恋愛・結婚におけるカップリング(相手選び)の心理学1:年齢段階と人生経験による異性の魅力の多面化、“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論1:小さな不満の蓄積と別れ

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恋愛・結婚におけるカップリング(相手選び)の心理学2:自己評価と美男美女の外見へのこだわり


“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論1:小さな不満の蓄積と別れ


“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論2:追いかけると逃げるの仕組み


“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論3:好きになった女性へのアピール


尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫1:軽視されるリスクと尊重される振る舞い


尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫2:異性としての女性と母親的な女性


尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫3:相手のために努力しようという動機づけ


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恋愛・結婚におけるカップリング(相手選び)の心理学1:年齢段階と人生経験による異性の魅力の多面化

恋愛では自分が好意や関心を寄せている相手に、会話を投げかけたり食事に誘ったりするアプローチをして、そのアプローチが受け容れられることによって二人の関係が始まります。その男女の関係が恋愛関係にまで進展することもあれば、一度だけの食事や数回のデートだけで終わってしまうこともありますが、多くの男女関係では『何度かの二人きりの食事・会話・外出』を重ねることで、相手への興味関心や信頼感、好意感情を掻き立てられることでカップリングが成立します。上手くいかないアプローチでは、初めの会話やデートへの誘いから門前払いで拒否されることもありますが、その場合は相手が恋人に求めている容姿やファッション、雰囲気、経済力など何らかの“最低ラインの基準”を自分が満たせていなかったという事になります。

自分が興味を持っている好きな相手が、異性のどういった魅力や特徴に重点を置いているのか、それまでの自分と相手の関係がどのくらい親密だったのかによっても、自分のアプローチが成功するかどうかは変わってきます。“恋人・配偶者に対する最低ラインの基準”が高い人もまた、あの人もダメ、この人も違うといった高望みによって相手が見つかりにくいという悩みが生まれやすくなります。自分が相手から“恋人”として受け容れられて、自分が相手のことを“恋人”として受け容れることで恋愛関係が始まりますが、恋愛のカップリングの段階では以下のような悩みが多くなってきます。

1.好きになった人にアプローチしたり告白しても、受け容れてもらえず拒否されて振られやすい。

2.色々な人から好意を寄せられて誘われるのだが、自分が憧れたり好きになれる相手からはアプローチされない。

3.自分が好きになれる人や興味関心を持てる人との出会いそのものがない。

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好きな人から振られたり拒否されてしまうという悩みや振られるのが怖くてアプローチすることができないという不安は、大多数の人が『思春期』の男女関係で多かれ少なかれ体験する悩みだと言えますが、10代の思春期や20代前半の青年期における異性の魅力の中心は、『容姿・外見・スタイル』など第一印象で瞬時に伝わる魅力に偏りがちであることも影響しています。近年のウェブでは、10~20代の若年層を中心にして『ただしイケメンに限る(イケメンでないと好かれない)・男は女の顔(スタイル)しか見ていない』といった恋愛関係における容姿・スタイルのコンプレックスや悩みの表現が目立ちますが、基本的には年齢が若いほど異性の魅力として『容姿・スタイルなど外見的特徴』を重視する比率が高くなります。極端に外見のみを重視する人の場合には、容姿以外の性格の良さや趣味の一致度、経済力や仕事の真面目さ、コミュニケーションの楽しさなどの魅力をほとんど考慮せずに相手を選ぶ人もいます。

10~20代半ばくらいの若年層で『容姿・スタイルの対人魅力』が突出して重視されやすいという事は、学生時代には異性から告白されるほどにモテる人の人気は一部のカッコいい人や可愛い人に偏っていたり、熱心なアイドルや芸能人のファンになってのめり込む人が他の年齢層よりも多いことなどによっても示されます。異性のどういった側面や魅力を重視して相手を選ぶかということについては個人差が大きく、その時期に出会う人との関係(その出会いと付き合いによって育まれる価値観)によっても変わってきます。一方で、10代の若い時期には極論すれば、異性の魅力は『かっこいいかかっこ良くないか・可愛いか可愛くないかの単純化された二元論』によって判断されやすい傾向があり、過半数の人は特別にずば抜けてかっこいいわけでも可愛いわけでもないので、恋愛関係における自信・自己評価は『自分の顔やスタイルの○○の部分が気になる』といった形で下がりやすくなります。

特別に自分の容姿や能力、話術、経済力などに自信がある人、ビジネスライクに大勢の異性に気軽にアプローチできる人、既に相手の好意(受容)が十分に実感できている付き合いなどを除いては、『もしかしたら相手から拒否されるかもしれない恋愛』というのは、何歳になっても十分な自信が持ちにくく不安・心配が付きまとうものです。しかし、思春期から年齢を重ねていき、さまざまな特徴や個性を持つ異性と触れ合いながらコミュニケーションをしていく中で、『分かりやすい容姿やスタイルの魅力以外の魅力』にも多くの人が気づき始め、20代半ば以降のカップリング(異性選択)のバリエーションは非常に多様になってきます。10代~20代前半頃までは、マスメディアやファッション雑誌、周囲の友人の影響などもあり、どうしても『異性の好み』は芸能人やモデルに代表される画一化・平準化された好みになりやすいのですが、多くの人間関係や恋愛関係を繰り返していく中で、分かりやすい容姿以上に『自分にとってしっくりくる異性のタイプ・一緒にいて落ち着けたり安心できる異性の好み』というものが形成されてきます。

各人の異性の好みが多様化したり、性格的・内面的な魅力の相対的な重要性が高まる中で、『1.好きになった人にアプローチしたり告白しても、受け容れてもらえず拒否されて振られやすい』という悩みは弱まりやすくなります。なぜ弱まりやすいのかというと、多様な異性との出会いや交流を経験していくことで、『自分と相性の良い異性のタイプ(一緒にいて楽しめたり落ち着ける異性のタイプ)』が分かってきて、容姿や外見の魅力を含むとしても、総合的な魅力や特徴のバランスでお互いを選ぶようになってくるからです。

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恋愛・結婚におけるカップリング(相手選び)の心理学2:自己評価と美男美女の外見へのこだわり

