ブロムペリドール(インプロメンなど)の効能・作用・副作用

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ブロムペリドール(インプロメンなど)についての基本情報

ブロムペリドールの効能・作用……効能は『統合失調症』です。

ブロムペリドールはブチロフェノン系の定型抗精神病薬で、選択的にドーパミンD2受容体を強く遮断する。フェノチアジン系の抗精神病薬よりも、妄想・幻覚の陽性症状に効果が出やすい特徴がある。ブロムペリドールはハロペリドールと類似の化学構造を持っている。

ドーパミンD2以外にも、ムスカリン受容体やノルアドレナリンα1受容体の遮断作用を持っている。脳内のドーパミンD2受容体を選択的に遮断することで、ドーパミン神経系の過剰興奮を鎮めて『陽性症状(幻覚・妄想)』を抑制する作用機序を想定することができる。

統合失調症は脳内の神経伝達物質であるドーパミン(D)が過剰になることで幻覚・妄想などの『陽性症状』が発症したり、逆にドーパミンやセロトニンの分泌が減少・不足することで感情鈍麻・無為・ひきこもり(自閉)などの『陰性症状』が起こったりする精神病である。

ブロムペリドールには、ハロペリドールとほぼ同程度の抗幻覚・抗妄想作用があるが、錐体外路症状の副作用や過剰な鎮静作用のリスクが少ないというメリットがある。精神科医による投与量の裁量も効きやすく、軽度の統合失調症・認知症に対して処方されるケースでは、1日1mgという微量であっても症状の軽減が認められることもある。

中枢神経の興奮を抑制してくれるので、統合失調症だけではなく、認知症患者の問題行動や夜間譫妄(やかんせんもう)に対して処方されることもある。ブロムペリドールは血中半減期が約20~31時間と長いので、1日1回の服用でも作用が持続しやすく、患者が服薬コンプライアンスを遵守しやすい長所もある。

抗精神病薬(メジャートランキライザー)は一般的に、脳内のドーパミン(D2)受容体を遮断することで、ドーパミン神経系の過剰興奮で発症する『陽性症状』を抑制することができる。セロトニン(5-HT2)受容体を遮断することで、ドーパミン神経系の働きが活性化されて『陰性症状』を改善することができる。

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ブロムペリドールの商品名……インプロメン(田辺三菱・ヤンセンファーマ)、 プリンドリル(沢井製薬・マイラン製薬・メディサ製薬)、 ブロムペリドール(エルメッドエーザイ・サンノーバ)

平均的な用法・用量……成人は1日3~18mgを1~2回で経口服用する。1日の最大量は36mgである。

疾患・年齢・症状に応じて、用量を調整する。

副作用……めまい、立ちくらみ、口渇、こわばり、手の振るえ、眠気、不安感、吐き気、動悸、便秘、尿がでにくい、目のかすみ、体重増加、依存性など。錐体外路症状として『パーキンソン症状・ジストニア・アカシジア』がでることがある。錐体外路症状の具体的な現れとしては、手足のふるえ、体のこわばりやつっぱり、ひきつけ、無表情、よだれ、目の動きの異常、舌のもつれ、そわそわなどがある。高プロラクチン血症(生理不順・乳汁分泌・女性化乳房・性機能障害)。

長期服用・大量服用で『遅発性ジスキネジア』の副作用が起こることがある。遅発性ジスキネジアというのは、口周辺のもごもごする異常運動や舌が出たり振るえたりが続く副作用の症状で、一般に難治性である。指が震えたり腕がこわばるなどのパーキンソン病様症状が出ることもある。

重大な副作用(発症頻度は低い)……悪性症候群(Syndrome malin,身体が動かなくなり高熱がでて死亡リスクもある)、遅発性ジスキネジア(まばたき増加・口が不随意運動でもぐもぐ・舌が出やすいなど)、静脈血栓症・肺塞栓症(手足の痛みやむくれ・息切れや呼吸のしづらさ・視力低下や目の痛みなど)、無顆粒球症・白血球減少(免疫低下による発熱やのどの痛みなど)、重い不整脈、麻痺性イレウス(食欲不振・吐き気・腹部膨満感)、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH,倦怠感・口渇・頭痛・吐き気・けいれん・意識障害など)、重い肝臓の症状、横紋筋融解症(赤褐色の尿・手足のしびれ・けいれん・筋肉痛・歩行困難など)。眠気や注意力・集中力の低下といった副作用が翌朝以降にも続く恐れがあるので、危険を伴う作業や車の運転もしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、心臓疾患、腎臓疾患、肝機能障害、脳の器質障害、てんかん、甲状腺機能亢進症、重い呼吸器系の病気、脱水状態の人、寝たきり、高齢者(寝たきりや脱水状態にある人)、妊婦(胎児への悪影響の考慮)、認知症の人など。

他の向精神薬と併用すると、薬の効き目が強くなりすぎたり、副作用が強まったりすることがあります。アドレナリン(ボスミン)とは併用しないでください。

他の安定剤、パーキンソン病の薬(抗コリン薬・レボドパ製剤など)、吐き気止め(ドンペリドン、メトクロプラミド)、降圧薬、抗コリン作用のある薬(鎮痙薬・三環系抗うつ薬など)、フェノバルビタール(フェノバール)などとの併用にも注意が必要です。その他にも飲み合わせの悪い薬があるので、必ず医師の判断・指示に従って服用してください。

『処方してはいけない禁忌』は、昏睡状態の人、重症の心疾患のある人、パーキンソン病、エピネフリン投与中の人、妊婦、バルビツール酸誘導体などの中枢神経抑制剤の強い影響下にある人。医師が状態・状況から不適と判断した人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。必ず医師の判断・指示に従って服用してください。

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