ガバペンチンの効能・作用・副作用

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ガバペンチンについての基本情報

ガバペンチンの効能・作用……効能は『てんかん・部分発作』です。ガバペンチンは睡眠薬・抗不安薬のGABAに類似した化合物ですが、GABA受容体に直接作用するのではなく、前シナプス神経細胞のCaチャネルに作用して、グルタミン酸などの興奮性の神経伝達物質の働きを抑制する効果があります。GABA作動神経系の働きを活性化させることで、過剰な神経活動を抑制しててんかんの部分発作を起こりにくくしています。

ガバペンチンはアメリカなどの海外では数十年のスパンの使用実績がある抗てんかん薬(AED)ですが、日本では2006年に認可されて小児に対する適応も認められています。ただし、日本ではてんかんの全般発作や初発の発作に対する単剤投与の保険適応は認められておらず、原則として他の抗てんかん薬(AED)で十分な発作抑制効果が得られない時に、成人・小児の『部分発作(二次性全般化発作)』に対して処方されます。

ガバペンチンはGABA(γ-アミノ酪酸)誘導体タイプの抗てんかん薬で、他の抗てんかん薬とは作用機序が異なります。そのため、別の抗てんかん薬と併用することで、てんかん発作の抑制効果を高めることができます。

ガバペンチンの血中濃度の半減期は6~7時間であり、約3時間で血中濃度がピークになります。 てんかん自体を根治させる薬はないので、抗てんかん薬は予防的に長く飲み続ける必要があります。しかし、長期間にわたっててんかんの症状・発作が起こっていない場合には、医師の指導・管理を受けながら少しずつ減量・中止することが可能な軽症のケースもあります。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

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ガバペンチンの商品名……ガバペン(ファイザー)

平均的な用法・用量……成人の初回投与量は、600mgを1日3回に分けて服用。維持量で2日目以降は、1200mgを3回に分けて服用。最大用量は1日2400mgである。

小児の初回投与量は、3~12歳児は体重に応じて1日10mg/1kgで開始する。2日目以降は、1日20mg/1kgを3回に分けて服用する。維持量で3~4歳児は1日40mg/1kg、5~12歳児は1日25~35mg/1kgを服用する。小児の服薬コンプライアンスを高めるために、5%シロップ剤が用いられることもある。

副作用……安全性の高いとされる薬ですが、人によって、眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、食欲増加(体重増加)、複視(物が二重に見える)、霧視(ぼやけて見える)といった副作用が出ます。アルミニウムやマグネシウム分を含む制酸剤(胃腸薬)と一緒に飲むと、この薬の効き目が落ちるので、2時間以上の間隔を開けて飲みましょう。

重大な副作用(発症頻度は低い)……急性腎不全、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、遅発性の重い過敏症状、横紋筋融解症など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、腎臓疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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