異性に感じる対人魅力の要因は大きく分ければ、以下の5つに分類することができますが、年齢が若い時期の恋愛のカップリングには『社会経済的要因』はほとんど通用せず、どちらかというと20代半ば以降の結婚を前提としたカップリングにおいて、家庭生活や子育てと直結する社会経済的要因の魅力が強まってきます。思春期から青年期前期における相手選びのカップリングでは“外見的魅力・環境的要因”が重視されやすく、年齢と恋愛体験、社会生活(職業活動)を積み重ねるにつれて、それら以外の“性格的魅力・社会経済的要因”も加わってきて、『相手のことを好きになれる外見・容姿の最低基準』も低くなりやすくなります。

1.外見的魅力……容姿が人並み以上に美しかったり恰好良かったり可愛かったりする外見上の魅力。均整の取れたスタイルや分かりやすい性的魅力など。

2.性格的魅力……一緒にいて心地良かったり楽しかったり安心できたりする性格上の魅力。自分と趣味や価値観が合う。“優しい・誠実・思いやりがある・利他的・勇気がある・知的でユーモアがある・話題が豊富・真面目”などの性格的あるいは内面的な美点。

3.社会的・経済的要因……社会的に成功していたり職業能力が高かったり、平均以上の経済力を持っていたりする社会経済的な魅力。安定した生活を送るための経済基盤や社会的地位、それを相手の幸せのために使える器量(利他性)。

4.環境的要因……遠距離恋愛にならず、いつも相手の側にいて頻繁に会えるという単純接触効果や、職場・学校などが一緒で自分のことを知ってもらいやすいという環境要因。

5.生理的要因……“吊り橋効果・ジェットコースター効果”と言われる生理学的な興奮状態にあって、相手のことを好きだという原因帰属の誤謬をしやすくなる。ロマンティックな状況に置かれたりリラックスした心地良い気分になることで好意を感じやすくなる“フィーリンググッド効果”など。

一般的には、若い時期ほど外見の第一印象だけで『この人は恋人候補にはならない』という足切りのハードルが高くなりやすく、『容姿端麗な美男美女でなければ付き合いたくない』という人も少なからずいるものですが、年齢を重ねて人間関係や人生経験が多くなるに従って、『容姿・外見の基準(ストライクゾーン)』が甘くなって、『性格(内面)・能力と意欲・経済力の基準』が厳しめになってきます。それは、将来の結婚を見据えた現実的な生活が成り立つカップリング(相手選び)を考えるようになるということもありますが、色々なタイプの異性にアプローチしたり(大勢の他者と知り合ったり)実際に社会に出て働いたりするうちに、『異性の魅力や自分との相性として容姿と同等以上に大切なもの=一緒に過ごしていて幸せになれそうな要素』に気づく機会が増えるからです。

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イケメンや美人の魅力的な容姿には、“性選択(生殖適応度の高さ)”という生物学的根拠を持つ誰にでも通用しやすい『普遍的な魅力』が確かにあるのですが、多くの人は異性関係や人生経験の密度が濃くなるにつれて『かっこいい・可愛いと反射的に感じる異性(一般的に人気のある異性)』『実際に付き合いたいと思う好み異性(一緒にいて幸せや安心を感じられる異性)』との区別が生まれてきます。若い頃には『芸能人のようなイケメンや美人でないと付き合わない』というカップリングの過剰なこだわりを持っていた人でも、その後に色々な出会いや経験、学習を積み重ねていく中で、『自分と相性の良い相手・現実的に惹かれ合う相手』を選びやすくなっていきます。イケメンや美人の容姿の基準になる要因は、進化生物学的には個体の健康度や強さの指標となる『シンメトリー(左右対称性)・髪の毛や肌、瞳の綺麗さ・男性の身長の高さ・女性のメリハリのあるスタイル』にあると言われますが、どんなスタイル(体型)やファッションに魅力を感じやすいかには“時代・文化・民族”によってもかなり大きな違いがあります。しかしそういった時代の違いや文化の差を考えたとしても、結局のところ、外見的・容姿的な魅力の基準というのは『同じ文化圏で生活するみんなが一般的に良いと感じる容姿』であり、時代の流行やメディア情報の影響なども含めて、みんなが良いと思う特徴や属性を持っているから美男美女としてモテやすいという事になります。

みんなが良いと思って異性として選ばれやすい外見的な特徴が“美男美女”と認識され、みんなに選ばれやすいから必然的に自分の遺伝子を残しやすい“性選択の優位性”につながるわけですが、ここには『美男美女だからみんなに好かれやすい・みんなに好かれやすい外見上の特徴を持った人が美男美女として認識される』というトートロジーがあります。つまり、『普遍的・客観的な美男美女の要素』を備えた人間が、自然界の本質として初めから存在するというよりも、大勢の人間が構成する社会でみんなから選好されて賞賛される人の容姿の特徴・属性が『美男美女の要素』として定義されていくというのが実態に近いと思います。その意味では、前近代の数十人~数千人(数万人)単位の小さな村落や社会の中での『美男美女の基準』よりも、マスメディアやインターネットが発達して芸能界(モデル界)などが目安になって確立された『現代の美男美女の基準』のほうがより画一性・均質性が高まっていて、大勢の人がその美の階層秩序(自分がどのくらいの外見の美を持っているか)に取り込まれやすいとは言えます。ダイエットや美容整形、ヘアスタイル、エステ、ファッションなどが流行してそれらにお金を使う人が増えている背景にも、マスメディアやみんなの意見が作り上げた『美・カッコよさの階層秩序へのこだわり』が関係しており、自分を少しでもみんなから認められる容姿・外観に近づけて自己評価を高めたいという欲望の強まりがそこにはあります。

しかし、年齢を重ねていって中年期に近くなっても、絶対に誰もが振り向くようなイケメンや美人・可愛い人でなければ付き合うつもりはないという過剰なこだわりを持っている場合には、『2.色々な人から好意を寄せられて誘われるのだが、自分が憧れたり好きになれる相手からはアプローチされない』という悩みや、『いつまで絶っても現実的な恋愛・結婚に進める相手が見つからない』という問題が起こりやすくなってきます。実際に、自分の高い外見の基準(美人・イケメンじゃないとダメ)に見合うような素敵な異性と何度か付き合っていたり、付き合えそうな兆候があればいいのですが、そういった可能性が全く無いにもかかわらず過剰に外見的魅力にこだわることは、自分の恋愛・人づきあいの幅を狭めたり、本来であれば相性が良いはずの相手との出会いを不意にしてしまう恐れが出てきます。

