クロバザムの効能・作用・副作用

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クロバザムについての基本情報

クロバザムの効能・作用……効能は『てんかんの部分発作(単純部分発作・複雑部分発作・二次性の全般化強直間代発作),  全般発作(強直間代発作・強直発作・非定型欠伸発作・ミオクロニー発作・脱力発作)』です。元々は、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬として開発された歴史的経緯があるので、基本的には他の抗てんかん薬で十分な効果が見られない時に併用されることの多い薬です。

クロバザムはGABA受容体に結合して過剰な神経活動の興奮を抑制することで、てんかん発作を起こりにくくする“ベンゾジアゼピン系”の抗てんかん薬です。作用機序にははっきりしない部分もありますが、クロバザムは窒素原子を有する独特な化学構造を持っており、ジアゼパムなど従来のベンゾジアゼピン系の抗不安薬とは構造が異なっています。

クロナゼパムの半減期は『25.5時間(代謝の低下した高齢者では約50時間程度)』です。服用後1~3時間程度で血中濃度がピークになるので、比較的速攻性のある抗てんかん薬になっています。てんかんの全般発作と部分発作のほぼ全てのタイプに有効な薬であり、他の抗てんかん薬とも併用しやすいという特長があります。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの全般発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

部分発作は『単純部分発作』と『複雑部分発作』の2つに分類されます。

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クロバザムの商品名……マイスタン(アルフレッサファーマ, 大日本住友)

平均的な用法・用量……成人は1日10mgの経口服用から開始して、症状に応じて漸増していく。維持量は1日10~30mgを1~3回に分けて服用する。症状によって適宜増減していくが、1日の最大用量は40mgである。

小児は1日0.2mg/1kgの経口服用から開始して、症状に応じて漸増していく。維持量は1日0.2~0.8mg/1kgを1~3回に分けて服用する。症状によって適宜増減していくが、1日の最高用量は1.0mg/1kgである。

副作用……眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、食欲増加(体重増加)、体重減少、複視(物が二重に見える)といった副作用が出ます。子供・高齢者で、呼吸が苦しい感じ、痰の増加が起こることがあります。

てんかんの薬を自己判断で急に中止すると、その副作用(離脱症状)で重いてんかん発作を起こす恐れがあります。抗てんかん薬は用法用量を守って規則正しく飲まなければならず、中止する時には医師の指示・指導を受けながら段階的に用量を減らしていきます。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症、呼吸抑制、皮膚粘膜目症候群、精神錯乱・興奮、肝機能障害など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、呼吸器疾患、腎臓疾患、肝疾患、心臓疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、急性狭隅角緑内障、重症筋無力症、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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