空条承太郎が広瀬康一に依頼して探している汐華初流乃(しおばなはるの)という15歳のハーフの少年は、あのディオの遺伝子を継承するスタンド使いだった。汐華初流乃によく似たジョルノ・ジョバァーナは、ブローノ・ブチャラティと協力してギャング『パッショーネ』に潜入するための幹部ポルポの試験を受ける。ジョヴァーナとブチャラティは未成年の子供にまで麻薬を売りつけて依存・破滅させるギャングのやり方が許せないと感じ、ギャングのボスを倒すための密約を結んだのだった。
巨大な肥満体のスタンド使いである幹部のポルポは、ジョヴァーナの怒りを買ってスタンド『ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)』の能力によって暗殺されるが、表向きはポルポは刑務所で拳銃自殺したものとして報じられた。ブチャラティは自分の子分に当たる4人の仲間をジョヴァーナに紹介する。『アバッキオ(20歳)・ミスタ(18歳)・ナランチャ(17歳)・フーゴ(16歳)』の4人で、いずれも個性的で強力なスタンド使いである。
生意気盛りの4人のギャングから痛烈な通過儀礼の洗礼を受けたジョヴァーナだったが、スタンドを使って上手く窮地を逃れて『仲間の一員』として承認されることになる。幹部ポルポは密かに『約6億円もの隠し財産(遺産)』を持っており、その隠し場所を唯一知っているブチャラティは総勢6人でカプリ島に向かう。しかし、他のギャングたちもポルポの巨額の隠し財産について知っており、ズッケェロという不気味なスタンド使いが、カプリ島に向かうブチャラティらの船に乗り込んで襲撃してくることになる。
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船の上で突然ナランチャが、ボックスの中に吸い込まれるように姿を消してしまう。ナランチャに続いてミスタとフーゴまでどこかに掻き消えるようにして忽然と姿を消してしまった。訳が分からないうちに、カプリ島行きの船上でいきなりスタンド攻撃を受けてパニックに陥るが、このズッケェロの不可思議なスタンド攻撃の謎を明らかにしていく過程をミステリーのように楽しむことができた。
ナランチャ、ミスタ、フーゴの3人の姿は船のどこにも見当たらない。だがジョヴァーナのゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)で『ナランチャの靴』に生命を与えてハエに変えたところ、ハエは主人のナランチャを探して追いかける動きを見せたのでナランチャたちが死んではいないことが分かった。
アバッキオが自分のスタンドの能力を見せることを嫌がっているのを見たジョヴァーナは、『ブチャラティに対する絶対的な信頼感・仲間意識』をアピールするために、敵が潜んでいるボックスに自ら近づいて言って吸い込まれてしまった。しかしうジョヴァーナの自己犠牲のおかげで、一瞬だけだったがズッケェロのスタンドの姿を確認することができ、アバッキオが自らのスタンドを使って姿を消した4人の行方を探し始める。
ブチャラティはどこにでもジッパーをつけて空間を広げることができる『スティッキィ・フィンガーズ』のスタンドを使って、船の上や中を手当たり次第にジッパーをつけて捜索していくのだが、4人の姿はどこにも見当たらない。隠していたアバッキオのスタンドは『ムーディー・ブルース』であり、その人物に起こった『過去の出来事』を録画したビデオのように現在まで遡って見ることができるという特殊能力を持っている。
アバッキオはムーディー・ブルースを使って、ナランチャの5分前からの行動(状況)を再現するが、ナランチャは突然背中に穴を開けられて風船から空気が抜けていくように身体が萎んで、船のボックスの中に吸い込まれていったことが分かった。身体がペラペラになるまで薄く萎んでいても、仲間4人は生きていることも分かった。ムーディー・ブルースは過去の出来事をリプレイする能力を使って、徹底的に船内を捜索するのだが、ズッケェロの姿を発見することができず、『謎が分かったという瞬間』にアバッキオもやられて船内のどこかに吸い込まれていってしまった。
独りだけで船上に残されたブチャラティは、『6億円のありか』だけを話せと指示され、『それ以外のいかなる発言』をしてもその度に仲間を一人ずつ殺していくと脅迫されてしまう。しかしブチャラティはアバッキオが残していたヒントから、見事にズッケェロの隠れていた場所を推測して見破りひきずりだすが、『姿を消しながらの攻撃』という特技が使えなくなったズッケェロのスタンド『ソフト・マシーン』は弱い。ブチャラティの強力な攻撃力を誇るスタンド『スティッキィ・フィンガーズ』の敵ではなかった。
ズッケェロのスタンド『ソフト・マシーン』は、針を突き刺すとどんな人や物でも風船がしぼむようにペチャンコにすることができる能力を持つが、姿をまともに見せてしまうとスピードや攻撃力(射程距離)という弱点が露呈してしまうのである。ズッケェロをあっけなく倒したブチャラティたちだったが、ズッケェロは既に仲間たちにヨットの行き先(6億円の隠し場所)が『カプリ島』であることを教えてしまっていた。
ズッケェロは仲間とカプリ島の『北の港(マリーナ・グランデ)』で落ち合う約束をしていたが、ジョヴァーナとミスタは先回りしてその仲間を暗殺しようとする。ミスタのスタンドは『セックス・ピストルズ』という6人の小人(弾丸)のような形をした暗殺向きのスタンドであり、拳銃の中に住んでいて発射された弾丸を自在にコントロールして命中させることができる。
ポルポの隠し財産の6億円を横取りしに来たのはサーレーで、そのスタンドは『クラフト・ワーク』である。クラフト・ワークは一瞬で触った物体を好きな場所に固定することができる能力があるので、ミスタのセックス・ピストルズの弾丸で撃たれても、ギリギリのところで弾丸を固定してしまう。そのため、サーレーのクラフト・ワークに対しては、拳銃でも打撃でも致命傷を与えることができないのである。
クラフト・ワークは固定した弾丸をトントンと軽く叩き続けることで、『力』を溜めて強力な銃弾の一撃を放つ攻撃力の高さも持っている。ミスタのセックス・ピストルズは、サーレーの油断を突いて『起死回生の一撃』を狙っていく。この二人のバトルはクラフト・ワークの『弾丸を固定する能力の限界』を突き破るようなある種の頭脳戦で決まることになるが、スタンド同士の戦いには『双方の能力の弱点』を探して突いていく詰め将棋的な面白さがある。
ポルポの隠し財産の6億円を手に入れたブチャラティは、ギャング・パッショーネの幹部に昇格することができるが、ボスからの新たな命令(元々はポルポが受けるはずだった命令)を受け取ることにもなった。それは『ボスの娘を護衛すること』という命令であり、ボスの娘であるトリッシュ・ウナ(15歳)は『ボスの過去の秘密』を握る存在でもあるようだ。ボスの縄張りや利権を奪い取ろうとしている『組織の裏切り者(スタンド使いでもある)』は娘のトリッシュ・ウナを狙っているが、ジョヴァーナとブチャラティらは彼女を守り抜けるのだろうか。
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