トフィソパム(トフィールなど)の効能・作用・副作用

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トフィソパム(トフィールなど)についての基本情報

トフィソパムの効能・作用……効能は『うつ病・不安障害・パニック障害・心身症などの精神症状である不安感・緊張感・焦燥感・睡眠障害など』です。『胃潰瘍・十二指腸潰瘍・本態性高血圧』などの精神的ストレスを原因とする心身症の身体症状にも効果が期待できます。トフィソパム(商品名トフィールなど)は、低力価のベンゾジアゼピン系(BZ系)の抗不安薬であり、特に自律神経失調症の治療薬(自律神経系の交感神経興奮による緊張・焦燥の緩和)として処方されることが多い。

大脳辺縁系に分布していてリラックス感・眠気に関係する『GABA-BZ受容体』に作用するのがベンゾジアゼピン系の特徴であるが、トフィソパムは脳内の視床下部に対して強く作用するためにその他のベンゾジアゼピン系とは薬理活性が異なっている。大脳の神経活動を抑制する『GABA神経系』の働きが促進されることで、『催眠誘導・抗不安(抗緊張)・抗けいれん・筋弛緩』などの薬理効果が発現することになる。

『自律神経系調整薬』として使われるトフィソパムは、視床下部が刺激を受けた場合の異常反応(血管収縮・瞳孔散大)を緩和し、精神的ストレスによる交感神経と副交感神経の間のバランスの崩れを改善する効果を持つ。一方で、他のベンゾジアゼピン系にある『鎮静馴化・筋弛緩・催眠』などの薬理作用がほとんどないので、使いやすいマイルドな効き目の薬になっている。

トフィソパムの持続時間は『短時間型』で、血中半減期は“約6時間”である。不定愁訴・更年期障害による『頭痛・めまい・肩こり・首の痛み・動悸・眼精疲労・関節痛・早朝覚醒』などの身体症状にも処方される。

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トフィソパムの商品名……エマンダキシン(長生堂),グランダキシン(持田),グランパム(東和),ツルベール(鶴原製薬),トフィール(大原薬品工業),トフィス(メディサ新薬・沢井製薬),トフィルシン(シオノ),トルバナシン(大正薬品),トロンヘイム(日医工),バイダキシン(ナガセ=ファイザー)

平均的な用法・用量……成人の不安・緊張・抑うつに対して、1回50mgを1日3回服用する。

年齢・症状に応じて、用量を調整する。

副作用……副作用は比較的少なく、安全性の高いとされる薬です。人によっては、眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、翌日への眠気の持ち越し、口渇といった副作用が出ます。運転・危険な機械の操作をする前には服用しないようにしましょう。

重大な副作用(発症頻度は低い)……一過性の前向性健忘、依存症(耐性形成で効きにくくなる)、呼吸抑制、刺激興奮。依存症と関連する離脱症状として、『イライラ、不安、不眠、ふるえ、けいれん、混乱』などの症状が出ることがある。眠気や注意力・集中力の低下といった副作用が翌朝以降にも続く恐れがあるので、危険を伴う作業もしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、脳の器質障害、心臓疾患、腎臓疾患、呼吸器疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。他のベンゾジアゼピン系とは違って、『重症筋無力症の人・急性狭隅角緑内障の人』に対しても慎重に投与することができる。

中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。コーヒー、緑茶、紅茶に含まれるカフェインは、本剤の効き目を弱める可能性があります。他の向精神薬と併用すると、薬の効き目が強くなりすぎたり、副作用が強まったりすることがあります。

『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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