サプリメント(栄養補助食品)について

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サプリメント(Supplement)とは、日常の食生活からだけでは不足しがちな各種の栄養素を補給するための食品(製品)です。サプリメントは栄養補助食品ですがその摂取形態は通常の食品とは異なり、『タブレット(錠剤),カプセル,ソフトカプセル,パウダー(顆粒),ドリンク(リキッドタイプ)』などの形で栄養を補うものをサプリメントといいます。

栄養補助食品のサプリメントは、特定の栄養素(複数の栄養素)を選択して集中的に摂取することで、日常の食生活では摂りにくい栄養素を手軽に補い、効率的で選択的な栄養の確保を図ろうとするものです。その為、サプリメントは医薬品の薬効には及ばないものの、通常の食事による栄養摂取よりも強力な生理学的作用を持っています。サプリメントは、病気の治療目的に使われる『医薬品』と日常の栄養補給を行う『食品』の中間領域にある『栄養補助目的の食品・製品』であるといえます。

サプリメントの承認を行うアメリカのFDA(Food and Drug Administration:米国食品医薬品局)では、『ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸などの栄養成分を1種類以上含む栄養補給のための製品』としてサプリメントを定義(1994年のDSHEA:Dietary Supplement Health Education Act)しています。サプリメント大国であるアメリカでは、サプリメントの治験データの厳しい検証と承認体制の整備が行われており、疾病予防に有効なサプリメント摂取が『予防医学』の一領域に取り込まれています。

人間の健康の基本は、『食事・運動・休息のバランスが取れた生活習慣』にあり、『偏った食事・過剰な運動・喫煙習慣・過度の飲酒・睡眠障害・休息なしのハードワーク』といった健康状態を悪化させる生活習慣が長期間続くと、人間は病気になったり、心身の状態を崩してしまいます。そういった心身の健康を障害する生活習慣は、かつて成人病と呼ばれた生活習慣病リスク・ファクター(危険因子)となります。

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糖尿病・心臓疾患・悪性新生物(癌)・高血圧症・高脂血症・脳卒中といった生活習慣病を事前に予防する為のひとつの選択として、規則正しいバランスの取れた食事に加えて、必要栄養成分のサプリメントを摂取するという方法もあるという事です。

サプリメントは、医療用の薬剤ほど強力な薬理作用(薬効)を持っているわけではありませんが、食品よりも明らかに強い生理作用(栄養素による効果)を持っていますから、サプリメントを過剰摂取したり、間違った組み合わせで飲んだりすると望ましくない副作用が出ることもあります。ですから、定められた適切な用法用量を基準にして、自分自身の体調の変化をチェックしながらサプリメントを飲むようにすることが大切です。

アンバランスな食生活をしている人が不足しているサプリメントを摂取する事には健康維持の効果がありますが、出来るだけアンバランスな食生活を改善するという基本的な生活習慣の正常化にも目を向けることが重要です。

食習慣改善の努力を継続しながら、自分が必要な栄養成分のサプリメントを選んで摂取することで、より高い健康効果と病気の予防が期待できます。日本やアメリカなど飽食文化が浸透した国の場合には、ビタミンやミネラルなど特定の栄養成分の不足の問題もありますが、蛋白質や炭水化物、脂質など栄養の過剰摂取が問題となっています。血や肉となる動物性タンパクや脂質などの栄養成分を過剰摂取すると、血液成分の濃度や血糖値が高くなり、内臓脂肪の蓄積や血管の硬化を促進して、将来の生活習慣病の原因になる恐れがあります。

栄養バランスが偏っている人や明らかに食事量が不足している人の場合には、サプリメントを摂取する事が有効なケースが多いですが、栄養を過剰摂取している人の場合には、食事量や食事の頻度そのものをまず見直してみてから必要なサプリメントを摂ったほうが良いでしょう。

健康を維持して致命的な疾患のリスクを回避する『食習慣の正常化』とは、『食事の質・食事の量・食事の時間の適切なバランス』を考えながら健康に良い食事の習慣を形作っていくことです。

現代社会では、若者層を中心として効率よく素早くエネルギーを摂取できるファストフードや味覚の心地よさを追求したジャンクフードの食文化が隆盛しています。大手外食チェーンのファストフードやスナック菓子やインスタント食品といったジャンクフードにも生活に必要な栄養素(動物性蛋白質・脂質・塩分・糖分)は含まれていますが、日常的にそれらの食品を食べ続けていると、野菜や海産物などに含まれるビタミンやミネラルなどの栄養成分は不足しがちになります。また、動物油脂を大量に使った料理は動物性の飽和脂肪酸が多く、血中のコレステロール濃度が高くなり生活習慣病の発症リスクが高くなります。

確かに、ジャンクフードは、味覚的には美味しいものが多く、刺激的な味付けがなされていて食べていると病み付きになる習慣性を持っているのですが、ジャンクフードだけだと栄養が偏りすぎるので、野菜や穀物、果物、魚介類などを使った料理などと組み合わせることが望ましいです。時間がなくて料理を作っている暇がないとか、一人暮らしでバランスの良い食事が難しいとかいった人の場合には、必要とする栄養成分を補う為にサプリメントを摂ってみるのもいいかもしれません。

サプリメントの摂取方法には、以下の2つのパターンがあります。

1.日常の食生活で不足しがちな栄養成分を補給するパターン……ビタミン・ミネラルを中心として、本来、毎日の食事で摂ることが望ましい栄養成分で不足しているものをサプリメントで補給するもの。

2.自分の体調や症状を改善する目的でサプリメントを利用するパターン……毎日の食生活では通常摂ることができない栄養成分を補給して、体調の不良や心身の症状を改善しようとするもの。生理作用の強いハーブや特定機能を持つ栄養素のサプリなどを民間療法に近い形で用いる。

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