クロルジアゼポキシド(バランスなど)の効能・作用・副作用

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クロルジアゼポキシドについての基本情報

クロルジアゼポキシドの効能・作用……効能は『うつ病・不安障害・パニック障害・心身症などの精神症状である不安感・緊張感・焦燥感・睡眠障害など』です。『胃潰瘍・十二指腸潰瘍・本態性高血圧』などの精神的ストレスを原因とする心身症の身体症状にも効果が期待できます。クロルジアゼポキシド(商品名バランスなど)は、穏やかな効き目のベンゾジアゼピン系(BZ系)の抗不安薬です。

大脳辺縁系に分布していてリラックス感・眠気に関係する『GABA-BZ受容体』に作用する。大脳の神経活動を抑制する『GABA神経系』の働きが促進されることで、『催眠誘導・抗不安(抗緊張)・抗けいれん・筋弛緩』などの薬理効果が発現することになる。向精神薬との作用以外にも、『抗潰瘍作用・血圧安定化作用』などを持っていて、消化器疾患や高血圧症の患者に処方されることもある。

クロルジアゼポキシドは、1956年にロシェ社のシュテルンバック(Sternbach)によって発見されたベンゾジアゼピン系のマイナートランキライザー(マイルドな効き目の向精神薬)で、日本においても古くから使われている古典的な抗不安薬の一つである。

クロルジアゼポキシドの持続時間は『短時間型~中時間型』で、血中半減期は“約5~30時間”である。マイナートランキライザーの抗不安薬の中では、低力価の薬であり、鎮静・催眠・筋弛緩作用はマイルドで弱めになっている。転倒・眠気に注意が必要だが、小児や高齢者にも比較的処方しやすい薬である。

不安障害に見られる『不安感・緊張感・焦燥感』に対する安定的な有効性を期待することができる。精神安定剤としては効き目は弱めで、副作用が弱いので安心して使える薬だが、日常的な軽度の不安・緊張でも使われることで『乱用・嗜癖・依存症』などの問題が生じる恐れもある。自律神経失調症・術前術後の不安感や緊張感でも有効性が確認されていて、アルコール依存症の離脱症状の不安感・焦燥感にも使われることがある。

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クロルジアゼポキシドの商品名……コンスーン(鶴原製薬),コントール(武田薬品),バランス(丸石)

平均的な用法・用量……不安障害・うつ病・心身症(身体症状を伴う疾患)に対して、15~60mgを1日2~3回に分けて服用する。最大1日75~100mgまで増量できるが、高齢者の場合は1日60mgを上限とするのが望ましい。小児は、10~20mgを1日2~4回に分けて服用する。小児の最大量は1日30mgである。年齢・症状に応じて、用量を調整する。

副作用……副作用はほとんどなく、安全性の高いとされる薬です。人によっては、眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、翌日への眠気の持ち越し、口渇といった副作用が出ます。運転・危険な機械の操作をする前には服用しないようにしましょう。

重大な副作用(発症頻度は低い)……一過性の前向性健忘、依存症(耐性形成で効きにくくなる)、呼吸抑制、刺激興奮。依存症と関連する離脱症状として、『イライラ、不安、不眠、ふるえ、けいれん、混乱』などの症状が出ることがある。眠気や注意力・集中力の低下といった副作用が翌朝以降にも続く恐れがあるので、危険を伴う作業もしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、脳の器質障害、心臓疾患、腎臓疾患、呼吸器疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。コーヒー、緑茶、紅茶に含まれるカフェインは、本剤の効き目を弱める可能性があります。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症の人、急性狭隅角緑内障の人、重症の気管支喘息の人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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