レベチラセタムの効能・作用・副作用

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レベチラセタムについての基本情報

レベチラセタムの効能・作用……効能は『部分発作(全般発作にも処方できないわけではない)』で、基本的に他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないケースで処方される。レベチラセタムは他の抗てんかん薬との併用療法で用いられる薬である。

レベチラセタムは、ピラセタム(piracetam)誘導体として1999年に米国で承認された抗てんかん薬である。日本では2010年7月に『難治性の部分発作(部分てんかん)に対する併用療法前提の治療薬』として承認された。

レベチラセタムは、古典的な第一世代の抗てんかん薬に抵抗を示す『難治てんかん』に有効であるが、従来の抗てんかん薬とは化学的な作用機序が異なっておりその詳細なメカニズムは不明である。副作用が少なくマイルドな効き目で、他の抗てんかん薬と併用しやすい飲み合わせの良さという特長も持っている。

神経伝達物質放出の調節をしている脳のシナプス小胞タンパク2A(SV2A)に特異的に結合することが分かっているが、ベンゾジアゼピン受容体やグルタミン酸受容体、GABA受容体などとは結合しないというユニークな薬理特性を持っている。イオンチャネルとの親和性も持たない。

レベチラセタムを急性投与しても、電撃けいれんやPTZ誘発けいれんには効果がないのだが、『抗てんかんスペクトラム』自体は幅広く、全般発作にも応用可能性があると見られている。血中濃度の半減期は約7~8時間で短く、投与後3日ほどで安定してくる。

てんかんは脳内の神経細胞(ニューロン)の電気信号が過剰に興奮することによって発症する脳疾患で、代表的な症状としては『意識障害』『けいれん発作』があります。てんかんのけいれん発作には、脳の一部から興奮が始まる『部分発作』と脳の全体が興奮して起こる『全般発作』の2つがあります。

てんかんの全般発作は、『強直間代発作(ごうちょくかんだいほっさ, 大発作)・欠伸発作(けっしんほっさ, 小発作)・部分発作』の3種類に大きく分類することができます。強直間代発作(大発作)は、『けいれん症状』と『意識消失症状』の2つを伴う激しい発作です。欠伸発作(小発作)は『意識消失症状』だけが見られる発作です。部分発作は、部分的あるいは一時的な『けいれん症状』と『意識障害・異常行動』の見られる発作です。

部分発作は『単純部分発作』と『複雑部分発作』の2つに分類されます。

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レベチラセタムの商品名……イーケプラ(ユーシービージャパン・大塚製薬)

平均的な用法・用量……成人の初回投与量は1日1000㎎を2回に分けて服用する。2週間以上の間隔を開けて、用量を症状に応じて漸増させていく。1日の最大用量は3000㎎だが、通常の維持用量は1日2000㎎を2回に分けて服用する。

小児は医師の指示・指導に従った用量用法を守って服用する。小児に対する有効性と安全性は確認されており、ドライシロップも発売されている。

副作用……眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、胃腸障害、肝機能障害、吐き気、下痢・便秘、鼻咽頭炎、複視(物が二重に見える)などの副作用が出ることがあります。

てんかんの薬を自己判断で急に中止すると、その副作用(離脱症状)で重いてんかん発作、不穏・振戦・睡眠障害を起こす恐れがあります。抗てんかん薬は用法用量を守って規則正しく飲まなければならず、中止する時には医師の指示・指導を受けながら段階的に用量を減らしていきます。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス-ジョンソン症候群)、横紋筋融解症、悪性症候群、遅発性の薬剤過敏症、肝機能障害、腎不全、膵炎、血液障害、攻撃性・不穏、過敏症候群など。眠気やふらつき、注意力・集中力の低下といった副作用があるので、車の運転や危険を伴う作業などはしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝疾患(肝機能障害)、腎疾患、呼吸機能低下、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症、重い腎疾患、妊婦(医師の慎重な判断によって処方するケースもあるが、特に妊娠初期に催奇形性・自閉症スペクトラムのリスクが指摘される)、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

セイヨウオトギリソウ(セント・ジョンズ・ワート)を含む健康食品も、フェニトインの効き目を弱める恐れがある。

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