塩酸アプリンジンの効能・作用・副作用

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塩酸アプリンジンについての基本情報

塩酸アプリンジンの効能・作用……効能は『頻脈性不整脈』です。副作用が比較的少ない薬ですが、一般的な不整脈の処方薬の『第一選択』になることは少なく、他の不整脈の薬が効きにくい頻脈性不整脈に対して用いられます。頻脈性不整脈の中でも、『心室性・心房性の不整脈』に有効な薬であり、旧Vaughan Williams分類では“1b群”に分類されています。

『不整脈』というのは、脈拍(心拍数)をコントロールする刺激伝導系に何らかの異常が起こって心臓の鼓動のリズムが乱れる疾患です。脈拍が多くなり過ぎたり少なくなり過ぎたり、不規則になったりしますが、『生命の危険・不快なめまいや動悸』などのリスクがなければ、特別な治療をしなくても良いケースもあります。心拍のリズムに時折異常な収縮が見られる『期外収縮』は、3人に1人の割合(約30%)で発症しますが、その大半は医学的な治療をしなくても問題はないと考えられています。

塩酸アプリンジンは脈拍が多くなり過ぎる『頻脈性不整脈』の改善薬であり、心筋の速くて異常な収縮を抑制する効果があります。脈拍が少なくなり過ぎる『徐脈性不整脈』に使用すると脈が弱くなり過ぎて危険なことがあります。不整脈も生命の危険があるほどの重症度になってくると、心臓の血管にカテーテルを通して異常部分を治療する『カテーテルアブレーション』の外科手術を行ったり、異常な心臓の拍動リズムを調整するために『ペースメーカー』の埋め込みが行われたりします。

塩酸アプリンジンの商品名……アスペノン(バイエル薬品)、アプリトーン(ニプロファーマ)

平均的な用法・用量……40~60mgを2~3回に分けて服用。

副作用……貧血、徐脈、前胸部痛、めまい、ふらつき、倦怠感、吐き気、しびれ、腹痛、振戦、過敏症、口渇、肝機能異常、腎機能異常、発熱など。めまいや立ちくらみなどの副作用が出やすいので、車の運転・危険な機械の操作などはしないようにして下さい。『ジルチアゼム(ヘルベッサー)・ベラパミル(ワソラン)』と一緒に飲むと、血中濃度が上がって副作用が強くなってしまうことがあります。

重大な副作用(発症頻度は低い)……新たな不整脈の誘発、間質性肺炎、無顆粒球症。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、心筋梗塞、心筋症、弁膜症、著しい徐脈、軽い刺激伝導障害、重い肝機能障害・腎機能障害、うっ血性心不全、パーキンソン症候群がある人。

『処方してはいけない禁忌』は、重度の刺激伝導障害、重度のうっ血性心不全、妊婦。

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