エストリオールの効能・作用・副作用

エストリオールについての基本情報

エストリオールの効能・作用……効能は『更年期障害による自律神経症状』『膣炎・子宮頚管炎・子宮膣部びらん』『老人性骨粗鬆症』です。エストリオールは、エストラジオールと同じく女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の一種で、閉経期前後の体調不良や女性ホルモン不足による膣・子宮の炎症に対する『ホルモン補充療法(HRT)』に用いられます。

女性は閉経期が近づく中高年世代になってくると、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が不足しがちとなり、その女性ホルモン減少によって『更年期障害』と呼ばれる各種の症状が発現してきます。女性ホルモン減少による更年期障害の典型的な症状としては、『ほてり(ホットフラッシュ)・発汗・のぼせ・手足の冷え症・心悸亢進(動悸)・めまい・頭痛・耳鳴り・肩こり・腰痛・睡眠障害・イライラ・情緒不安定』などがあります。エストリオールはエストラジオールと比較すると、子宮内膜への影響が少なく膣の炎症に選択的に作用しやすい特徴があります。その薬理作用は穏やかであり、『ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)』には余り効果が出にくいとされていますが、老人性骨粗鬆症の緩和のために用いられることもあります。

エストリオールの商品名……エストリオール(ポーラファルマ・富士製薬),エストリール(持田),ホーリン(あすか製薬),ホーリンV(あすか製薬),メリストラーク(東和薬品)

平均的な用法・用量……錠剤は0.1~1.0mgを1、2回。膣剤は1日1回挿入。

副作用……食欲不振,不正出血,帯下増加、乳房痛,乳房緊満感,吐き気,めまい,倦怠感,脱力感,熱感,体重増加,過敏症(かゆみ・発疹)など。

重大な副作用(発症頻度は低い)……血栓症。

エストリオールの注意・禁忌……『注意を要する人』は、子宮筋腫・子宮内膜症の人あるいはその既往がある人,心疾患またはその既往がある人,腎疾患またはその既往がある人,乳房結節,乳腺症,糖尿病,高血圧,てんかん,肝機能障害がある人。

『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人,妊婦・授乳婦,エストロゲン依存性の悪性腫瘍(がん)あるいはその疑いがある人,血栓性静脈炎の人,肺塞栓症またはその既往がある人,ポルフィリン症がある人。

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