塩化レボカルニチンの効能・作用・副作用

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塩化レボカルニチンについての基本情報

塩化レボカルニチンの効能・作用……効能は『プロピオン酸血症やメチルマロン酸血症によるレボカルニチン欠乏の改善』です。プロピオン酸血症は有機酸代謝異常(先天性代謝異常症)であり、蛋白質・アミノ酸を消化・吸収するための酵素が欠損しているために、有害な有機酸(プロピオン酸)が体内に蓄積して、ケトーシスやアシドーシスの血液異常の症状が起こってしまいます。

プロピオン酸血症の症状の現れ方は様々ですが、乳幼児では免疫能が低下して感染症に罹りやすくなったり、発育・発達の遅れの問題が出てきたりします。アシドーシス発作の急性期には、頻繁な嘔吐や下痢、脱水症状、呼吸困難、意識障害が起こり、けいれん発作が起こった時には死亡リスクもあります。慢性的な症状としては、嘔吐や食欲不振、発育障害、発達遅滞、肝腫大、免疫低下、骨粗鬆症などがあり、骨髄抑制によって血球減少症や錐体外路症状が起こったりすることもあります。

プロピオン酸血症やメチルマロン酸血症では、慢性的な『カルニチン欠乏(低血糖症・脂肪肝・心筋症・精神不安定などの症状)』が起こります。カルニチンの中でも生理活性の高い『レボカルニチン(L-カルニチン)』は、カルニチンを補充して体内の慢性的なカルニチン欠乏を改善するだけでなく、有害な『プロピオニル基』『プロピオニルカルニチン』に代謝して尿中に排泄してくれます。レボカルニチンはまた、脂肪酸の代謝によって、長鎖脂肪酸がミトコンドリア内部に取り込まれる時に、ミトコンドリアの遺伝情報を有害な脂肪酸から防御する役割を果たしています。

塩化レボカルニチンの商品名……エルカルチン(大塚製薬)

平均的な用法・用量……体重1kgあたり30~60mgを、1日3回に分けて服用。

副作用……食欲不振、下痢(軟便)、腹部膨満感、貧血、血尿、顔面浮腫など。

重大な副作用(発症頻度は低い)……体内にある成分なので、重大な副作用は特になし。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、妊婦、授乳婦など。体重によって薬の服用量が変わるので、医師に指示された用法・用量を守りましょう。長期間の服用をする場合には、定期的な血液検査や肝機能と腎機能の検査、尿検査を受ける必要があります。

『処方してはいけない禁忌』は、卵(卵白)アレルギーのある人、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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