エベロリムスの効能・作用・副作用

スポンサーリンク

エベロリムスについての基本情報

エベロリムスの効能・作用……効能は『心臓移植医療における拒絶反応の抑制』です。生体の『免疫能』とは、自己と異物(他者)を区別して異物を免疫細胞によって駆除する防衛システムですが、臓器移植医療においては移植された新たな臓器(他人の臓器)を『異物』と認識してしまって拒絶反応が起こる原因になってしまいます。本来は病気の原因になる細菌やウイルスなどの異物から体を守るためのシステムが免疫なのですが、定着しなければならない移植された臓器を拒絶反応で傷つけてしまうリスクが出てきてしまいます。この過剰な免疫応答反応を抑制する薬剤のことを『免疫抑制剤』といいますが、エベロリムスは従来のシクロスポリン(カルシニューリン阻害薬)とは作用機序の異なる新しいタイプの免疫抑制剤です。

エベロリムスには、免疫能を担当しているTリンパ球、Bリンパ球、血液内皮細胞の増殖を抑えて、過剰な免疫の働きを抑制する効果があります。臓器移植の際に経験・知識のある医師が適切に処方すれば、移植した臓器の拒絶反応を防いで生着を促進することができます。エベロリムスには、シクロスポリン(ネオーラル)や副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬)と一緒に併用することができる利点があります。

エベロリムスの商品名……サーティカン(ノバルティス)

平均的な用法・用量……1回0.75mgを1日2回。治療開始時は1日量として、1回1.5mgを2回(計3.0mg)を処方することができる。

副作用……免疫抑制剤には『吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・貧血・発熱』など様々な副作用が起こり得るので、症状と副作用の経過を担当する専門医が正確にモニターして対応を検討する必要がある。白血球減少症、血小板減少症、高脂血症、高血圧など。グレープフルーツジュースを飲むことで、薬の血中濃度が上昇して副作用が出やすくなることがあります。

重大な副作用(発症頻度は低い)……腎障害、悪性腫瘍(特に皮膚がん)、感染症(日和見感染のリスク増大)など。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、腎機能障害のある人、高齢者、感染症を合併している人。

『処方してはいけない禁忌』は、本剤及びシクロスポリンで過敏症を起こしたことがある人、妊婦・妊娠している可能性がある人。

スポンサーリンク
Copyright(C) 2011- Es Discovery All Rights Reserved