勤勉・真面目・完全主義」という声が多く、実際、現場に遅刻したこともなくセリフ・演技なども完全に仕上げてから来るそうで、仕事においても他者に迷惑や負担をかけない人だったようです。

完全主義思考の人は「自分自身が完全でなくなれば価値がなくなり、みんなからも手のひら返しで否定される」といった極端な二分法思考になりがちで、三浦さんのケースでも「疲れきったからという理由で自分から仕事のドタキャンや長期休暇を願い出るような選択肢」を自ら排除していたようにも思えます。

本当は、表面的には明るく健康そうに振る舞っていても、内面では「今日の仕事を何とか乗り切れるだろうか・つらいけどみんなが待っているから頑張って現場に行かないといけない」という忍耐の心理状態が続いていたのかもしれません。

完全主義の人は「遅刻・欠勤・体調不良による早退や休み」などを「自分に負ける行為」として嫌いますから、自分が本当にぶっ倒れでもしない限りは、何とかしてコンディションを健康に装って仕事に出てくるものなのです。

完全主義は「プライドの高さ・負けず嫌い」とも無意識に相関していて、良くも悪くも「人に弱い部分を見せられない性格・いつも最高の自分を見せようとする忍耐強い性格」を形成します。

「人に弱音・不調・限界を見せられない完全主義・プライド」が強くなると、「自分のネガティブな感情を吐き出せる相手・人間関係」も必然的に無くなりやすく、逆に「自分のほうがつらくて大変なのに、人の悩みや不満を聞く立場に回ってしまうケース」も多いのです。

そこに生真面目・几帳面で責任感も強いといった性格特徴が重なると、「本当に決定的に深刻な病気にでもならない限り、仕事を休めない性格(義務・役割から逃げられない性格)」になりやすくなります。

それでも、自分のキャパシティの範囲内で頑張って仕事状況や人間関係に適応できているうちは大丈夫なのですが、自分のキャパやストレス耐性の限界を超えるような「過剰適応」に陥ると、メンタルヘルスの急速な悪化やネガティブな自己破壊衝動(自殺企図)に襲われやすくなります。

人に弱音を吐けて悩み・不調を相談できるようなパーソナリティーであれば、人はそうそう自殺という行動を衝動的に取ることはないのですが、「自分一人で完全主義を前提にすべての物事をきっちりこなそうとする責任感の強さ・孤独な状況」があると、三浦さんでなくても相当に優秀な仕事能力がある人でも、精神的に追い詰められて正常な判断がしづらくなります。

もう一つの危険因子として、「冷静に物事を考える時間すらなくなる極端な多忙・ハードスケジュール・慢性疲労」もありますが、三浦さんのケースでも思考力・判断力が麻痺しやすい過労や多忙は当てはまるように感じました。

人は「仕事以外の自分の時間が持てない状況」や「寝て起きて仕事するだけのハードスケジュールが長く続く状況」になると、どうしても正常な精神機能を維持しづらくなり、「機械的な過剰適応による思考停止・感情鈍麻」に陥りやすいところがあります。

また三浦さんのように「大勢の人から賞賛されて期待される状況」も、「自分がやらなければ代わりはいない・みんなの期待に応えないといけない(みんなをがっかりさせたくない)」という切迫した心理状態で疲弊しやすくなるのですが、「働き盛りの世代で人並み以上に活躍している人」はこういった過剰適応と責任感で燃え尽きないようにする工夫も求められるのでしょう。

三浦春馬さんに、少しでも立ち止まって冷静に考えられる時間的・精神的なゆとりがあれば(少しでもまとまった休みを取って、弱音も吐ける人間関係もつくって、気持ちを落ち着けられれば)という残念な思いは尽きません。

一方、売れている芸能人で責任感が強い人だからこそ「心身を休めるための申し出・決断(他の人に少なからず迷惑・負担がかかるであろう活動停止などの申し出)」は簡単にはできなかったのだと思います。

芸能人という職業は「人から理想化されて強い愛情・期待を常に寄せられ、それに応えるアイドル(虚像)としての自分を演じなければならない面」があり、生真面目すぎて上手くアイドル(虚像)を演じられない人にとっては、相当にストレスフルで過酷な仕事なのかもしれません。

コメント

  1. […] 三浦春馬さんのショッキングな自殺の後に、芦名星さんと竹内結子さんの自殺報道まで続いて、コロナ禍におけるメンタルヘルスの危機と改善の必要が注目されています。 […]

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