阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)

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阿吽の呼吸
(あうんのこきゅう)

[意味]

『阿吽(あうん)』とは、一般に吐く息(呼気)と吸う息(吸気)を表す言葉である。

『阿吽の呼吸』とは、二人以上の人が協力して物事に取り組む時の微妙な呼吸(息遣い)や調子、タイミングのことである。あるいは、二人以上の人の呼吸や調子がぴたりと合って順調に物事が進むことをいう。

語源はサンスクリット語(梵語)の“a-hum”である。阿吽の『阿』は口を開いた時に出す音、『吽』は口を閉じた時に出す音で、二つの音が合わさって一対になっている。阿と吽の音を出している時の姿をそれぞれ『阿形(あぎょう)』と『吽形(うんぎょう)』と呼ぶ。

阿吽は『万物の根源・世界の真理』といった密教の呪術的な意味合いもあり、仏教の寺社の山門には『阿吽の口の形(一体が口を開き、一体が口を閉じる)』をした一対の仁王像や狛犬(こまいぬ)が置かれていることがある。

[類義のことわざ]

以心伝心

[用例]

長年コンビを組んでいるピッチャーとキャッチャーは、『阿吽の呼吸』で絶妙なコースに球を投げ込んでくる。

鴛鴦夫婦(おしどりふうふ)だったあの二人は、毎日の生活の中で『阿吽の呼吸』でお互いのことを思いやっていた。

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参考文献
時田昌瑞『岩波 ことわざ辞典』(岩波書店),『新明解故事ことわざ辞典』(三省堂),日向一雅『ことわざ新辞典』(高橋書店)

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