フルタゾラム(コレミナール)の効能・作用・副作用

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フルタゾラム(コレミナール)についての基本情報

フルタゾラムの効能・作用……効能は『心身症における身体症状と精神症状である不安感・緊張感・抑うつ感・焦燥感・睡眠障害など』です。『過敏性腸症候群(IBS)・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・自律神経失調症』などの精神的ストレスを原因とする心身症の身体症状に効果が期待できます。

フルタゾラムはベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、心身医学の『心身症』の治療を目的として開発された経緯があり、特にストレス性の消化器系症状を示す心身症に効果が期待できる。

ベンゾジアゼピン系の薬剤は、大脳辺縁系に分布していてリラックス感・眠気に関係する『GABA-BZ受容体』に作用する。大脳の神経活動を抑制する『GABA神経系』の働きが促進されることで、『催眠誘導・抗不安(抗緊張)・抗けいれん・筋弛緩』などの薬理効果が発現することになる。不安の発生・消去に関する動物実験モデルから、特に『脳内の縫線核・海馬・扁桃体・視床下部』に対してベンゾジアゼピン系の薬剤が作用すると推測されている。

フルタゾラムは消化器系の心身症である『過敏性腸症候群(IBS)・慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍』の精神症状(不安感・緊張感・抑うつ感)と身体症状(腹痛・腹部膨満感・便通異常・食欲不振・嘔吐・悪心など)に効き目が出やすい抗不安薬である。

心身症の症状形成メカニズムの仮説モデルには、主に『神経解剖学的モデル』『生理学的モデル』の二つがある。

神経解剖学的モデルでは、高次脳機能(思考・計画・創造・判断・理性)を担当する『大脳皮質』と本能的欲求・喜怒哀楽の情動機能を担当する『大脳辺縁系』との間のバランスの崩れによって心身症が発症すると仮定されている。生理学的モデルでは、急性の精神的ストレスがかかることで大脳辺縁系の機能が異常を起、脆弱な器官(内臓)に負荷がかかって心身症が発症すると考えられている。

フルタゾラムの持続時間は『短時間型』で、血中半減期は“約6時間以内”であり、低力価で作用も弱いタイプの抗不安薬である。フルタゾラムは他のベンゾジアゼピン系の薬と比較して、筋弛緩作用が弱くて消化器症状の鎮静作用に優れていて依存性も弱い、そのため、安全に使いやすい薬である。

ベンゾジアゼピン系のマイナートランキライザーは米国では薬物依存症が問題になっており、心身症治療での服用に当たっては医師の指示指導を受けながら、『精神療法・環境調整・生活指導』と併用していくことが望ましい。

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フルタゾラムの商品名……コレミナール(田辺三菱,沢井)

平均的な用法・用量……成人は12~24mgを1日3回服用する。

年齢・症状に応じて、用量を調整する。

副作用……副作用は比較的少なく、安全性の高いとされる薬です。人によっては、眠気やめまい、ふらつき、注意力の低下、倦怠感、脱力感、翌日への眠気の持ち越し、口渇といった副作用が出ます。運転・危険な機械の操作をする前には服用しないようにしましょう。

重大な副作用(発症頻度は低い)……一過性の前向性健忘、依存症(耐性形成で効きにくくなる)、呼吸抑制、刺激興奮。依存症と関連する離脱症状として、『イライラ、不安、不眠、ふるえ、けいれん、混乱』などの症状が出ることがある。眠気や注意力・集中力の低下といった副作用が翌朝以降にも続く恐れがあるので、危険を伴う作業もしないようにして下さい。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、脳の器質障害、心臓疾患、腎臓疾患、呼吸器疾患、高齢者、妊婦(胎児への悪影響の考慮)など。

中枢神経抑制の相乗効果によって副作用が強まる恐れがあるので、アルコールとの併用は避けて下さい。コーヒー、緑茶、紅茶に含まれるカフェインは、本剤の効き目を弱める可能性があります。他の向精神薬と併用すると、薬の効き目が強くなりすぎたり、副作用が強まったりすることがあります。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症の人、急性狭隅角緑内障の人、重症の気管支喘息の人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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