カルバマゼピンの効能・作用・副作用

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カルバマゼピンについての基本情報

カルバマゼピンの効能・作用……効能は『てんかんの精神運動発作・てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害・てんかんのけいれん発作・強直間代発作(大発作)・双極性障害の躁状態・躁病・統合失調症の興奮状態・三叉神経痛(さんさしんけいつう)』です。

カルバマゼピンはNa+受容体に働いてNa+イオンの流入を抑制して、脳内の興奮を抑制することで、てんかん発作を起こりにくくしています。部分発作に対して優れた効果を発揮する抗てんかん薬であり、単純部分発作と複雑部分発作の第一選択薬として使われることが多くなっています。全般性けいれん発作にも処方されることがあります。

カルバマゼピンの血中半減期は約30~40時間と長いが、てんかん治療の維持量に達した後には、自己代謝を促進する酵素誘導によって半減期は短くなっていきます。カルバマゼピンはバルプロ酸ナトリウムと同じく、双極性障害の躁病エピソードに対しても処方されます。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの全般発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

部分発作は『単純部分発作』と『複雑部分発作』の2つに分類されます。

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カルバマゼピンの商品名……テグレトール(ノバルティスファーマ), レキシン(藤永=第一三共)

平均的な用法・用量……てんかん:1日200~600mgを1~2回に分けて服用。最大用量は1日1200mgまで。

躁病・双極性障害の躁状態,統合失調症の興奮状態:1日200~400mgを1~2回に分けて服用。徐々に増量していくが、最大用量は1日1200mgまで。

三叉神経痛:1日200~400mgの分服から始めて、1日600mgまで増量していく。最大用量は1日800mgまで。

小児への処方は医師の指示・指導をきちんと受けて調整することが必要です。

副作用……安全性の高いとされる薬ですが、人によって、眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、食欲増加(体重増加)、複視(物が二重に見える)、霧視(ぼやけて見える)、眼球振盪といった副作用が出ます。アルミニウムやマグネシウム分を含む制酸剤(胃腸薬)と一緒に飲むと、この薬の効き目が落ちるので、2時間以上の間隔を開けて飲みましょう。

重大な副作用(発症頻度は低い)……精神錯乱、悪性症候群、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症、SLE様症状、遅発性の重い過敏症状、再生不良性貧血等の血液障害、中毒性表皮壊死融解症、肝機能障害など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、腎臓疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、重篤な血液障害、心臓疾患(第Ⅱ度以上の房室ブロック・高度の徐脈)、ポルフィリン症、本剤で過敏症を起こしたことがある人。ブイフェンド(ボリコナゾール)、アドシルカ(タダラフィル)、エジュラント(リルピビリン)を服用している人。

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