イミキモドの効能・作用……効能は『尖圭コンジローマ(せんけいコンジローマ)』です。尖圭コンジローマというのは、ヒトパピローマウイルス(HPV:乳頭腫ウイルス)の感染によって発症する性感染症(STD)です。典型的な症状としては、陰茎・亀頭・陰嚢・肛門などの皮膚粘膜にぶつぶつと『イボ』がでてくるのですが、このイボイボは良性の腫瘍であり悪性化することはありません。男性の尖圭コンジローマの話がされることが多いのですが、女性にも感染する性感染症(STD)であり、女性の場合には小陰唇・大陰唇・膣内部などにイボが出来てきます。男女を問わず口唇にイボが出る症状もあります。
ヒトパピローマウイルスに感染してもすぐにイボができるわけではなく、通常、『3週間~8ヶ月(平均3ヵ月前後)』の潜伏期間があり、かゆみや痛みなどの自覚症状はほとんどありません。イボの形状や色はさまざまですが、イボの尖端がカリフラワー状にぎざぎざとしていたり、鶏のトサカのように割れていたりすることが多いようです。性器周辺に突起状の異物ができたときにはまず尖圭コンジローマが疑われますが、尖圭コンジローマと間違われやすいものとして『フォアダイス・真珠様陰茎小丘疹』がある。フォアダイスは脂肪腺の発達であり、真珠様陰茎小丘疹も生理学的な変化なので、これらは尖圭コンジローマのような病気ではない。
尖圭コンジローマの治療は、以前はレーザーメスや液体窒素を用いた『外科的治療』が主流でしたが、2007年12月に持田製薬が尖圭コンジローマ治療薬のベセルナクリームを販売して、最近ではこのベセルナクリームによる外用治療が行われています。ベセルナクリームは、サイトカインの産生を促進することでウイルスの増殖を抑制しますが、それと同時に、患者自身の免疫応答反応を強化してウイルスを死滅させる効果も持っているとされます。
イミキモドの商品名……ベセルナ(持田製薬)
平均的な用法・用量……適量を1日1回、週に3回、患部のイボに塗布する。毎日塗るのではなく、週に3回程度を目安にする。就寝前にイボに塗布して、起きてから石鹸を用いて綺麗に洗い流さなくてはならない。薬の効き目が強いので、クリームを塗ってから6~10時間程度で綺麗に洗い流す必要があり、そのままにしておくと皮膚の炎症やただれといった副作用が出ることがある。クリームは大量に塗るのではなく、患部に薄く伸ばしていく感じで塗っていく。
副作用……紅斑、痛み、かゆみ、刺激感、発熱など。
重大な副作用(発症頻度は低い)……重い皮膚症状の発生、糜爛(びらん)、浮腫、皮膚の剥離、排尿困難など。
注意・禁忌……『注意を要する人』は、妊婦、小児、授乳している母親。
『処方してはいけない禁忌』は、本剤で過敏症を起こしたことがある人。
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