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コロナ禍における“コロナうつ・産後うつ”のリスクと対処法:「孤立感・見捨てられ感・無意味感・DV環境・情報氾濫」の悪循環からの脱出

コロナうつ 心理

コロナ禍のストレスとメンタルヘルスの悪化(うつ状態の誘発)

三浦春馬さんのショッキングな自殺の後に、芦名星さんと竹内結子さんの自殺報道まで続いて、コロナ禍におけるメンタルヘルスの危機と改善の必要が注目されています。

三浦春馬さんや竹内結子さんらの自殺の原因は明らかにはされておらず、それぞれの苦悩や失意、絶望があったと推測されます。一方、「コロナ禍の社会的・心理的・対人関係的な閉塞状況」もメンタルヘルス悪化に一定の影響を及ぼしたのではないかと考えられます。

2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大が起こり、日本は欧米と比較すれば感染者も死亡者も少ないとはいえ、「外出や対人交流の自粛・新しい生活様式」に神経質に適応せざるを得ない社会状況になりました。

新型コロナ感染が警戒されている世の中では、「三密回避(密閉・密接・密着の回避)」「ソーシャル・ディスタンス(フィジカル・ディスタンスともいう)の確保」が当たり前となっています。

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また、会社に出勤せず同僚とも直接顔を合わせない「リモートワーク・テレワーク」といった働き方をするサラリーマンも増えています。こういった新しい生活様式や新しいワークスタイルによる劇的な環境変化・対人関係の変化がストレスとなり、「コロナうつ」と通称される抑うつ状態を生み出しやすいと考えられ始めています。

コロナうつは「コロナ禍による新しい生活様式・感染不安・失業増加・リモートワーク(家族が密着しすぎるストレス・DVなどのリスク)」などから発症が推測される抑うつ状態なので、その実数・実態・生物学的メカニズムは不明なところが多くなっています。

コロナうつだけではなく、コロナ禍における新しい生活様式や人間関係の希薄化、家族関係の過干渉・DVなどによって、「産後うつ・育児ノイローゼ」の問題にも注目が集まりやすくなっています。

コロナ禍で日本の自殺者数が増加

三浦春馬さん・芦名星さん・竹内結子さんといった知名度の高い芸能人の自殺報道によって改めて自殺問題に注目が集まったところもありますが、新型コロナの感染拡大が起こってから、実際に日本の自殺者数は増加傾向にあると報じられています。

元々、男性の自殺率は女性の二倍以上あるので、男性の自殺者数に関しては大きな変化がないようですが、コロナ禍では特に「女性+中高生の若年層の自殺リスク・自殺者数」が高まっています。

今年8月の自殺者数は1854人でそのうち女性は651人であり、女性の自殺者数は前年比で約4割も増えています。

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女性の自殺増加の理由として「非正規雇用の女性の失業および経済苦が増えたこと」や「同居人がいる女性でも、経済苦と合わせて育児・介護の負担が重くなったこと」、「家族関係(夫婦関係)の濃密化によるDV・モラハラやそれによる元々の精神疾患の悪化」などが想定されています。

8月の中高生の自殺者数も58人で2015年以降では最多になっていますが、中高生でも女性の自殺数増加が目立っているようです。

10代女性はマスメディア報道などによる暗示効果が強くなりやすく、コロナ禍で自宅にこもっている状態ではよりニュースやネットの情報に影響されやすくなります。

そのため、7月以降の三浦春馬さんをはじめとする芸能人の自殺報道の過熱などの影響も考えられますが、女性のほうが「人間関係・社会生活を中心とする環境変化(友達と会えない孤立感・対話減少)の影響」を受けやすいのかもしれません。

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コロナうつとは何か?

コロナうつとは、「新型コロナ感染拡大(コロナ禍・コロナ疲れ)の状況化における特有のストレスによって発症すると推測されているうつ病・抑うつ状態」のことです。

重症度の高いうつ病の精神症状の一つとして「判断力(思考力)の低下・希死念慮・自殺企図」がありますが、コロナうつにおいても「誰にも助けてもらえないという孤立感・何をしても状況が良くならないとの絶望感」から自殺企図に至ってしまうような深刻な症例があると考えられます。

