カウンセリングの有効性に関する効果研究について

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科学的な実証性や客観性を重視する心理カウンセラーや臨床心理士であれば、自らの心理療法や理論に関する知識、助言や励ましの効果の多くの部分が自分の行動や実力以外の要素にあることを知っているので、過度な救世主コンプレックスや自己否定感に基づく無力感に悩まされることはないだろう。

心理臨床家は、自信ある態度と寛容な雰囲気を持っていなければならないが、必要以上の誇大妄想的な全能感に捉われてはならないし、権威的な態度と操作的な技法の濫用によって自己満足的なカウンセリングを行うことを回避しなければならない。

ランバートが行った心理療法やカウンセリングの有効性に関する統計学的処理を用いた数量的な実験では、心理療法などの心理学的アプローチの効果は以下の要因に基づくものであるとされている。

この量的研究の結果は相対的な割合を感覚的に示すものに過ぎないが、ここから読み取れる面白い事柄は、使用する技法の種類の違いがあっても、その技法が悩みや症状に適応したものであれば、カウンセリングの効果が大幅に変化することはあまりないという事である。

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故に、どの理論に基づいてクライアントの問題を解釈すべきか、どの技法を用いてクライアントの苦悩や困難の解決を模索していくべきかを比較検討することは重要だが、どの理論・技法を使用するかに関して過度に優柔不断になって迷うことは慎むべきだということが出来るだろう。

心理療法・カウンセリングの効果発現の要因の割合

心理療法外部の要因(クライアントの自我の自発的強化による回復や自然な環境変化によるストレスの減少など)……40%

カウンセラーとクライアントのラポール(信頼関係)の要因……30%

採用した技法・理論の適合性や有効性の要因……15%

クライアントの期待や意欲といった動機付けの強さの要因……15%

元記事の執筆日:2005/05/20

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