『容姿・外見の魅力への過度のこだわり』というのは、自己評価や承認欲求、社会的バランス理論とも関係していますが、恋愛が上手くいきにくくなる外見的魅力への過度のこだわりは以下の2つに大きく分けることができます。

1.相手がイケメン・美人(可愛い人)でなければ、納得できないので付き合うつもりがない。

2.相手がイケメン・美人(可愛い人)だと、不安感・抵抗感があって付き合えない。

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相手がイケメンや美人でなければ付き合えないという“1”の悩みは、『なぜそんなに容姿にこだわるのかの理由』を突き詰めていくと、自分自身が性格度外視でもイケメン(美人)が好きというよりも、みんなや社会がイケメン(美人)の魅力を認識してくれるから好きという部分が大きくなりやすいのです。実際にその相手と付き合ってみて楽しいかどうか、相手が自分を大切にしてくれるかどうかよりも、『みんなが認めるほどの美人・イケメンと付き合っている自分の価値』が周囲の羨望や評価によって高められるという感覚に執着しやすいため、相手の中身や二人の相性を冷静に見極めることが難しくなります。ロマンチックな恋愛関係や自分を選んでくれた容姿の良い恋人を通して、『自分の価値』が高められたり低められたりするというのは、誰にでも多かれ少なかれあるものではありますが、『周囲や社会が自分の恋人・配偶者をどう評価しているか』ばかりが気になる人は、自己評価が低いために恋人を介した承認欲求が過大になっている状況にあります。あるいは、実際に異性と付き合った経験や心情的な交流をした経験が乏しいために、『恋愛関係の具体的なプロセスや自分と相手との相性の良し悪し』についての理解が浅いということも、容姿以外の要素が目に入りにくい要因になってきます。

もちろん、外見も性格も社会的能力も含めて、自分の魅力とバランスが取れている相手や一緒にいて幸せ・面白さを実感できる相手を選ぶというのであれば、素晴らしい恋愛につながる可能性が高くなってきますが、『容姿以外の側面・部分』を全く見ずにそこだけに執着するというのでは、仮に付き合えたとしてもその後の関係で幸福や安心を実感することは難しいかもしれません。逆に『相手がイケメン・美人(可愛い人)だと不安感・抵抗感があって付き合えない』という“2”の悩みは、異性の分かりやすい外見の魅力で自己評価の低さをカバーしようとする“1”とは違って、自己評価が低いために『自分は容姿の良い相手に相応しくない(自分には勿体ない相手で長く付き合う自信がない)』と思い込みやすい悩みになっています。自己評価が低くて自分に自信を持てないと、『自分のアプローチを断りそうにない相手・自分を裏切ったり傷つけたりするリスクが低そうな相手』をどうしても選びやすくなり、美男美女の相手が本気で自分と真面目に付き合いたいと言ってきても、その言葉や気持ちをストレートに信じることが難しくなると言う“1”とは正反対の問題が生まれてきます。

“1”と“2”はイケメン・美人との恋愛関係に対して正反対の行動を取っているように見えますが、どちらも『自己評価の低さ・自己防衛とプライドの強さ』の要因によって恋愛が上手くいきにくくなっているのです。“美男美女でないとダメという1”のケースでは、『異性の多面的な魅力の認知・実際に付き合ってみて楽しめるか否か(自分と相手との魅力のバランス)・異性を自分を飾るモノ化しないこと(他人の目を気にし過ぎないこと)』が恋愛関係を上手く展開させるためのポイントになってきます。“美男美女だと不安になってダメという2”のケースでは、『自分に自信を持つこと・相手の好意や行動を信用すること・自分の気持ちや希望に素直になること』が恋愛で後悔しないために重要になってくるでしょう。

“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論1:小さな不満の蓄積と別れ

男性と女性の間には、『電話・メールの連絡頻度の差』があると言われることが多くあります。女性と比較すると男性は電話やメール、話し合いをする頻度が少ないことから、恋人や妻に『自分に愛情や関心が無いのではないか・自分を裏切るような事(浮気など)をしているのではないか・大事な問題を話し合うことができない人だ』という誤解を受ける事もありますが、なぜ男性にはマメな連絡をしない人が多いのでしょうか。

恋人に頻繁に電話・メールなどで連絡をしないという男性には、大きく分けて以下の4つのタイプを考えることができます。恋人が自分に余り連絡をしてくれなくて不安になったりイライラするという女性は、自分の彼氏がどのタイプに当てはまるかによって対応の仕方も変わってきます。

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1.恋人の好意や反応に安心しきっているから連絡をマメにしないタイプ……相手のほうが自分よりも『好きな気持ち・別れたくない思い』が強くて自分から離れられないという確信があるので、自分から小まめに連絡しなくても大丈夫だと思っている。あるいは、長期間の付き合いが続いていることで、今更敢えて別れることはないだろうという推測を持っている。

2.恋人に自分の側が必死になっているように思われたくなくて連絡をマメにしないタイプ……恋人の事が好きな気持ちは強くて連絡もしたいが、『自分の側の余裕(恋人以外にもやるべきことや他の異性との出会いの可能性もあるような素振り)』をそれとなく示すために意図的に遅めの連絡をしたりする。本当は別れたいなどとは全く思っていないが、相手に余り連絡をせずに想像や嫉妬をさせることで、自分が優位に立ちたい(相手にのめり込んでいると見透かされて精神的にコントロールされたくない)という欲求の反映でもある。

3.単純に恋愛よりも優先している仕事や趣味、友人関係などが多いタイプ……恋人とおしゃべりしたり一緒に過ごすことも好きだし恋人は必要だが、それと同等以上に優先している事柄が多くあって、時間的・体力的な制約から忙しくて連絡ができない。仕事への上昇志向が強くて重要なポストに就いていたり、男友達が多くて頻繁に出歩いていたり、一人で没頭する趣味の時間を重視していたりする。

4.その女性をいざと言う場合には失っても良いと考えて割り切っているタイプ……違う女性と二股・三股を掛けて浮気をしていたり、その恋人を本命だと考えていなかったりして、真剣に付き合おうとする意志が元々弱いので連絡は少なくなる。その恋人を失った場合にも別の女性が既に存在することによって安心感を持っていたり、その恋人を絶対に失いたくないという独占欲(執着心)も弱いので、男性の冷たさを責めて別れを切り出せば素直に応じる事が多い。

