エゼチミブの効能・作用……効能は『高コレステロール血症・家族性高コレステロール血症・ホモ接合性シトステロール血症』です。エゼチミブは2007年に認可された新しいタイプの高脂血症治療薬で、従来のHMG-CoA還元酵素阻害薬（スタチン系薬剤）やフィブラート系薬剤とは異なる作用機序を持っています。高コレステロール血症の治療薬の主な作用機序は、生体内でのコレステロールの生合成を阻害するか、食事によるコレステロールの体内での吸収を阻害することですが、今までの主流であったスタチン系薬剤は『肝臓でのコレステロールの生合成の阻害』が作用機序になっていました。
これに対してエゼチミブは、『小腸での食事由来あるいは胆汁性のコレステロール吸収の阻害』といった作用機序によって、高コレステロール血症を改善する効果があります。『小腸コレステロールトランスポーター（NPC1L1）』というアミノ酸を阻害することによって、小腸におけるコレステロールの吸収を阻害するので、スタチン系の高脂血症治療薬と比べると『食事療法・運動療法が困難な患者』にも効果を発揮しやすいという利点があります。通常、他の高コレステロール血症治療薬と組み合わせて用いられますが、『飲み合わせ（薬剤交互作用）の悪影響』もあるので医師・薬剤師の指示に従って服用することが大切です。
エゼチミブの商品名……ゼチーア（シェリング・プラウ，バイエル薬品）
平均的な用法・用量……高血圧症では1回10mgを1日1回、食後に服用。
副作用……便秘・下痢などの消化器症状が出ることがある。
重大な副作用（発症頻度は低い）……特に無し。
注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害・腎障害がある人など。
胆汁酸の排出には阻害作用を持っていないので、脂溶性ビタミンや併用薬の吸収を阻害せず、他の薬との飲み合わせが良いというメリットがあります。
『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人。
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