アスピリンの効能・作用・副作用

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アスピリンについての基本情報

アスピリンの効能・作用……効能は『リウマチ,関節炎,発熱・頭痛,痛風の痛み,神経痛,腰痛症,筋肉痛,捻挫痛、月経痛などの痛みの鎮静』です。バイアスピリンの効能は『血栓の予防・塞栓形成による心疾患や脳梗塞の予防』で、ドラッグ大国のアメリカでは脳血管性障害(脳梗塞)や心筋梗塞(心疾患)の予防のためにバイアスピリンを常用的に服用している国民が相当数います。アスピリンは一般名を“アセチルサリチル酸 (Acetylsalicylic acid)” といいますが、日本の薬局方ではアスピリンが正式名称となっています。アスピリンは非ステロイド系の代表的な消炎鎮痛剤であり、脳の中枢神経系(体温調節中枢)に作用することで発熱を下げて痛み・腫れを緩和します。血液中の血小板の凝集作用を抑制する効果があるので、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞の予防のためにアスピリン・バイアスピリンが使用されることもあります。

古代ギリシアの医聖ヒポクラテスの時代には、既にヤナギの木の成分が『解熱・鎮痛作用』を持つことが分かっており、科学的な医学が発達を始めた19世紀にヤナギからサリチル酸の薬効成分が抽出されました。アスピリンが製薬会社に開発されるまでは、サリチル酸が解熱鎮痛剤として使用されましたが、サリチル酸には強い胃腸障害の副作用があり簡単に処方することができない薬でした。1897年にドイツの化学会社バイエル社の研究員フェリックス・ホフマンが、サリチル酸をアセチル化して消化器の副作用が少ないアセチルサリチル酸の合成に成功し、この時から現在に至るまでアスピリンは世界で最もポピュラーな解熱鎮痛剤となっています。アスピリンは世界で初めて人工合成された医薬品としても知られますが、アメリカではアスピリンの過剰消費(病気でもない人のアスピリン常用・サプリメント化)による消化器疾患の発生などが問題となっています。

アスピリンの商品名……アスピリンの粉薬(エビス・日本新薬・田辺三菱・東海・マイラン製薬・吉田・山善・ニプロファーマ・健栄など),アスピリンの錠剤(小林化工),アスピリン腸溶(マイラン製薬),サリチゾン(昭和薬化工),バイアスピリン(バイエル薬品),ゼンスピリン(全星薬品・沢井・日医工),配合剤のE・A・C(大正富山)

アスピリンの平均的な用法・用量……1回0.5mg~1.5mgを1~3回服用。バイアスピリンは1錠100mgを1回。配合剤は1回2~3錠を3~4回服用。

アスピリンの副作用……過敏症(発疹・むくみ),胃痛,吐き気,嘔吐,胃炎,消化管出血,めまい,頭痛,興奮,倦怠感,食欲不振など。

アスピリンの重大な副作用(発症頻度は低い)……ショック,喘息発作,紅皮症(皮膚の激しい炎症),中毒性表皮壊死症,皮膚粘膜眼症候群,再生不良性貧血など。

アスピリンの注意・禁忌……注意を要する人は、消化性潰瘍の既往がある人,血液疾患がある人,肝機能障害・腎機能障害・心機能障害があったり既往がある人,手術が終わったばかりの人,アルコールを常用している人,妊婦など。処方してはいけない禁忌は、アスピリンやサリチル酸系薬剤で過敏症の既往がある人,アスピリン喘息,水疱瘡の子ども,12週間以内に出産予定の妊婦,消化性潰瘍,消化管からの出血,血液異常がある人。

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