上記の中で恋人(彼女)への愛情や好意、独占欲(執着心)が一定以上残っているのは『1・2・3』であり、『4』は既に浮気をしていたり別の女性を本命に据えたりしているので、真剣に相手への真摯な感情を持って付き合っているとは言えないでしょう。自分への愛情や執着(しがみつき)がどのくらいあるのかは、『別れ話』や『距離を置く話』を切り出してみた時の反応である程度分かります。別に本命・代替の女性がいるような不誠実な男性や極端にプライドが高くて女性に一切の弱み・未練を見せない男性でない限りは、大半の男性がそれまでマメでなくても、別れの不安を察知すると豹変して『とりあえず俺の話を聞いてくれ・一人で勝手に別れると言われても納得できないから話し合おう』という連絡が増えるはずです。相手から離れていこうという兆候を見せた時に、途端に態度が変わって『関係修復(復縁)のための電話・メール』が急増して、戻ってきてくれという弱気な部分を見せたり、不機嫌になって怒るようであれば、貴女への気持ちは相当程度残っていると言えます。

実際の恋愛(異性関係)では、『コミュニケーション不足・感情の行き違い』から相手が何を考えていて将来どうしようとしているのかが分からないという事で、女性が別れを切り出すことも少なくありませんが、連絡をしない男性の側は『わざわざ言葉にしなくても全て分かってくれていると思っていた・お互いの気持ちが暗黙の了解で一致していると思っていた』という風に考えることが多いのです。男性はいったん好きな女性と強固に結びついた(相手の女性と性的関係を持って愛情や執着も獲得した)と実感すると、その後のメンテナンス的なコミュニケーションや感情の交流を多少さぼっても、『決定的な別離』には至らないだろう、幾らでもその時になれば話し合い(関係の修復)ができるだろうと思い込みやすくなります。

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しかし、女性のほうは毎日の日常生活や相手の自分に対する反応(扱いの不満)を通して、『小さな不満・不安・嫌悪・憤り』といったネガティブな評価(印象)を積み重ねていくので、これ以上は我慢できないという閾値を越えて“別れるという覚悟(この恋人は自分には合わず一緒にいても仕方が無い)”を決めた時には、男性が考えているように『事後的な話し合い』で別れの結果を覆すことは少なくなります。男性が恋人(妻)に対するコミュニケーション(連絡頻度)や感情的な配慮を怠らないほうがいい理由のひとつは、小さな不満を長く積み重ねて恋人(夫)に愛想を尽かした女性は、いったん別離(離婚)を決断するとその考えを変えることが滅多にないからですが、男性からすると『不満・不快・怒りが積み重なっていく途中のプロセス』というのは見えにくいのです(女性の側が『自分から気づかないという鈍感さ・無神経さ』が許せないという理由から敢えて言わないことも少なくないのです)。

“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論2:追いかけると逃げるの仕組み

前回の記事の続きになりますが、1の『恋人の好意や反応に安心しきっているから連絡をマメにしないタイプの男性』では特に、相手の愛情や好意、思いやりに甘えてしまっていて、自分の方からメールや電話、会話をしなくても、相手の気持ちがいつまでも変わらないだろうという楽観的な予測をしていることが多くなります。このタイプへの男性への対応は基本的には、『追いかければ追いかけるほど逃げていく・尽くせば尽くすほど安心しきって扱いが適当になる』『逃げる素振りをすれば追いかけてくる・ちょっと不安になるくらいの関係で扱いが丁寧になる』という行動原理を応用することができます。自分がどれだけ手抜きをしてもどんな対応をしても、女性(恋人)が離れないと安心して思っている時には、男性は『甘え・依存の心理』から連絡頻度が少なくなったり相手に対して粗略な振る舞いをしやすくなる面があります。

2の『恋人に自分の側が必死になっているように思われたくなくて連絡をマメにしないタイプ』というのは、恋人との付き合い始めの段階や異性にアプローチし始めたばかりの男性に見られやすいタイプですが、これは『自分の魅力・余裕をアピールしたい欲求』『相手から振られた(拒絶された)場合の自我防衛機制』と関係しています。恋人との恋愛関係において、相手に一方的な主導権を握られたくないという人、自分のほうが女性よりも好意が強すぎることを知られたくない人などが、このタイプに当てはまります。少し連絡する日にちを遅くしてみたり、相手から連絡が来るのを待ったりすることで『恋人の自分への好意・関心』を確かめないと、安心できないという心理も関係しています。この心理は恋愛関係だけではなく友人関係にも見られることがあり、『いつも自分のほうばかりが連絡をしたり誘ったりしているという状況(連絡すれば返事は返ってくるが相手からは連絡が来ない状況)』を不安に思ったり面白くないと感じたりする人は結構いるでしょう。『相手からの積極的な連絡・誘いかけ』は、自分への好意や興味関心を反映している面があるので、相手のほうから進んで連絡してくることがないと『それほど自分に興味がないのだろうか・もし自分がこのまま連絡しなかったら縁が切れてしまうんじゃないだろうか』という不満や不安につながりやすくなるのです。

女性のことが少し気になっているような段階や友人関係から恋愛関係に移行しようとする場合には、特にプライドの高い男性は、『自分のほうが必死に口説いている素振り・その女性以外には選べる女性が全くいないという状況(他の女性に余りモテていないという現状)・その女性に振られたら酷く傷ついて落ち込むという感情状態』を相手に知られたくないという自己防衛や見栄が働きやすくなります。また女性の側でも、付き合い始めや男性からアプローチされている段階では、『我慢できない感じでがっついている男性・あまりに熱烈で頻繁なメッセージの繰り返し・一方的な愛情の押し付け』というのを低く評価する傾向があり、余りに相手の男性が一生懸命に低姿勢でアプローチしてくると、『自分よりも魅力・価値のレベルが低い男性』として認識しやすくなってしまいます。

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どんな異性を恋人として選ぶのかと関係する『社会的バランス理論』では、男性でも女性でも『自分と同程度の魅力を備えていると感じる異性・性格や容姿、会話、経済力など各種のリソースのバランスが釣り合っていると感じる異性』を選びやすい傾向が顕著に見られます。付き合った後には、一途で誠実な男性が良いといっても、付き合う前の段階から『他の女性に全く好かれていない男性(自分以外には選択肢がないので必死になっているように見える男性)』のほうが良いという女性は少なくなります。この事は男性の側でも薄々は察知しているので、無意識的にメールや電話の連絡頻度を少なくしたり遅らせることで『そんなに彼女だけに必死になっているわけではない・他にもやるべき仕事や付き合いは多くある』という事をそれとなくアピールしたり、低姿勢で付き合ってほしいとお願いするのではなく、『貴女のほうにも好きな気持ちがあるのなら付き合いをすることを考えたい(他にも付き合える女性の選択肢は少なからずあったけれどその中から貴女を選ぶ)』という形で恋愛関係の主導権を握りたがるわけです。

