オキシペルチン(ホーリット)の効能・作用・副作用

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オキシペルチン(ホーリット)についての基本情報

オキシペルチンの効能・作用……効能は『統合失調症・強い不安感や緊張感』です。

統合失調症は脳内の神経伝達物質であるドーパミン(D)が過剰になることで幻覚・妄想などの『陽性症状』が発症したり、逆にドーパミンやセロトニンの分泌が減少・不足することで感情鈍麻・無為・ひきこもりなどの『陰性症状』が起こったりする精神病である。オキシペルチンは米国のウィンスロップ社に開発された抗精神病薬であるが、その基本的な作用機序は精神を興奮させるノルアドレナリン(NA)を強力に抑制して枯渇させることである。

オキシペルチンは、セロトニンと類似した『インドールアルキル体』に抗アドレナリン作用を持つ『フェニルピペラジン側鎖』を化学的に合成することによって開発された薬剤である。脳内の神経細胞間隙であるシナプス後膜のD2受容体(ドーパミン受容体)を遮断して、統合失調症の主要原因の一つである脳内のドーパミンの働きを抑制することが知られている。コリン系やGABAに対しては作用せず、抗精神病薬に特徴的な錐体外路症状の副作用も少ない。

ノルアドレナリン以外にも、ドーパミンやセロトニンを抑制して減少させることで精神状態を安定させる効果が期待できる。精神状態を安定させて気分を落ち着ける鎮静作用があるので、統合失調症だけではなく、強い不安感や緊張感、気持ちの混乱に対して処方されることもある。睡眠障害で不眠症になっている人に対しては、寝つきを良くする精神安定作用もある。

オキシペルチンは統合失調症の『陽性症状(幻覚・妄想・興奮など)』にも『陰性症状(自発性減退・意思疎通困難・感情鈍麻・ひきこもりなど)』にも効果がある。オキシペルチンの少量投与では陰性症状に対して精神賦活効果を発揮し、大量投与(240~300mg)では陽性症状に対して精神抑制効果を発揮するとされる。

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オキシペルチンの商品名……ホーリット(第一三共)

平均的な用法・用量……成人は最初は1回20mgを1日2~3回、経口服用する。漸次的に用量を増量していき、1回40~80mgを1日2~3回、経口服用する。症状によっては、1回100mgを1日3回経口服用する。年齢、症状によって適宜増減する。用量の多い40mg錠は、上記の用法・用量で漸次増量した後に使用するようにする。

疾患・年齢・症状に応じて、用量を調整する。

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副作用……そわそわ感やじっとできないというアカシジア、手足のふるえ、口渇、こわばり、不眠・眠気・傾眠、不安感、頭痛、めまい、吐き気、便秘など。錐体外路症状(手足のふるえ・体のこわばりやつっぱり、ひきつけ、無表情、よだれ、目の動きの異常、舌のもつれ、そわそわなど)

重大な副作用(発症頻度は低い)……悪性症候群(Syndrome malin,身体が動かなくなり高熱がでて死亡リスクもある)、遅発性ジスキネジア(まばたき増加・口が不随意運動でもぐもぐ・舌が出やすいなど)、麻痺性イレウス(ひどい便秘・吐き気・腹痛など)、無顆粒球症・白血球減少(風邪のような発熱・咳や痰など)、静脈血栓症・肺塞栓症(手足の痛みやむくれ・息切れや呼吸のしづらさ・視力低下や目の痛みなど)など。眠気や注意力・集中力の低下といった副作用が翌朝以降にも続く恐れがあるので、危険を伴う作業もしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、血液障害、脳の器質障害、心臓疾患、低血圧、てんかん、高齢者(寝たきりや脱水状態にある人)、認知症の人、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。

他の向精神薬と併用すると、薬の効き目が強くなりすぎたり、副作用が強まったりすることがあります。

『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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