トピラマートの効能・作用・副作用

スポンサーリンク

トピラマートについての基本情報

トピラマートの効能・作用……効能は『他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する他の抗てんかん薬との併用療法』です。

トピラマートは2007年に日本で承認された比較的新しい抗てんかん薬(第二世代の抗てんかん薬)で、フルクトピラノース骨格にスルファマート構造を持つという化学構造的な特徴を持っています。日本では、局在関連てんかんに対して、他の抗てんかん薬で十分な効果が得られなかった時の併用療法薬としてのみ、保険適応の処方が承認されています。国際的には小児てんかん・全般性強直間代発作に対する単剤療法も承認されていますが、日本では現時点(2014年)では承認されていません。

トピラマートは脳神経の興奮を鎮める抗てんかん作用だけではなく、てんかん発作のトリガーになるAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体の機能抑制作用を持っています。化学的なトピラマートの作用機序としては、電位依存性ナトリウムチャネル抑制作用、電位依存性L型カルシウムチャネル抑制作用、AMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体の機能抑制作用、GABA受容体の機能増強作用、炭酸脱水酵素の阻害作用などが想定されています。発汗量の減少など特有の副作用発生には十分な注意が必要ですが、幅広くてんかん症状に応用できるブロードスペクトラムな抗てんかん薬なのです。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの全般発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

部分発作は『単純部分発作』と『複雑部分発作』の2つに分類されます。

スポンサーリンク

トピラマートの商品名……トピナ(協和発酵キリン)

平均的な用法・用量……成人は1回50mgを1日1~2回の経口服用から開始する。以後、1週間以上の間隔を開けて漸増していく。維持量は、1日200~400mgを2回に分けて服用する。症状によって適宜増減するが、1日の最高用量は600mgまでである。

小児は、2歳以上は1日量1mg/1kgの経口服用で開始する。2週間以上の間隔を開けて、1日2mg/1kgに増量していく。以後、2週間以上の間隔を開けて、1日2mg/1kg以下ずつ漸増させる。維持量は、1日量6mg/1kgを2回に分けて服用する。症状によって適宜増減するが、1日の最高用量は9mg/1kg(あるいは600mg)のいずれか少ない用量である。

小児は医師の指示・指導に従った用量用法を守って服用する。

副作用……眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、食用増加(体重増加)、食欲減退(体重減少)、複視(物が二重に見える)、発汗減少などの副作用が出ることがあります。

てんかんの薬を自己判断で急に中止すると、その副作用(離脱症状)で重いてんかん発作を起こす恐れがあります。抗てんかん薬は用法用量を守って規則正しく飲まなければならず、中止する時には医師の指示・指導を受けながら段階的に用量を減らしていきます。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症、呼吸抑制、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス-ジョンソン症候群)、緑内障、代謝性アシドーシス、悪性症候群、遅発性の薬剤過敏症、腎・尿路結石、錯乱・興奮、肝機能障害、腎不全など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、呼吸器疾患、腎臓疾患、肝疾患、心臓疾患、閉塞隅角緑内障、アシドーシス素因、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。夏場の暑い時期は、発汗減少の副作用に注意が必要です。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

楽天AD
スポンサーリンク
Copyright(C) 2016- Es Discovery All Rights Reserved