普通に考えると、付き合い始めの段階から、『特定の一人の女性』だけに必死になって他の女性や活動には全く関心さえないという一途な姿勢を見せたほうが上手くいきそうにも感じますが、実際には(それぞれの男性のキャラクターや印象にも拠りますが)付き合い始めの段階では『付き合おうと思っている女性にのめり込んでいる感じ(その女性に振られたら全てが終わるというような弱さ)』を見せないほうが上手くいきやすくなります。この女性の心理を社会心理学的に考えると、女性の気持ちが十分に高まっていない付き合う前の段階で、男性のほうが『貴女が物凄く大好きで貴女以外のことは考えられないからどうしても付き合って欲しい』というような必死過ぎる態度を示すと、女性のほうは自分はそこまでの強い気持ちは持っていないので相手の気持ちの重さに応えられないし、何だか一方的に情熱や執着をぶつけられているようで怖いという風に感じやすくなります。

社会的バランス理論では、ここまで低姿勢で自分に好意を伝えて付き合いをお願いしてくる男性は、『自分には相応しくない男性(自分よりも格段に魅力が劣るのでお願いしてくる男性)』なのではないかという疑念を持たれやすくなり、低姿勢が『卑屈さや自信の無さ・相手のいない切迫感や焦り』のように受け取られると女性から選ばれにくくなるという事もあります。

“メール・電話の連絡”を自分から余りしない男性の心理とバランス理論3:好きになった女性へのアピール

女性が男性に感じる魅力として『謙虚さ・丁寧さ・優しさ・控えめ』といった事もあり、また女性が嫌いやすい要素として『自信過剰・傲慢さ・支配性・自慢好き』などもあるので、『魅力的な自信・余裕』と『魅力の落ちる卑屈さ・焦り』との境目というのは曖昧な部分もあります。しかし一般的には、男性は付き合い始め(アプローチのとっかかり)では『異性関係における選択肢・余裕』を示すことで自分も相手の女性を選んでいるんだという印象を与えようとします。そう考えると、電話やメール、会話が少ない2の男性には、『自分だけが相手にのめり込んで必死になっていると思われたくない自己防衛』や『自分が連絡しない時に女性(恋人)がどんな反応をするか確かめたい、できれば相手から連絡してきてほしいという欲求』があると推測できます。これは男性と女性を入れ替えても成り立つ心理で、いつも自分からばかり連絡したり遊びに誘ったりしている女性も、ふとした時に『自分が連絡しなくても彼はちゃんと連絡してきてくれるのだろうか(自分のことを絶対に離したくない大切な存在と思ってくれているのだろうか)・もしかしたら自分が連絡しなかったら音信不通になるのではないか』という相手の積極性に関する不安感を覚えることがあります。

どちらかというと、『自分のほうが相手の事を好きな気持ちが強いという感覚・相手から自分が何とか選ばれている状態(もしかしたら他の相手を選ぶ可能性もあるという不安)』がある人のほうが自分から進んで頻繁に連絡をする傾向があります。そのため、相手のことが凄く好きなのに、敢えて余り連絡しないという男性は『相手に自分の必死さや余裕の無さを知られたくない(相手のほうから連絡してきて貰うことで相手の好意・執着を実感したい)』という人であり、簡単に言えば『女性に対する見栄・プライド・演出性』が比較的強いタイプだと言えるでしょう。そういった無意識的な心理的力動(内的葛藤)とは無関係に、ただ空いている時間に連絡する話したいから電話するというような人も多くいますが、特にこれから恋愛に移行しようとする付き合いの段階では、『自分と恋人の立場や好意の対等性(相手に感情的に振り回されていて主導権を握られてしまっている自分)』を意識してしまうことでメールや電話の頻度が少なくなるような人も多くいると思います。

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『一人の女性』に完全に精神的に支配されて振り回されているという事実(女性から連絡がないだけで不安になったり嫉妬している事実など)を認めたくなかったり、これから付き合いたいと思っている女性に『他に好きになってくれる女性がいないから自分だけに必死になっているのではないか』というネガティブな印象をもたれたくないために、ある種の見栄やプライドが作用しやすくなります。『彼女なしでも毎日をエンジョイできている自分(結構いろいろなスケジュールが詰まっていて忙しいなど)・彼女以外にも自分を好意を持ってくれる女性がいる自分(他の女性からもメールや電話が多いなど)』を演出することで、自分が強く惹きつけられている女性の魅力とのバランスを取ろうとしているとも言えますが、そういった駆け引きを意識的にやり過ぎると逆効果になることもあります。

ただ大半の男性は、好きになった異性に対して『カッコ良い自分を見せたい・恋愛や異性に慣れていると思われたい・他の女性からもアプローチされることがあるような自分でいたい・頼りになるタフな男に見られたい・弱くて女性にしがみつくような男に見られたくない』という思いを持っているものですから、女性の側からすればそういった大半の男性が持っている無意識的な欲求や見栄・演出をそれとなく受け容れてあげると、男性の反応は格段に良くなってくると思います。男性でも女性でも『好きな相手から愛されているという実感・自分の思いやりや貢献に対するフィードバック』を求めているものですが、男性が求めているフィードバックは女性と比べると『プライドに関する肯定感・セクシャリティ(性的事象)に関する魅力・自分の好意や努力が受けられている感覚』が多くなります。それに対して、女性が求めているフィードバックは男性よりも、『日常生活に密着した安心感・言語的コミュニケーションによる自己価値の承認・相手から必要とされている実感』が多くなりやすいという傾向があります。

付き合いが長くなったり結婚したりすると、男性のほうが女性にロマンティックな雰囲気やセクシャルな魅力の持続を願う欲求は大きくなりがちですが、女性のほうはどちらかというとリアリスティックに目の前の生活や子育てなどに意識を集中しやすいので、交際期間が長くなってマンネリを感じ始めた時には、『男女が相手に求めている反応・魅力の違い』を少し意識してみると良いかもしれません。

尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫1:軽視されるリスクと尊重される振る舞い

恋人との交際期間が長くなってきたり、結婚して現実の生活や子育てに向き合う時間が長くなると、恋人・配偶者との関係がマンネリ化してきたり一緒にいるのが当たり前になってきて、『自分を大切にしてくれない・自分(家族)のために努力やサービスをしてくれなくなった・言葉遣いや態度が粗雑になってきた・ロマンティックな要素がなくなり異性としての魅力がゼロになった』などの悩みがでてきやすくなります。 男性が好きな女性のタイプの典型として『家庭的で優しい女性・誠実で安心感(癒し)を与えてくれる女性』というものがありますが、結婚したり同棲したりした時には、『家庭的で男性に尽くして上げすぎる女性』が自分を大切にしてもらえない、もっと優しく思いやりを持った言動をして欲しいという悩みを抱える事があります。

社会心理学では自分が相手に与えた好意や貢献が返ってくるという『好意の返報性』が言われるので、相手に良くして上げればして上げるほど相手からも好意・思いやりが返ってきそうなものですが、男女関係(夫婦関係)では余りにも全面的に相手に尽くしすぎると、逆に相手からのお返しの好意や優しさが返ってきづらくなる事があります。時には、優しく尽くしてくれる相手に、酷い浮気の裏切りや薄情な仕打ち、利用するような行為までしてしまう男性(女性)もいますが、『相手に対する好意・思いやりのバランス』が極端に偏りすぎると、相手から好かれていて自分のほうが優位という実感を強めたほうが、『相手の存在価値・自尊心』を軽視してしまうことがあるのです。

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相手に一方的に尽くし過ぎたり、良くして上げ過ぎることによって起こる問題としては、以下の3点を考えることができるでしょう。

1.安定した変化のない関係性が固定化して『マンネリ化』に陥りやすい。

2.『相手がしてくれること』への感謝の思いや新鮮さが薄れて、『してくれて当たり前』の気持ちになりやすい。

3.『尽くしてくれる相手』が自分に惚れ込んでいる(自分から離れられない)と考えて、わがままな要求をしたり、相手の自尊心を軽視してしまいやすい。

どちらか一方だけが相手に献身的に尽くしたり、相手の願うことを先んじてして上げるというような関係になると、『相手からの好意・感謝』よりも『相手からの軽視・わがまま』のほうが帰ってきやすくなるという問題は、人間は自分と同程度の魅力や価値を持っている異性を選びたくなる『社会的バランス理論(社会的交換理論)』から理解することができるでしょう。どんなにわがままで怠惰な男性(女性)でも、好きな相手にアプローチして気に入られようとする段階では、『最善の自分』を見せて相手の気持ちに配慮した紳士的(淑女的)な対応を取ろうとしますが、それは『相手の魅力・価値・自尊心』を高く評価していて、いい加減な対応では自分を好きになってくれないだろうという事が予測できているからです。社会的バランス理論では、自分と相手との魅力や価値のバランスが重要になってきますが、相手との付き合いが長くなってくると、『異性としての相手に気に入られようとする言動』は一般的に減少して、穏やかで緩やかな相互信頼の関係へと変質していきます。

しかし、相手のために(言われる前から)率先して尽くして上げ過ぎる男性・女性の場合は、相手から『自分のことが好きだから何も不満も言わずに良くしてくれる・自分が努力しなくても優しく面倒を見てくれる』という風に思われやすくなるので、社会的バランス理論における『好意・感情のバランス』が崩れて、相手があなたのために尽くさなくても大丈夫という関係に移行しやすくなります。特にそれほど付き合いが長くなくて信頼関係も十分にできあがっていない内から、(相手に気に入られようとして)至れり尽くせりの対応をしてしまうと、そこで『相手のほうが格段に優位な力関係(相手の側だけに付き合いを続けるかやめるかの選択権があるような状況)』が形成されやすくなってしまうのです。

一方的に尽くし過ぎたり、必死に歓心・好意を買おうとするような態度は、『相手からの尊敬・欲求・憧れ』を得にくくなるという副作用ももたらすので、『何でも言うことを聞いてくれるような女性(男性)』に自分がなることは、必ずしも相手との恋愛関係や結婚生活を豊かなものにしてくれないという問題があります。特に付き合い始めの段階から、腕によりを振るって豪華なディナーを作ったり、彼氏の炊事洗濯掃除を全面的に代わりにやってあげたりするような尽くし方は、『共同生活者としての魅力・期待』は高めるかもしれませんが、『尊重される女性としての魅力』を高めるとは言い難い部分もあります。夫婦関係が上手くいっておらず、夫の自分に対する敬意・感謝が感じられないと嘆く女性が、『家政婦として扱われているみたいで不愉快』という不満・悩みを持つことは少なくありません。男性にとっての身近な女性の位置づけは『異性(女)としての女性』か、『母親(保護者)としての女性』かに大きく分類されるわけで、家事全般を完全にこなして夫の望むことを全て先取りしてやって上げて、生活上の説教・注意もするような良妻賢母は、どうしても『母親(保護者)としての女性』のスタンスに近くなってしまうのです。

尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫2:異性としての女性と母親的な女性

結婚すればよほど『完璧な家事育児の分担』を家庭内でしているか、『男性と同等以上の収入がある女性』かでない限りは、好むと好まざるとに関わらず『対等な異性としてよりも世話を焼いてくれる母親としての女性の認識』に近づいていきやすい面は当然あります。日本では特に、家事・育児は女性が負担する比率が圧倒的に高いので、結婚生活が長くなるにつれて『異性としては意識しなくなる夫婦・性的な要素が排除された家庭生活』が多くなる傾向があります。日本の子ども中心の家庭文化や性別役割分担の残存、夫婦で別の寝室の割合の高さを考えれば、ある程度まで『異性としての認識が無くなる夫婦』が多くなるのは自然と言えますが、それでは物足りない、たまには女性(男性)としての自分も意識して欲しいという人は、コミュニケーションや日常生活の過ごし方の工夫が必要になってくるでしょう。

