ブロチゾラムの効能・作用・副作用

ブロチゾラムについての基本情報

ブロチゾラムの効能・作用……効能は『睡眠障害(不眠症・入眠困難・熟眠障害・中途覚醒)・麻酔前の処置』です。中枢神経系(脳)の大脳辺縁系や視床下部、小脳に作用して、脳の過剰な興奮・覚醒を抑制し、穏やかな効き目で自然に近い睡眠へ誘導してくれます。

ブロチゾラムは『チエノジアゼピン系(チエノトリアゾロジアゼピン系)』に分類される比較的安全な睡眠薬ですが、薬理機序はベンゾジアゼピン系(BDZ系)と全く同じものになっています。ブロチゾラムは大脳辺縁系や大脳皮質、小脳などにあるGABA受容体と結合して、『催眠・鎮静・抗けいれん(筋弛緩)・抗不安』などの効果を発現しますが、翌日の眠気・ふらつき・不快感といった副作用が残りにくいので飲みやすい睡眠薬とされています。

服薬してから約15~30分くらいで、催眠作用が現れてくるので、寝つきが悪い一時的な睡眠障害の患者によく処方されるお薬です。ブロチゾラムは短時間型の睡眠薬なので、中途覚醒・早朝覚醒の睡眠障害の症状がでている患者に使うには『作用時間が短すぎる』という欠点があります。また、短時間で薬の効果が消失するため、稀にですが昼間に離脱症状としての『不安症状・落ち着かない感じ(そわそわ感)』が出現することがあります。

ブロチゾラムは作用時間が短い『短時間型の睡眠薬(血中半減期は約7時間)』に分類されています。鎮静・催眠だけではなく筋弛緩・抗不安・精神運動抑制(思考力・集中力の低下)といった副作用も伴うことがあります。レンドルミンをはじめとするブロチゾラムは日本で最も良く使われている睡眠薬の一種ですが、短時間で薬の効果が切れることの副作用(リバウンド)として『反跳性不眠』が発症することもあります。そのため、ブロチゾラムをはじめとする睡眠薬を減薬・中断したい時には、医師・薬剤師に相談してから段階的な無理のない減量からの中断を行うようにしなければなりません。

ブロチゾラムの商品名……アムネゾン(日新‐山形,マイラン製薬)、グッドミン(田辺三菱,吉富薬品)、シンベラミン(大洋薬品)、シンベラミンD(日本ジェネリック,大洋薬品)、ゼストロミン(東和薬品)、ソレントミン(大正薬品,マイラン製薬)、ネストローム(辰巳化学)、ノクスタール(アルフレッサファーマ)、ブロゾーム(ニプロファーマ)、ブロチゾラムM(サンノーバ)、ブロチゾラン(日医工)、ブロメトン(マイラン製薬)、ユリモラン(長生堂)、レドルパー(大原薬品,旭化成ファーマ)、レンデム(メディア新薬‐沢井),レンドルミン(日本ベーリンガー,陽進堂)、レンドルミンD(日本ベーリンガー)、ロンフルマン(共和薬品)

平均的な用法・用量……1回0.25mgを就寝前に1回服用するが、『年齢・症状・病態』によって分量は調整する。

副作用……眠気(昼間の眠気)、残眠感、めまい、ふらつき、倦怠感、口渇、頭痛・頭重、不安など。眠気やふらつき、めまいなどの副作用があるので、『車の運転・機械の操作』といった危険な作業はしないようにしてください。

薬の影響である眠気やふらつき、思考力低下(集中困難・反射神経の低下)が、翌朝以降にまで持ち越されることがあるので注意してください。アルコールとの併用は禁忌です。

重大な副作用(発症頻度は低い)……依存症、離脱症状(急に断薬すると不眠・不安・イライラ・パニック・振戦・幻覚などの症状がでる危険性がある)、呼吸抑制(炭酸ガスナルコーシス)、肝機能障害など。

注意・禁忌……『注意を要する人』は、肝機能障害、腎機能障害、心臓疾患、脳の器質障害、体力低下のある人、薬物過敏症の既往がある人、妊婦など。他の向精神薬を服用している人は相互作用に注意する必要がある。

『処方してはいけない禁忌』は、重症筋無力症や急性閉塞隅角緑内障、喘息・肺気腫で呼吸機能低下がある人、睡眠時無呼吸症候群、本剤で過敏症を起こしたことがある人。

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