阿防羅刹(あぼうらせつ)

阿防羅刹
(あぼうらせつ)

[意味]

仏教における地獄の世界で、罪人を責め立て苦しめる獄卒と悪鬼のことである。その姿は、牛・馬の頭を持ち、胴体と手は人と同じであり、脚は牛だとされている。仏教の地獄絵図には『牛頭(ごず)・馬頭(めず)』として描かれることが多い。凶暴で攻撃的な気質と山を抜くほどの怪力を持っている怪物であり、到底、生身の人間が立ち向かえる相手ではない。

『阿防』とは地獄を守る獄卒(ごくそつ)のこと。『羅刹』とは恐ろしい形相をした悪鬼のこと。『阿防』の漢字は、『阿坊』『阿傍』『阿旁』と表記することもある。

[用例]

阿防羅刹のように極悪な同級生たちから、過酷ないじめを受けることになった。悪に対して情け容赦なく冷酷に制裁を下す彼の怒りの形相は、さながら阿防羅刹とも呼ぶべきものである。

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『新明解四字熟語辞典 第二版』(三省堂),『大修館 四字熟語辞典』(大修館),竹田晃『四字熟語・成句辞典』(講談社学術文庫)

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