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結婚していない恋愛関係にある男女でも、相手の身の回りの世話をして上げすぎたり、行動予定をすべて相手の都合に合わせたりする事によって、『女性としてよりも母親(共同生活者)に近い認識・尊重しなくても自分から離れない相手としての認識』を持たれてしまう事があります。また、こんなに尽くして上げて彼氏のために頑張っているのに、彼氏が自分のことを大切にしてくれないと悩んだり、自分(彼女)のための時間を作ってくれず連絡もしてくれないと不安になっている女性もいますが、『二人の間の好意・献身・努力のバランス』が崩れると、相手からの敬意や尊重を得にくくなって自分が軽視されてしまうというリスクがでてきます。

男性が女性のために最も努力するのは、相手の女性(好きな女性)が自分の好意・欲求を受け容れてくれるかどうかはっきりしない時期(付き合う前の段階)であり、『相手の魅力・存在価値』が自分と同等以上に高いと感じていて、相手に敬意を払って大切にしないと自分から離れていくかもしれないと感じている時です。反対に、男性が女性のために何の努力もしなくなるのは、自分がどんな行動をとっても相手に敬意を払わなくても、『絶対に自分から離れていく事はないだろう・相手のほうが自分に対する好意や思いが強いのだから』と感じて安心しきってしまっている時です。恋愛をしている時に、追いかければ追いかけるほど相手の反応が弱くなって、最後には逃げていくという経験をした人も少なからずいるでしょうが、付き合う段階までいった後でも『追いかけ過ぎると逃げる・束縛して尽くしすぎると関係が上手くいかなくなる』というのはある程度当てはまるのです。

女性が必死になって至れり尽くせりで尽くしてくれたり、自分に気に入られようとして何でもしてくれるというのは、男性にとっては嬉しい事でもあるのですが、『尽くして下手に出すぎること=相手の女性の魅力や価値が自分より劣っているシグナル』として受け取られる恐れがあり、社会的バランス理論の仕組みによって『自分からは追いかける価値がない女性(尊敬や憧れを寄せられない女性)』として認識されやすくなります。何でも自分のいうことを聞いてくれて、すべて自分の都合に合わせてくれる女性というのは、男性にとって都合が良い女性(ストレスを感じにくい相手)とは言えますが、尊敬して尽くそうと思える女性(自分からアプローチしようと思う同等以上の魅力がある相手)とは言いにくいわけです。

こういった『好意・尊敬のバランスの崩れ』から起こる男女関係のトラブルや関係の変化は、日常的には『釣った魚に餌をやらない・追いかければ逃げる・相手に飽きたマンネリズム』として表現されることが多いですが、『努力して相手を喜ばせて上げたい・自分も頑張らないと相手から嫌われてしまうかも』という動機づけを上手く刺激して上げれば、いつまでも愛されて大切にされる女性(男性)になりやすくなります。『無条件の愛情・奉仕・献身』というのは道徳的には非常に価値があることなのですが、男女関係や恋愛関係においては『相手が何も返してくれないのに無条件で与え続ける愛し方』というのは、『してもらえて当たり前と思うようになった相手』からの敬意や貢献、愛情を失ってしまうという副作用を生み出すことがあります。女性が自分の生き方や存在に自信を持っていて、『彼氏以外の活動や仕事・趣味・人間関係』などにも意欲的に取り組んでいると、彼氏は『彼女の愛情や好意を繋ぎとめておくための努力・サービス』に意識が向かいやすくなりますが、『すべての時間・労力が彼氏のもの(彼氏の言うとおりにする)』といったスタンスを取ってしまうと、(相手の性格や信念にも拠りますが)『釣った魚に餌をやらないという状況』にも陥りやすいのです。

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尽くし過ぎて上手くいかない男女関係とマンネリ化を緩和する工夫3:相手のために努力しようという動機づけ

『彼氏(彼女)と過ごす時間以外の充実した時間』を持っていなかったり、自分のスケジュールの全てを『彼氏(彼女)の都合・希望』に合わせて変更したりすると、彼氏(彼女)があなたに向ける敬意や配慮、努力はどうしても少なくなってしまいがちです。それは、人間は『自分が努力しなくても簡単に手に入るもの』に対しては、希少性や感謝(ありがたみ)、尊敬を感じにくくなり、『手に入って当たり前という認識』を持つようになるからであり、恋愛関係(男女関係)においても『与えるばかりの相手‐受け取るばかりの自分』という力関係ができあがると、その関係には相手を喜ばせて上げたい(相手のために努力しよう)という動機づけが起こりにくくなるからです。

彼氏(夫)が自分に対して何もしてくれない、自分を大切にしてくれない、自分を女性として見てくれないという悩みを持っている女性の場合には、その原因は大きく分けて二通り考えることができます。『自分も彼氏(夫)に何もして上げておらず興味関心も乏しいから好意が返ってこない』という原因が一つ、『自分だけが相手に尽くしすぎていて相手を安心させきっているから(相手が努力する必要性がない程度に快適な関係と環境を与えているから)』という原因がもう一つになります。必死になって相手に尽くして相手の喜ぶことをして上げているのに、男性(彼氏)から裏切られたり見捨てられたりするという場合でも、『彼氏がいないと自分は不安でたまらない・彼氏と一緒にいるためだったら何でも言うことを聞く』といった“自己価値の引き下げ”を無意識的にやってしまっていることがあります。

男性でも『いつも女性から利用されて振られる・お金目当てのような女性ばかりが集まってくる』といった悩みを持っている人がいますが、そういった問題でも『好意・愛情のバランスの崩れ』を大きくするような態度(下手に出すぎる・言うことを素直に聞きすぎる)を取っていることがあり、知らず知らずのうちに『彼女の優位性・自分の劣位性』といった力関係の図式が固定化してしまっているのです。結婚して協働で子育てをし始めたりするとまた別の問題がでてきますが、恋愛の段階で二人の関係を充実させてお互いに敬意・配慮を失わないためには、『相互の立場や影響力の対等性(バランス)』も必要になってきます。

そうでなければ、『尽くす側‐尽くされる側』という役割分担や力関係に基づいた付き合い方になってくるので、どちらかが『この相手と付き合っていても楽しくない・自分が利用されている(何でも言うことは聞いてくれるが異性としての魅力や手ごたえがない)』という不満を持ちやすくなります。ただし、『尽くす側‐尽くされる側』という力関係の高低があっても、お互いに納得のできる役割分担や自己アイデンティティの保持ができていれば、『相補的な相性の良さ(相手に尽くす事による充足感・尻に敷かれながらも親密な関係のある安心感など)』が発揮されて関係が上手くいくこともあるでしょう。