コロナうつを引き起こすと推定されるコロナ禍特有のストレスとして、以下のようなものを挙げることができます。

○新型コロナウイルスの感染不安を煽るようなマスメディア報道の増加と真偽不明の情報の氾濫

○「新しい生活様式(三密回避・ソーシャルディスタンス)」における対人関係・会話機会・スキンシップ・娯楽機会(屋外での気晴らし)の減少

○「新しいワークスタイル(リモートワーク・テレワーク)・リモート授業」における慣れない仕事・授業のやり方への適応のしづらさ

○「新しい生活様式(リモートワーク・外出自粛の巣ごもり)」による家族・夫婦の密着化によるDV・モラハラのリスク、家事育児の負担増加

○芸能人・著名人のコロナ感染による死亡や(コロナと直接の関係がないとしても)自殺の報道

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コロナうつは、「コロナ以前とコロナ以後の急速かつ劇的な社会的・対人的・心理的な環境の変化」に上手く適応できないことによって起こる抑うつ状態と解釈できます。そのため、コロナうつはコロナ感染拡大状況とそれに伴う生活環境の変化に対する「適応障害」としても理解できます。

産後うつとは何か?

コロナうつと合わせて、コロナ禍における産後うつもクローズアップされやすくなっています。

「産後うつ(マタニティーブルー)」とはその名称の通り、「赤ちゃんを出産して間もない時期の母親(女性)が発症しやすいうつ病」のことです。

産後うつが発症すると産後の数週間から数ヶ月にわたって、「非常に強い悲しみ(何もなくても涙が出る)・気分のひどい落ち込みや急激な変化・情緒不安定の怒りやすさ・絶望感や無気力」などの症状が出やすくなります。

産後うつの主な原因としては、「妊娠出産によるホルモンバランスの変化による情緒不安定」や「産まれたばかりの乳児の世話が思っていた以上に大変であること・特にワンオペ育児(育児に協力してくれる人がいない)に近い過労のストレス」、「元々からあったうつ病の再発再燃・近親者のうつ病」、「夫婦関係・家族関係の悪さやこの先の育児の不安」などが想定されます。

コロナ禍では特に「孤立感のある状態で出産する母親も増えること」や「都市部から実家に帰る里帰り出産がしづらくなること」、「親が離れた地域に住んでいる場合、親からの育児支援を受けられないこと」などが、産後うつのリスクを高めやすくなります。

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コロナうつ・産後うつに対する対処法・予防法・治療法

コロナうつも産後うつも気分の落ち込みや意欲の低下、自殺願望などの自覚症状が強かったり医療機関でうつ病と診断されたりしたケースでは、「精神科・心療内科での薬物療法+カウンセリング」を受けることが大前提になります。

「産後うつ」では「孤立感・過労感のあるワンオペ育児」がうつ状態を悪化させやすいので、「一人だけで育児をしなくても良い環境」を何とか整えていくことが有効な対処・治療にもつながります。

配偶者や実家の親に協力してもらいながらの育児ができれば良いのですが、それが無理な場合にはベビーシッターを頼んだり行政に相談したり(福祉的なサービスを紹介してもらったり)といった対処法を講じていく必要があります。

「コロナうつ」の予防法としては、「自宅にひきこもらずに一日に一回は外に出て日光を浴びるようにすること」や「テレワーク・自粛生活でもできるだけ規則正しい生活習慣を作るようにすること」、「家族でも同僚・友人でも話したいことを話せる相手を確保すること」が大切です。

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「コロナうつ」の対処法としては、「悲観的な認知(考え方)の悪循環に陥らないこと」や「新しい生活様式の中でもコミュニケーション・気晴らし(娯楽)・自分の時間を維持すること」がポイントになります。

コロナうつの発症には、コロナ禍の影響で人と親密に接したり話したりする機会が大幅に減少することが関係しています。

家族とは会えるかもしれませんが、友人知人と会って会話する機会が減るため、生活環境・仕事状況によっては「深刻な孤立感・見捨てられ不安」に襲われやすくなり、その強いストレスがコロナうつのトリガーになってしまうのです。

反対に、テレワークや外出自粛によって家族(夫婦)の距離が近くなりすぎて、DVやモラハラなどのリスクになってしまうこともあります。このリスクを減らすには、家族それぞれが相手の人格・自由を尊重して、いつも一緒にいるのではなく「一人の気晴らしの時間」も持つことが大切になるでしょう。

コロナうつの対処法のポイントとして、「新型コロナ関連の情報氾濫に飲み込まれないようにする(コロナや自殺に関連するネガティブなニュースを視聴しすぎない)」や「SNS・テレビ電話・リモート会議も含め、気の合う相手と楽しく会話できる機会を確保する」、「新しい生活様式とも両立できる気晴らし・趣味・娯楽を積極的に楽しむ」などを挙げることができます。

ただしコロナうつにしても産後うつにしても、うつ病であると医師から明確に診断された場合(特に重症度も高く自殺念慮もある場合)には、精神医学的な薬物療法・精神療法(心理療法)を中心とする治療を受けることがまず優先されます。

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