塩酸エタンブトールの効能・作用・副作用

塩酸エタンブトールについての基本情報

塩酸エタンブトールの効能・作用……効能は『肺結核・結核菌の感染症』です。

塩酸エタンブトール(略号EB)は肺結核の化学療法に用いられる殺菌剤ですが、『MAC症』などの非結核性抗酸菌症にも処方されることがあります。『抗酸菌』は一般的な抗生物質がなかなか効かない細菌の種であり、結核菌も抗酸菌の一種です。マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)などが感染症を引き起こす代表的な抗酸菌として知られています。

昭和初期には『国民病』と呼ばれるほどの猛威を振るっていた結核ですが、結核菌に効果のある抗生物質が開発されてからは結核が発症したり悪化したりする患者は減りました。しかし、20世紀末から21世紀初頭にかけての日本でも、『結核菌のキャリア(保菌者)』が見つかることは少なくなく、現代の日本においても結核は『克服された感染症ではないこと(結核菌は絶滅していないこと)』に注意が必要です。

塩酸エタンブトールは結核治療の『第一選択薬』として使われることも多いですが、特に発症初期の肺結核に対して高い効果を発揮します。通常は、単独で用いられることは少なく、他の結核治療薬の抗生物質と一緒に併用されます。

塩酸エタンブトールの商品名……エサンブトール(サンド),エブトール(科研)

平均的な用法・用量……0.75~1.0gを1~2回に分けて服用。

副作用……視覚障害(モノが見えにくい・黒ずんで見えたり色がおかしく見える・視野が狭まる)に特に注意が必要な薬剤です。過敏症,不安,睡眠障害,下肢のしびれ感,吐き気,嘔吐,食欲不振,精神症状(幻覚),胃痛,頭痛,めまい,倦怠感など。

重大な副作用(発症頻度は低い)……アナフィラキシーショック,肝機能障害,好酸球性肺炎。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、腎機能障害がある人,妊婦。

『処方してはいけない禁忌』は、視神経炎,糖尿病,アルコール依存症の人。

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