恋愛関係における刺激やときめき、性的魅力というのは、確かに脳内の情報伝達物質の分泌などからも『長続きしにくい・いつかはマンネリになって刺激がなくなる』とは言われているのですが、付き合いが長くなっても『お互いを異性として意識しやすくする工夫・努力』というのはできます。例えば、彼氏(夫)から自分を女性として扱ってもらえない、自分の性的な魅力を感じてもらえない(セックスレスになっている)という事で悩んでいる女性の場合には、彼氏(夫)が貴女に対して『異性(女性)としての認知』を持てなくなり、『母親・保護者としての認知』を固めていることが問題の根本にあります。

恋愛関係や夫婦関係で、彼女(妻)が『女性として扱ってもらいにくくなる・彼氏(夫)が自分を喜ばせるための努力やサービスをしてくれなくなった・セックスレスになってしまう』という悩みを抱える時の原因は、大きく分ければ以下の3つにまとめる事ができるでしょう。

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1.社会的バランス理論における『相互の魅力・価値の認識のバランス』が崩れてしまい、『好意を与える側‐好意を受け取る側』の役割が固定してしまっている。安定した関係や生活が長く続いていて、『彼氏(夫)が異性としての彼女(妻)のために努力しようというモチベーション』を高める反応や緊張感が無くなっている。

2.彼女(妻)を『異性(女)としての女性』ではなく『母親(保護者)としての女性』として認識するようになってしまっており、彼女(妻)が異性として追いかけたい対象からズレてきてしまっている。自分の身の回りの世話や子育てをしてくれたり、精神的なケアをしてくれたりする事を期待するようになり、異性としての役割の期待が小さくなっている。

3.彼女(妻)と私生活を共有して、お互いの自己開示が進み過ぎたことで、想像の余地がなくなる生活感が出すぎたり、相手の嫌な側面(知りたくなかった側面・だらしない部分)まで知りすぎてしまった。お互いに緊張感が無くなったり、相手のために努力することが無くなっていき、良くも悪くも安心しきった関係性になっている。

長く続いている恋愛関係や結婚生活で、『異性としての魅力・価値』『相手のために努力しようとする動機づけ』を相手に意識してもらう事は、男性にとっても女性にとっても難しいことですが、『異性としての魅力や価値』を長く保つためには以下のようなポイントを考えることができます。

1.彼氏(夫)の好意や思いやりに対して、『彼氏(夫)が愛情やトキメキ』を実感できるような適切なフィードバックを返すこと。

2.子どもが産まれた後にも、二人だけで過ごすようなデート・語り合いの時間を意識的にでも作るようにすること。

3.お金や時間がないという理由だけで、二人だけで食事(外食)をしたり景色の綺麗な場所に外出したり、仲良くスキンシップをしたりすることを惜しんだり諦めてしまわないこと。生活や子育てに追われすぎて、相手に対する興味関心を失い過ぎないこと、少しでも余裕を作るために二人で協力すること。

4.マンネリ化して日常生活や相手への思いが色褪せないように、時にはサプライズや意外なイベントなどを計画してみること。相手を喜ばせてあげよう、相手のために何かをしてあげたいという気持ちをお互いに忘れないこと。

5.セックスに関して拒絶的で冷淡な態度を取り過ぎず、異性としての相手やその欲求も時には意識して上げること(相手を喜ばせようとする思いやりや刺激の探求を忘れないこと)。セックスをするのが面倒くさくなり、相手と触れ合うのが嫌になってくると、自然に相手を異性として意識することが難しくなっていき、(特に拒絶されている側の)心理的距離も開きやすい。

6.お互いの『プライベートな時間・趣味の時間』などを尊重して、それぞれが自分の好きな事や興味のある事に熱中できるようにすること。相手の趣味や活動、興味について文句を言ったりケチをつけるのではなく、それぞれが好きな趣味や活動に対しても、お互いに興味を持って会話をすること。

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7.最低限のデリカシーや自意識を持って、相手に対して何から何まで曝け出し過ぎないこと。『異性としての自分』を全くイメージできなくなるようなだらしなさや不潔さ、いい加減さはできるだけ目立たないように工夫する。ドアを閉めずにトイレをしたり、素っ裸でウロウロしたり、下着や生理用品などをそこら辺に放り投げておいたりするような行動は、何にも気を遣わないリラックスした関係にはつながるが、異性として相手を見づらくなるという副作用もある。

8.相手の行動や発言の自由を奪うような、過度の束縛や嫉妬、愚痴(小言)などはできるだけしないようにする。必要以上に相手を疑ったり、一つ一つの予定を管理したがったり、何でもないようなことに嫉妬したりするのは、自分への敬意や好意を下げる恐れがあるし、『毎日の行動の報告・その日にやったことの連絡』を細かく求めると母親のようなイメージを持たれやすい。

9.恋愛段階では特に『ある程度の謎・秘密』を残しておくくらいのほうが、相手の愛情や好意、献身が長く続きやすくなる。全てをオープンにして開けっぴろげにする事には、信頼関係が深くなるメリットもあるが、『だらしなさ・いい加減さ・わがままさ・欲の強さ』などを残さず伝えすぎると、異性としての魅力は感じづらくなる。

10.男女それぞれが自立心や責任感、自己尊厳(自意識)を持つことで、『相手にとっての自分の魅力・価値』を高めていくことも大切である。外見的なおしゃれやファッション、メイクなどにも、最低限度の気遣いは必要であり、結婚した途端にファッションや自己管理に無関心になるのは好ましくない。

11.相手のためだけに自分の全てを捧げたり尽くし過ぎたりせずに、『自分自身の人生・趣味・仕事』なども大切にして相手の人生も尊重することで、『異性としての自分の魅力』が高まりやすくなる。相手の言いなりになり過ぎると、『魅力・好意のバランスの崩れ』によって、相手から敬意や関心を持たれにくくなる。

12.ユーモアのセンスや知的な興味関心、相手への敬意ある態度を忘れないようにして、『二人だけのコミュニケーションのやり取り(相手の話し相手としての面白さ・奥深さ)』を楽しむ時間を作ること。相手の人間性や価値観に触れる会話をしてみたり、お互いが興味を持っていることについての意見交換をしてみたりして、『相手の人格・内面』に対する敬意や配慮を持つようにすること。

元記事の執筆日:2011/07

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