加味帰脾湯(かみきひとう)の効能・適応の特徴

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加味帰脾湯(かみきひとう)についての基本情報

加味帰脾湯(かみきひとう)の効能・作用……効能は『貧血・睡眠障害・精神不安・神経症・イライラ・自律神経失調症』です。主に虚弱な体質で血色の悪い人に処方されます。

適応する証(体質)は、『陰証(活動性が低い)・虚証(虚弱)・血虚(血流不足・貧血状態)・気虚(心身疲労)』になります。

虚弱体質の人に向いた向精神作用のある漢方薬で、ストレス・過労による心身疲労で不調になった時に効果があります。不安感・緊張感・イライラ・抑うつ感などの精神症状を落ち着かせる『精神安定作用』があります。食欲不振・胃腸障害が目立つ不安性障害・軽症うつ病にも処方されることがあり、『消化改善作用』も期待できます。

漢方医学では身体と精神が疲れきって気力・体力が衰えた状態のことを『心脾両虚(しんぴりょうきょ)』といい、加味帰脾湯はこの心脾両虚に適合しやすいお薬です。加味帰脾湯は、虚弱な体質を改善して貧血・心身疲労を改善させるので、体力をつけて胃腸の状態を改善させながら各種の精神症状を和らげていきます。

加味帰脾湯に含まれる『人参・蒼朮・茯苓・甘草』は『四君子湯(しくんしとう)』という漢方薬を構成する生薬であり、心の元気を回復させながら胃腸を丈夫にする『補気剤(ほきざい)』としての側面を持っています。『酸棗仁・竜眼肉・遠志・当帰』の生薬は、肝や腎の機能を高める『補血剤(ほけつざい)』として作用します。

加味帰脾湯は、胃腸の消化機能を改善して食欲を出させる『滋養強壮作用』、不安・緊張・イライラを和らげて落ち着かせる『精神安定作用』を持っています。

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加味帰脾湯の生薬の組成

漢方薬は自然の草・木・動物から抽出された『生薬』の組み合わせで作られています。

人参(ニンジン)……強壮・抗ストレス・賦活・補気

蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)……健胃・利尿・発汗

茯苓(ブクリョウ)……利尿・鎮静・健胃・抗めまい

甘草(カンゾウ)……鎮痛・抗痙攣・鎮咳

生姜(ショウキョウ)……発汗・健胃・制吐・鎮咳

大棗(タイソウ)……健胃・強壮・利尿・鎮静

酸棗仁(サンソウニン)……鎮静・催眠・鎮痛

竜眼(リュウガン)……強壮・鎮静・補血

遠志(オンジ)……鎮静・強壮・去痰

当帰(トウキ)……補血・駆血・月経調整・潤腸

黄耆(オウギ)……強壮・利尿

木香(モッコウ)……健胃・整腸・鎮痛・理気

柴胡(サイコ)……解熱・消炎・鎮痛・鎮静・抗ストレス

梔子(シシ) ……解熱・消炎・胆汁排出促進・止血

平均的な用法・用量……成人は1日7.5gを2~3回に分けて、空腹時(食前・食間)に服用する。

疾患・年齢・症状に応じて、用量を調整する。

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副作用……食欲不振、胃部不快感、悪心、腹痛、下痢など。

漢方薬は一般に副作用は少なくなっていますが、その人の証(体質・状態)に合っていなければ『誤治(その人に適応していない漢方薬の処方)・アレルギー反応』などの副作用が出ることがあります。

重大な副作用(発症頻度は低い)……低カリウム血症によるミオパシー(脱力感・四肢痙攣・麻痺など)、偽アルドステロン症(尿量減少・高血圧・むくみ・低カリウム血症など)

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