塩化ベタネコールの効能・作用・副作用

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塩化ベタネコールについての基本情報

塩化ベタネコールの効能・作用……効能は『慢性胃炎・・麻痺性イレウス・迷走神経切断後の処置・神経性膀胱の低緊張症状による排尿困難』です。炎症を起こしている消化管の機能を改善するお薬で、膀胱異常による排尿困難の状態に対しても処方されます。

しかし、あくまで胃の内壁が荒れている『胃炎』に対する処方であって、胃酸過多によって糜爛(ただれ)が起こっているような『消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)』は禁忌となっています。塩化トロスピウムなどの『抗コリン作用』を持つ薬剤は副交感神経の働きを抑制しますが、この塩化ベタネコールは逆に副交感神経の働きを促進して、胃腸の動きをより活発にすることで症状を改善します。

慢性胃炎の患者に対して処方されることが多いのですが、副交感神経を刺激して活発に動かすことで、手術後・分娩後の腸管麻痺や麻痺性イレウスの状態を改善したりもします。尿管の平滑筋を収縮させることで膀胱の緊張を強めて、その結果として排尿が促進されます。その薬理作用を応用して、『神経性膀胱・前立腺肥大・手術後・分娩後』に排尿困難になっている時に処方されます。

自律神経系の交感神経と副交感神経のバランスを崩すこともあるので、服用する時には『発汗・動悸・息苦しさ・吐き気・下痢・ほてり』などの体調の異常や悪化に十分に注意してください。

塩化ベタネコールの商品名……ベサコリン(エーザイ)

平均的な用法・用量……1回30~50mgを3~4回に分けて服用する。アクチナミン・ウブレチドなどの副交感神経の働きを促進する作用のある薬と併用すると、副交感神経が過剰に活動することによる副作用が出やすくなってしまう。

副作用……動悸,発汗,胸焼け(胃もたれ),吐き気,嘔吐,下痢,便秘,唾液過多,頭痛など。

重大な副作用(発症頻度は低い)……急性中毒のコリン作動性クリーゼ。呼吸困難・腹痛・下痢・発汗・唾液過多・心拍数の異常などの症状が起こることがある。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、禁忌に準じる。

『処方してはいけない禁忌』は、気管支喘息、消化性潰瘍、甲状腺機能亢進症、てんかん、激しい徐脈、パーキンソン病、冠動脈・消化管・膀胱頸部に閉塞のある人、妊婦など。

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